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第441話 ブルック。王都で皆に報告3。

「実はアズパール王国に帰国したのですが・・・」

ブルックが言葉を区切る。

「ん?タケオはエルヴィス伯爵の越境許可書を持っていただろう?

 それにそのエリカも出国専用の越境許可書はあるし、マイヤーやお前たちにも計3通の越境許可書を持っているはずだが?」

「はい。

 クリフ殿下がアシュトン子爵と共に関で待ち構えておいででした。」

「・・・アシュトン子爵が?

 アヤツがタケオに興味を示すとは思わんが・・・また面倒なヤツが絡んだな。」

「父上、微妙に嫌がっている感がありますが?」

「別に嫌がってはいないが、アヤツは思った事を口に出しすぎると前に会った時に感じた。

 タケオに余計な事を言わなければ良いが・・・

 まぁクリフが居れば大した問題にはならないだろう。

 タケオもクリフには表立って敵対的には対応しないだろうし・・・」

「失言する方なので?」

アルマが聞いてくる。

「あぁ、良く言えば実直で素直、悪く言えば考えなし。

 で、2人が何で待っていたのだ?」

「内容はわかりませんが、クリフ殿下とアシュトン子爵とキタミザト殿が話し合われました。

 その際にアリス殿を呼ぶようにクリフ殿下がキタミザト殿に依頼をし、私達がクリフ殿下領の手前の王領にある町までアリス殿の随行をしに来ました。」

「クリフがアリスを?」

アズパール王が首を傾げる。

「アルマお姉さま、これって・・・」

「ええ、レイラ、たぶん候補者の真意をアリスに聞いて貰うんじゃない?

 お姉様方が聞いてしまうと強制になってしまいそうだし。」

レイラとアルマがヒソヒソ話す。

「ん?アルマにレイラ、わかるのか?」

アズパール王が2人を見る。

「妃会議で第1皇子一家と第2皇子一家には新たに側室が入る運びになっています。」

「我は初めて聞いたが・・・そうなのか?」

アズパール王がウィリアムに聞く。

「父上、昨日、僕の所に正式に兄上達の一家で選定すると報告書が来ていましたよ。次に回しましたが?」

「・・・まだ我の所に来ていないな・・・

 総監局辺りで止まったか?ウィリアムの件で膨大な仕事が入ってきているからなぁ。明日の朝には来るかな?

 いや我の机の書類の山の中か?」

アズパール王が腕を組んで思案する。

「あの・・・そんなにゆっくりと構えていて良いのですか?」

アリスが不思議そうに聞いてくる。

「アリス、大丈夫だ。それに側室だしな。

 身元がしっかりしていて、本人達が認めるなら我は関与しないな。

 正室選びだと文官や貴族会議も交えて検討するのだが・・・」

「そういう物なのですか?」

「王家の正室はそういう物だ。

 さて、ニールの側室であるリネットには帰る前に会ったが・・・クリフについては何か情報はあるか?」

「いえ、まったくないですね。

 実際には候補者は数名いるのでしょうけど。」

アルマが答える。

「ふむ。レイラもか?」

「ないですね。

 どんな女性なんですかね?気が強いのでしょうか?」

「さてな。どっちにしてもローナとセリーナが認める女性だな。

 ・・・まぁそのうち王都に来るだろう。

 アリス、すまぬがタケオの要請に答えてクリフの側室を見てきてくれ。

 出発は・・・明日はそこの隊員を休ませたいから明後日の朝一にしてくれ。

 それとタケオには執事とその女性冒険者に会いたい旨を言っておいてくれ、やり方はタケオに会った時と同じでやりたいからとも伝えてくれぬか?」

「畏まりました、陛下。

 私もついでに見たい者がタケオ様の近くにいますので喜んで行ってきます。」

アリスは真面目な顔で返答をする。

「・・・アリス、一応・・・一応!言っておくぞ?

 いきなり斬りかかるなよ?」

最後の文言はちょっと声が小さめです。

「・・・私はそんないきなり斬りかかるような戦闘狂ではないのですが?」

「そうか、ならあんし」

「確認してから斬りかかります。」

「・・・アリス、お主は鮮紅なのだぞ?」

「はい、拝命いたしましたね。」

「・・・この国で最高峰に位置しているんだぞ?」

「そうでしたか?田舎者なので知りません。」

「それにエルヴィス伯爵の孫娘であり、箱入り娘・・・のはずはないか。

 お転婆だったらしいしな・・・タケオ・・・我が国の為にありがとう!」

アズパール王がここには居ない武雄に感謝を伝える。

「いや陛下、そこで何を口走っているのですか?」

「お義父さま、そこは私達エルヴィス家の皆が・・・いや、エルヴィス領の領民全てがタケオさんに感謝しています。

 何しろ、あのアリスの婚約者ですから!

 アリスも認識しているんですよ、タケオさん以外に貰ってくれる殿方はいないと。」

「いや、私は」

「だから他の女性がタケオさんに近づいてきたら威嚇しに行かないと気が済まないのね?

 必死ね!アリス!」

「それはちが」

「アルマお姉様、やっぱりそう思いますよね?

 あのアリスが殿方に嫉妬ですよ♪

 はぁこんな日が来るとはね♪」

「何をいっ」

「レイラ、これはエルヴィス伯爵に報告が必要じゃないかな??」

「え?なにをいわ」

「そうね!お爺さまにも報告しなきゃ!大号泣するはずです!

 いや、お爺さまは小躍りするかもしれません!」

「そんなわけな」

「あ、ジェシーにも伝えないとね。」

「え?なんでそ」

「そうね!ジェシーお姉様にも伝えないと!

 絶対泣くわ!」

・・

この日はアリス弄りが笑顔と共に繰り広げられるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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