第3725話 ローの店で買い物をしよう。(濃縮ブドウジュースがアズパール王国の王都にあるらしい。)
武雄達との食事会と歓談を終えたヴァレーリ達がローの酒場に来ていた。
「店主殿!赤ワインを!」
ヴァレーリがローに言う。
「はいはい、今日は南のテンプル伯爵領産のですよ。
ここら辺とは、また違う味わいになっています。」
「ほほぉう、それは楽しみだ!」
ヴァレーリが頷く。
「お客様、ピザをお持ちしました。」
ルフィナとヤリスが他店のピザを持ってくる。
「おお、悪いな。
手際が良いが、先に屋敷を出たのか?」
ヴァレーリがルフィナ達に聞く。
「はい、ジーナ様に言われまして、少し前に出て、注文をしておきました。
奇をてらわず、基本となる物を用意しました。」
ルフィナが言う。
「そうか。
ふむふむ、美味しそうだな。」
ヴァレーリが頷く。
「ありがとうございます。
取り分けます。」
ルフィナとヤリスが皆の皿にピザを取り分ける。
「そうだ。
店主殿、グラスに注いでもワインのように見えるブドウジュースは作れるのですか?」
ヴァレーリがローに聞く。
「ほほほ、色的に少々ワインよりも薄くなるでしょうかね。」
ローが言う。
「うーん、同じかぁ。
魔王国内の王都でも探してみたんだが、色がどうしてもワインに見えないという話なんだ。
そこのカストとか獣人系は酒に弱くてなぁ。
皆が集まる席とかで酒を飲まないといけない場面が多いと困るんだ。
誤魔化せそうなのはないか?」
ヴァレーリが言うと背景を知る武雄は「陛下が酒を飲めないのは、あまり褒められないか」と思っていたりする。
「うーん・・・ちょっとお待ちくださいね。
えーっと・・・ブドウジュースですよね。
確か、そういったリストがあると思うんですが・・・」
ローが奥に本を探しに行く。
「店主殿に期待するとして・・・カストとか獣人系の酒の弱さはどうにかならんかな?
皆の前なら良いにしても、飲まないといけない時もあってなぁ。
こっちが飲まなければ、向こうも飲まないとなるとあまり良くはなくてなぁ。」
ヴァレーリが武雄に聞く。
「ウォルトウィスキーの水割りか果汁割りが良いですよ。
ヴィクターも飲めますし。」
「・・・うーん・・・」
ヴァレーリが腕を組んで悩む。
「自分の取り分を考えない方が良いのでは?
後進の為なんでしょう?」
武雄が言う。
「・・・うーん、うーん、うーん・・・」
ヴァレーリが相当悩む。
「ちなみに私は月に1本しか貰えませんので、悪しからず。」
「私もそんなに多くないからね。
渡さないよ。」
アンナローロとブリアーニが言う。
「ですが、ダニエラ様の言う事ももっともで、身内の領主達や王軍幹部なら私がそもそも飲めないのはわかっているので大丈夫ですが、国家として交渉や会談をする場合、酒がどうしても出るのです。
これに手を付けないのは・・・苦肉の策で、愛用の酒以外では大変な事になるのでと断って、飲めるけどその場では飲まないという事にしようと第1軍の者達と話したのです。」
カストが言う。
「ふむ・・・ブドウジュースにウォルトウィスキーを混ぜますか?
ただ、ウォルトウィスキー自体が無色です。
なので、さっきの話ではブドウジュース自体がワインよりも薄くなるのでしょうが、ウォルトウィスキーを混ぜるともっと色が薄くなりそうですね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・そうだよなぁ。」
ヴァレーリが頷く。
「失礼します。
ご要望の色の濃いブドウジュース自体は、この地で販売していませんが、王都の方で濃縮ジュースというのが出まわっているようですね。」
ローが本を持って来て言う。
「ほぉ、濃縮とな。」
ヴァレーリが興味を引く。
「魔王国の方でもしているのではないでしょうか?」
ローが聞く。
「もう一度探してみるが・・・カスト、買っておいた方が良いよな?」
ヴァレーリがカストに聞く。
「はい、手段は多ければ多い方が良いでしょう。
先ほど、キタミザト殿が言っていた、ウォルトウィスキーをブドウジュースで割るというのも良い手段だと思います。
キタミザト殿、数本、王城の私宛に送ってくれませんか?」
「・・・」
カストが武雄に言うと武雄がヴァレーリをジーっと見る。
「・・・・・・うー・・・うう・・・わかった・・月2本をカストに回そう。」
ヴァレーリがガックリとしながら言う。
「ありがとうございます。」
カストが頭を下げる。
「私の方の輸出量は当面は変わりませんからね。
そうなるしかないでしょうね。」
武雄が言う。
「濃縮のブドウジュースは6本くらい注文しておきましょうかね。
3月には用意出来るかと思います。
あと、本に載っていたのですが、ロゼという赤ワインと白ワインのブレンドで作る酒ですね。
これは王都の一ワイナリーでしか認められていないので、私どもでは出来ませんが存在します。」
ローが言う。
「ローさん、それは入手出来るのですか?」
武雄が聞く。
「うーん・・・私も前に飲んだことはあるのですが、値段に味が見合っていない感じなんですよね。
売れるとは思わないので頼んではいませんが・・・
キタミザト様が買うなら注文しましょうか?ほほほ。」
「・・・いや、止めておきます。
王都にあるのがわかれば、王都に行った時に飲めば良いだけですしね。
エルヴィスさんやアリス、エリカが赤も白も飲むので必要ではないようですしね。
その分をローさんの店で買いますよ。」
「ほほほ、なら、美味しいのをご用意しますかね。」
ローが頷くのだった。
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