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第456話 40日目 アリス出立前の姉妹の会話。ブルックの楽天思考。

アリスとクゥは朝食後、出立の準備を早々に終わらせお茶をしていた。

「~♪」

「きゅ。」

クゥも数日は食べれないであろうお菓子を頬張り満喫している。

と、レイラがやってくる。

「あれ?準備は終わったのね?」

「レイラお姉様、昨日のうちに荷造りは粗方終わっていましたし、櫛とか小物を入れて終わりですから。」

「そう。

 じゃ、これ。」

レイラがアリスに書類と手紙を渡す。

「はい。ん?お爺さまから?」

「朝食後のティータイムを第3皇子夫婦とお義父さまで取っている時に届いてね。

 中は私達やお義父さまも見ていますよ。」

「んー?・・・用地のプレゼン内容と結果ですか。

 なるほど、街南案が工場になったのですね。

 え?スミスが街北案の救済案を出して欲しいとタケオ様に依頼?

 へぇ~。」

アリスがそこの文面に目を止めて朗らかに笑う。

「ね?そこ、気がつくわよね。

 ウィリアムもお義父さまも楽しんでいたわ。

 『スミスは優秀だな』と・・・同年代のパットが比較対象だからね。

 うちのスミスは逸材に見えているのかしら?

 アリス、スミスはしっかりと成長しているみたいね。」

「そうですね。

 今までなら聞いているだけだったのにわざわざタケオ様に依頼を出そうと提案したのですから、ちゃんとスミスも施政の事を考えているみたいですが・・・

 他人に依頼するなら自分の意見も言うべきです。

 ですからまだまだですね。」

「アリスは厳しいわね。

 あの年では大人に意見するだけでもかなり緊張をするんじゃない?」

「弟には厳しくするものでしょう?」

「私は途中でスミスの教育を投げ出したからなぁ。

 スミスの教育方針には何も言えないわね。」

「私も基本的に放置ですしあまり言えませんが、どうやってスミスを誘導すれば良いのか・・・

 あとはタケオ様にお願いしようかなぁ?」

「あら?アリスは良くてスミスはダメなの?」

レイラが苦笑する。

「はい。

 私の婚約者ですよ?私は特別です!

 それに話し合いながら決めたいですし。」

「そうね。

 タケオさんなら上手い方法を考えるでしょうね。」

レイラの言葉にアリスも頷く。

と、扉がノックされ、アリスが許可を出すとアンダーセンが入ってくる。

「失礼いたします。

 アリス殿、レイラ殿下、おはようございます。」

「「おはようございます。」」

「 アリス殿、キタミザト殿に書類を届けて頂けますでしょうか。」

アンダーセンは小さい封筒を出す。

「わかりました。中身を聞いても?」

「はい、問題ありません。

 試験小隊の王都守備隊から事前内定者4名と魔法師専門学院からの採用者2名の概要書です。」

「学院からの2名?」

「はい。学院長から正式に書面で2名が採用されたと通知が来ました。」

「そうですか。来てくれるんですね。」

アリスはホッとしながら呟く。

「詳細はこちらに戻ってから確認をして頂くとは思いますが、とりあえず概要をお知らせしようと。」

「はい、わかりました。」

と、執事が来て「出立準備が整ったようです」と伝えられアリスは席を立つのだった。


------------------------

「アリス殿の馬も用意したし、私達も荷造り終わっているし・・・

 よし!準備は出来たわね!」

ブルックとフォレットが出立準備をしていた。

「~♪」

「ブルックさん、楽しそうにしていますが・・・アーキンさんに会えるのが楽しみだからですか?」

フォレットが聞いてくる。

「え?・・・アーキンは2割くらいかな?」

「少なっ!?」

「そう言うジョハンナはバートに会いたいのかな?」

「え・・・それは・・・そうですよ。」

フォレットは顔を赤くしながらモジモジとする。

「・・・乙女ね・・・まぁいいわ。

 せっかくアリス殿と2日程一緒に旅をするんだからいろいろ聞かないとね♪」

「え?何を聞くんですか?」

「キタミザト殿の知識を。」

「・・・料理ですか?」

フォレットは考えながら言う。

「ジョハンナ・・・キタミザト殿は文武両道を地でいく方よ?

 そんな方の夜の生活も知りたいじゃない?」

「え!?そっちですか?」

フォレットが驚くが・・・

「え?当たり前でしょう?

 いくら文武両道をしていてもそれだけでは伯爵家のご令嬢と婚約出来るわけないわ。

 さらにアリス殿のあの嫉妬加減・・・アリス殿を虜にする何かがあったのは確かだわ。」

「それはそうですが・・・」

フォレットが悩む。

「それに小耳に挟んだんだけどクリフ殿下とニール殿下に新たな側室が入るそうよ?」

「え・・・大事ですね。」

「キタミザト殿が王都に来て数日でよ?」

「・・・パット殿下が原因では?」

「あ・・・そうか、そっちもあり得るか・・・

 そうね、どちらにしても聞かないといけないわね。」

「あぁ、やっぱり聞くのですか・・・」

「キタミザト殿の知識の幅を確認しないとね。

 ジョハンナは興味はないの?

 私達が知らない世界があるかもしれないのよ?」

「そ・・・それは知りたいですが・・・」

「お待たせしました。」

アリスとアンダーセンがやってくる。

「はっ!アリス殿、準備は出来ております。」

「すみませんが、同行をお願いします。」

アリスは2人に礼をする。

「「はい。」」

「それにしてもアリス殿、重装備ですね。」

アンダーセンは苦笑しながら言う。

「ですね。

 私の荷物にバスタードソードにタケオ様の小銃ですからね・・・」

アリスはため息をつく。

アリスはタケオがゴブリンとオーガの強襲に後半でしていたように小銃改1の紐を左肩から右腰に掛け、送りカンを使い紐を閉め、銃口を下に向けた状態で背負っていた。

「騎乗には問題ないでしょうか?」

「たぶんとしか・・・

 ダメなら違う持ち方を考えます。」

アリスはため息交じりに言う。

「では、アリス殿。

 いってらっしゃいませ。」

「はい、アンダーセン殿。

 タケオ様に何か他に伝言はありますか?」

「・・・そうですね。

 試験小隊の人員のあと4名は決めていませんので帰って来てから資料のチェックをお願いしますと。

 人数については絞り込んでおくとお伝えください。」

「はい、わかりました。」

アリスは頷く。

「では、アリス殿、出立いたしましょう。」

とブルックが促し3人が騎乗する。

「では、小隊長殿、行ってきます。」

「はっ!所長夫人殿、お気をつけて。」

アリスとアンダーセンは冗談交じりに言葉を交わし、アリス達は出立するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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