第3713話 レンコンが届きました。(武雄達は展示即売会の会場に着きました。)
エルヴィス侯爵邸の厨房。
武雄達が持って来た食材が並べられていた。
武雄達は玄関で食材を受け渡した後、展示即売会の会場に向かっている。
「うわぁ~、立派なレンコンだー。」
コノハがレンコンを持ち上げながら言う。
「大きいなぁ。
これがレンコン・・・ふーむ、意外と硬さがある。」
「沼の底に自生しているんですよね?
泥が所々に付いていますね。」
「でも、意外と軽いですね。
見た目では重そうでしたが。」
「これを輪切りにしていくんですか。」
料理長や料理人達が新しい食材に興味津々で群がっている。
「これだけあればベルテ一家にもおすそ分け出来そうだね。
料理長、まずは軽く洗おうか。」
コノハがチビ化して料理長に言う。
「はい、わかった。
よし、皆、動くぞ。」
料理長が皆を動かすのだった。
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展示即売会の会場。
武雄達が到着していた。
「お待ちしておりました。」
アスセナが頭を軽く下げる。
「あぁ・・・よろしく頼む。
ふむ、わかってはいたがキタミザト家は人間種以外しかいないのだったな。」
ヴァレーリがアスセナを見ながら言う。
「失礼ですが、変身はされますか?」
アンナローロが聞く。
「いえ、私は出来ません。」
アスセナがアンナローロに答える。
「となると・・・マリス殿、ヤリス殿と同じという事ですか・・・ふむ。」
アンナローロが頷く。
「あー・・・答え辛いかもしれないが、出身はどこだ?」
ヴァレーリが聞く。
「実はよく覚えていないのです。
幼少の頃は山深い所に居たような気もしますが、気が付いた時は幌馬車の中でした。
奴隷商に陸路でウィリプ連合国に連れられて、ウィリプ連合国のファルケ国で働いていました。」
アスセナが言う。
「・・・ふむ。
キタミザト殿、経緯は?」
ヴァレーリが聞く。
「ウィリプ連合国に出張に行った際に越境した時に野盗からビエラを買ったのですけどね。」
「うん、そこからしておかしいが・・・まぁ良い。
で?」
「アズパール王国と隣接しているウィリプ連合国のファルケ国の街の雑貨屋で店員をしていましてね。
ビエラの服等々を見繕って貰ったのです。
ちなみに首輪はありました。」
武雄が言う。
「ふむ、やはり奴隷としてか。
で、販売員をしていたのだな。」
「はい、で、次に会った時はアズパール王国へ越境する際の野原でオークから逃げていました。
なので、オークを蹴散らして、ついでに意識を失ったアスセナさんを保護して連れて帰ってきました。」
武雄が言う。
「・・・・・・最初の出会いと部下にした経緯に関連がないんだが?」
ヴァレーリ達が首を傾げる。
「会話を遮り申し訳ありません。
私の方から詳細を。」
アスセナが言う。
「うむ、頼む。」
「キタミザト様のおっしゃる通り、ファルケ国の東の街の雑貨屋で店員をしていました。
いつ怪我をしたのかわからないのですが、気が付いたら足の骨を骨折しており、ケアをしても治らないので奴隷契約を解除され、唐突に自由を得ました。
で、キタミザト様のような方が多いのだろうとアズパール王国に行ってみようと思い、関に向かったのですが、関周辺を縄張りにしている野盗に捕まりました。
事情を説明したら送り出されました。
森と草原との縁を歩いていた時にオークが近寄って来るのに気が付き、やり過ごそうとしゃがんだのですが、なぜか真っ直ぐにこちらに向かってくる感じがして走り出し、街道に出れた瞬間に意識をなくしました。
その後はキタミザト様に保護され、部下に登用されました。」
アスセナが言う。
「ケアをしても骨折が治らなかったですか・・・その足で関に向かい、そしてオークから逃げる為に走ったと・・・ふむ、何と言うか・・・
まずは無事で良かったですね。」
アンナローロが感心しながら言う。
「あぁ・・・・・・色々言いたいが我慢する。」
ヴァレーリが不機嫌に言う。
「それはありがとうございます。」
武雄が言う。
「はぁ・・・キタミザト殿の所の人達は何かしら物語を持っていますね。」
ブリアーニが言う。
「・・・目の前で弱っている人が居たら易々とは見捨てられないですし、部下が欲しかったので、丁度良かったのは確かですしね。」
武雄が言う。
「まぁ、運が良かったとも言えるか。
キタミザト殿の部下になれるのはほんの一握りだろうからな。
特に奴隷として働いていた者からすれば、好待遇だろう。」
ヴァレーリが言う。
「はい、キタミザト様には感謝しかありません。
高給を頂き、さらには自由を謳歌する事も認めて頂いています。」
アスセナが言う。
「うん、今が幸せなら何よりだな。
で・・・ヴィクターがキタミザト殿の後ろにいるという事は?
この者が?」
ヴァレーリが武雄に聞く。
「はい、今回の展示即売会の総責任者です。
物の配置や展示即売会の仕組みを考えて貰いました。
とはいえ、この地では初めての事なので失敗しても問題ないとして。
自由にさせています。」
武雄が言う。
「それはまた・・・」
アンナローロが驚く。
「ふむ・・・キタミザト殿の部下も大変だな。」
「「はい。」」
ヴィクターとアスセナが同時に頷くのだった。
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