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第424話 今日の野宿・・・え?コラどうしたの?

武雄達は順調に関間を移動して今日の野宿の場所に到着した。

そこはタマとあった場所だった。

皆は今日の野宿の支度をしている。


「・・・ん?」

支度をしていると武雄の肩に居るミアが不意に遠くを見る。

「どうしましたか?」

「主、ちょっと待ってください。

 タマ!」

「ニャ!」

タマも何かを感じたのか広場のかなり先の草が生い茂っている方を見つめている。

「タマ!あっちの方の気配はコラですか!?

 2体居ますね?」

「ニャ!?・・・ニャ?」

「ふむ・・・主。

 コラがたぶん傷ついて倒れています。

 その横にたぶんタマの兄弟がいるかも。」

「え!?

 コラはこの辺の主なのでしょう?何で傷ついて・・・」

武雄が驚く。

「わかりません。

 2体ともかなり気配が弱まっています!

 主!助けに行きましょう!」

「そうですね。

 マイヤーさん。」

「了解です。

 野営の用意をして周囲を警戒しておきます。」

「よろしくお願いします。

 ヴィクター、ジーナ、行きますよ?」

「「はい。」」

武雄達はミアの先導を頼りにコラを探すのだった。


------------------------

武雄達がコラを発見した際は酷い有様だった。

コラももう1体のラジコチカも血だらけで虫の息だった。

武雄は2体同時にケア×15を何回もかけていく。

と、傷はどんどん回復して行った。

そして何回かけたかも忘れた頃、2体の外傷はわからなくなっていた。

武雄は2体から手を放しその辺に座る。

「はぁ・・・やれることはしましたかね?」

「主、何をされていたのですか?」

ヴィクターが聞いてくる。

「ん?ケアをかけただけですよ?」

「主から魔力が無くなっているようには見えませんでしたが・・・」

ヴィクターが聞いてくる。

「あぁ・・・私はそもそも1回に使える魔力量が25ですけど・・・

 魔力がなくなることがないので問題ないですよ。」

「?・・・それはどうなのです?

 今具体的に何をされたのですか?」

「んー・・・ケアをそれぞれに100回程度かけただけです。」

「ケアを200回???

 ・・・主は何ですか?」

「いや・・・私は私ですが?」

「お父さま、ご主人様は凄いのですか?」

「ああ、そんな事をするなんて聞いたことがない・・・

 あのぐらいの重傷者は魔法師3人くらいで治さないと自身の魔力が尽きてしまうのだが・・・

 魔力が尽きないからオーガの攻撃を受けても平気だったのですか?」

「ええ、シールドを10枚重ねて受けていましたけど?」

「シールドを重ねる?・・・うぅむ・・・奇抜な発想ですね。」

ヴィクターが悩む。

「お父さま!ご主人様は凄いのですか!?」

ジーナが再び聞く。

「ジーナ・・・私達はそもそも魔法の適性が種族的にあるのだが。

 人間みたいにファイアだのを撃ったりは出来ないのは知っているな?」

「はい、身体強化がメインだったはずです。」

「そうだ。人間では出来ないであろう硬度を我らは持っている。

 ・・・だが・・・主は瞬間的に我らの上を行くかもしれない。」

ヴィクターは腕を組みながら悩む。

「いや・・・同時に展開できるのに回数制限はありますからね?

 なのでそんなに展開はできませんよ。」

「主が簡単にオーガを倒す訳です。」

「ご主人様は凄いのですね!?」

ヴィクターはため息をつき、ジーナは目をキラキラさせる。

と、コラが身じろぎし始め首を起こす。

「・・・ニャ?・・・・ニャ?」

辺りを見回し武雄達が居る事を確認して鳴く。

「ニャー!ニャー!?」

タマがコラに駆け寄り身を擦り付ける。

「タマ良かったですね。

 コラ、主が瀕死のアナタを助けました。

 もう1体はどなたです?」

ミアがコラに言うと。

「ニャ・・・ニャ。」

もう1体も起き始めて周りを見始めて状況を確認する。

「ニャ?」

自身の回復を確認しているようだ。

「ニャ。ニャ。

 ニャ・・・ニャ?」

コラがミアに何かを言っている。

「ふむ・・・主。」

ミアが少し考えてから武雄の方を見る。

「はいはい。何かわかりましたか?」

「コラ達はこの周辺の縄張り争いに敗れたそうです。」

「なるほど・・・

 タマの兄弟が数体いたそうですが、そちらは?」

「ニャ・・・」

コラが悲しそうな顔をしたように武雄は感じた。

「主、傍らにいる1体以外は・・・」

「そうですか・・・

 コラ達は今後どうするのですか?」

「・・・ニャ・・・」

武雄の言葉を聞いてコラが小さく鳴く。

「主、コラは敗れたのでこの土地の所有権が無くなったそうです。」

「ちなみにですが・・・私は命を救ったのですよね?

 コラ達の身柄をもらい受けても良いのですか?」

「「ニャ!?」」

コラともう1体が驚愕の表情を武雄に向ける。

「え?・・・だって瀕死の重傷を負っていたのを治したんですよ?

 私達が来なければ死んでいたんですよね?

 で、コラ達は行き場がない。

 なら私の部下になりません?」

武雄は真面目な顔でコラに言ってくる。

「ニャ・・・ニャ?」

「ふむ・・・主、コラ達をどうするのですか?」

「ん?エルヴィス領の警護をお願いしたいのですけど。

 領地全部でなくて良いので・・・私が住む街の周囲30km圏内の治安維持・・・違うか。

 魔物を統治してもらいましょうか。

 それと異変があった際の連絡を私達にすることが条件ですね。

 あとは好きにして結構です。」

「ニャ?・・・」

「コラ・・・主の出している条件は破格だと思いますよ?

 再起をかけれるだけマシだと思いますけど?」

「ん?ミア、コラは何を言っているのですか?」

「いえ・・・主は気になさらないでください。」

ミアは珍しく通訳を拒否して自らが説得している。

「ご主人様、コラは人間の下には付けないからミアの部下にして欲しいという要望を言っています。」

ジーナが武雄に近寄りこっそりと教えてくる。

「ヴィクター、ジーナ、あの2体・・・違うか、タマも含めて3体の言葉はわかるのですね?」

武雄のこっそりとした質問に2人は頷く。

「わかりました。ですが、今はそのことをミアには伝えなくて良いです。

 ミアが説得できるのか見守りましょう。」

「「はい。」」

3人はミアの努力を見守るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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