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第4話 現状の認識をしなくては。

こんにちは、北見里 武雄です。

今、エリオット・ヘンリー・エルヴィスというおじいさんに肩を貸しながら山を下りて道に出てきました。

山を下りるのに40分かかりました。

想定よりは割と近かったのですが、さっき居た場所からは見えない場所でしたね。

まぁ、あの切羽詰まった状況では分からなかっただけなのかもしれませんが。

軽く疲れていますが、今は気にしていられません。

それよりも、目の前にある道を見ての驚きの方が大きいです。

私の感覚だと、これ昭和初期の道にしか見えないんですけど・・・

道幅は6m程度で土を固めただけの簡単舗装。

今時、日本全国の道は殆どアスファルト舗装ですよ?

土塊かぁ。

で、ここはどこなのでしょう?


「うむ、ここはわかるぞ。あっちじゃ。」

と、隣のおじいさんは手を指してそちらに行けとの指図。

タイミングばっちりですね。

「では、ゆっくりと行きましょうか。」


さらに10分くらい歩いたところで、隣のエルヴィスじいさんの汗が多めに流れていることに気づく。

「小休止しましょうか。」

「すまんのぉ。」

バッグからお茶を取り出し一口飲む。

「エルヴィスさんも一口いかがですか?」

「すまんのぉ。」

私が飲む時に間接キスは嫌なので、上を向いてもらい一口分入れる。

その瞬間、こちらに顔を向け、目を大きく開いて驚きを隠さない。

水だと思って飲んだらしく、味がするので驚いているみたいだ。

私は何も言わず、軽く笑顔で頷いておく。

何か言いたそうだが、私が視線を合わせないので今は言わないでおくらしい。


さて、私は道脇の草むらに座り街道を行きかう人を観察してみる。

・・・中世ヨーロッパ系の服装なのね。

もう今更、そこは考えないでおこう。

目の前にもっと驚愕しなくてはいけない事項が発生しているんだよね。

通りを歩いている人で何人かは人の姿なんだけど猫耳?犬耳?あるよね?尻尾も?


んー・・・眉間にしわを寄せつつ考える。

わからん、コスプレか?カチューシャか?町全体で?ありえないだろう。

ここは日本ではないのか?いやいや日本語は通じるし・・・あ、エルヴィスという名前は西洋っぽいな。

頭の片隅にある言葉が浮かび、今の現状を表すのに適切なんだが。

これを認めたくないというか、認めなきゃいけないのか?

可能性としてはありなのだが、なぜ自分が?いやそんなこと聞いたこともない。

しかし・・・。

とある確信はあるものの、認めないように堂々巡りを繰り返す。


「・・ケオ、タケオ、おい。聞こえているのか?」

「え??あ!すみません。考え込んでいて聞こえていませんでした。」

「ふむ、難しい顔をしながら何を考えておる。

 とりあえず、我が家に行くことが目的じゃぞ。」

「その目的は了解していますし、今更放り出すわけないでしょう。」

「ふむ、そこを忘れなければ問題はない。」

「ちなみに、家まであとどのくらいかかりそうですか?」

「そうじゃなぁ。半日といったところかの。」

半日。

今は時計を確認すると15時を回った辺りか。

着くのは夜中になりそうだな。


「ちなみにタケオ。お主、歳はいくつなのだ?」

「35歳になりますが。」

年齢を告げると少し驚いた表情になり。

「なに!?30歳前後かと思ったのだがの。

 割と若く見えるな。」

日本人は総じて若く見られるかもしれませんが、そんなことを言うなんて本当にここは日本ではないのか???

と思いながら何気なく道の先を見てみると、人が馬に乗って速歩でこちらに向かってくるのが見えた。

2人いるのか。


「何か来ますね。」

「ふむ、まぁ平気じゃろ。」

のんきな我々二人組の前を二人の帯剣をした者が過ぎて行く。

が、ちょっと先で停止して思いっきり戻ってくる!?

え?なに?手打ちにされるの!?何も粗相してないでしょ?

まさか江戸時代みたいに頭下げなかったのが不味いの!??


「エルヴィス様!!!」

開口一番に馬に乗っている一人が言い放った。

「様?エルヴィスさん・・・も、もしかして偉い人なんですか?」

「ふむ、割とだがな。」

とニヤリと笑う爺さん。


え?もしかして不味いことしていたのか???

背中に嫌な汗をかいているのがわかるし、自分の顔が引きつっているのがわかる。


「ふむ、タケオ、面白い顔をしておるの。まぁ平気じゃ。」

気が遠くなりそうになりながら気が付いたことがある。

ちょっとちびっている。もうお婿にいけない。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ここで武雄が見たケモミミの人達は数少ない住民達だったんだろうなぁ。レアな場面を一発目に見た事になるんですかね?
[気になる点] ん〜、、、 毎話、毎話色々な件がいちいち長い、、、 そりゃ2000話オーバーしますわな、、、 ただ面白そうなので、もう少し読んでみよう、、、
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