第3752話 ヴィクターとの話し合い。(欲しい人材の候補は?)
夕方の研究所の3階 所長室。
ヴィクターが武雄と話をしていた。
「はい、では、金貨1450枚は展示即売会の支払いの方から引いておきます。」
ヴィクターが頷く。
「はい、ありがとうございました。」
武雄も頭を下げる。
「とはいえ、主の今までの報告書等々を思い返すと。
それなりに手元には残っておりますね?」
「うん、ヴィクターにはお見通しだね。
手持ちで金貨230枚、この展示即売会の費用が入れば冒険者組合に金貨600枚で書斎に金貨240枚 銀貨500枚があります。」
「ふむ、金貨で1120枚が主の今の動かせる金額という事ですね?」
「そうなりますね。
8月にウィリプ連合に行くので、数名雇いたいですが、買える買えないは別としてヴィクターが欲しい人材はどんな感じですか?」
「ふむ・・・農業部門のベルテ一家、主達ご一家のメイド、そして私達文官。
来年は日本酒と醤油、味噌の試作が始まります。
エルヴィス家から紹介された工房で行いますが、監督者を送り込まないといけません。」
「ベルテ一家の下に付く部下が必要という事ですね?」
「ええ、あまり気分はよろしくないでしょうが、奴隷の首輪があるというだけで、信頼は出来てしまいます。」
「確かに、本来はその辺は養っていかないといけないですが、物が物だけに奴隷の首輪に頼ってしまいたい気持ちもありますか。」
武雄が言う。
「はい、それと給金の方ですが、アスセナ並みと考えて試算するのなら・・・そうですね、8名は何とかなるでしょう。」
「動産収入以外で?」
「はい、純然たる主の貴族報酬、爵位報酬、研究所所長給与の収入から我々の給与を考えてです。
侯爵位になっていただいたので、その分の費用が出ます。」
「逆に言うと子爵から侯爵になっても部下8名分にしかならないと。
いや、世間一般からすれば多額ですけど。」
「まぁ、そうですね。」
「・・・それなりに貰っているか。
8名を追加で雇える費用をポンとくれるのですから。」
「はい、その分、主は働かないといけません。」
「そうですね。
頑張って働かないとね。
で、最大で考えると10名くらい?」
「そうですね。
動産収入を加味するなら10名は大丈夫と言っておきましょう。」
「生産工房に送り込むとして、不正や不備を見つけられるような眼を持った人材かぁ。
どんな人が良いかな?」
武雄がヴィクターに聞く。
「他人に厳しい、相手に入り込むのが上手、他人の動きを感知出来る・・・挙げ出したらそれなりに候補が出ると思います。」
「要は人となりによってですね。
余程の事が無い限り、あとは本人のやる気によるという事になってしまいますね。」
武雄が呆れながら言う。
「主は、そういう人達を見つけるのが得意なようですので。」
「今までが良かっただけで、今後も良いとは限りませんよ。
ま、使える使えないではなく、どんな部下でも使うのが上司という者ですけどね。」
武雄が言う。
「全く以てその通りで。
とはいえ、無造作に連れてくる主でもありません。」
「うーん、ヴィクターやジーナ、アスセナさんやベルテ一家以外は無造作だと思いますけど?」
武雄が苦笑しながら言う。
「そうでしたか?
子供達もマリスも仕事を頑張っております。
皆が仕事を覚えようと必死です。
良い人材の補強をしていると思いますが?」
ヴィクターが言う。
「ヴィクターに言われると安心しますね。
・・・ヴィクター、スラム街の住人を連れてくるというのは、どう思いますか?」
武雄が聞く。
「ふむ・・・主のこれからを考えるとウィリプ連合国ですか。
ニルデ様とジルダ様がそうでしたね。」
「うん、たぶん、仕入れが滞っているウィリプ連合国ではスラム街の住人も再商品対象になると思うのです。
これからの情勢を考えると少なくともニルデとジルダの養母は確保しないといけないかなぁと。
そうすると養母の周辺のメンバーは連れてこないといけないかと思うのです。」
武雄が言う。
「・・・難しいですね。
ウィリプ連合国に限って言えば、スラム街に居る住人が、絶対の悪ではないのでしょう。
ですが、どんな体制を取っていようとも、その国の法を犯しているという可能性が高いのも事実。
主の立場がありますので、そういった者を雇うというのは外聞が少々危うくなる可能性があります。」
ヴィクターが言う。
「陛下や王城の人事局や総務局への根回しが必要ですかね?」
「あと総監局へも必要でしょう。」
ヴィクターが言う。
「3月に行った際に許可を貰うか。」
「そうですね。
それと快楽殺人犯とか愉快犯は避けてください。」
「流石に、それは私も嫌です。」
武雄が言うのだった。
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