第3696話 協力工房の面々が打合せ中。(打合せしながら飲んでいます。)
エルヴィス侯爵邸がある街のいつもの居酒屋では。
いつものメンバーが揃っていた。
さらに今回はステノ技研やテイラーも参加し、アリスの出産を祝っている。
・・・祝っているのだが、今日は珍しく店の一番奥の個室に皆で居る。
何故かというと、各々が打合せも兼ねて飲んでいる為だった。
キャロルとブラッドリー、ボイド、モニカの炬燵の打ち合わせでは。
「という事は、ゆくゆくは炬燵の発熱部システム一式をステノ技研から買い、発熱部の枠、座る所、机をハワース商会から買う。
机と天板板の間に挟む炬燵布団はラルフさんの所から買い、サテラ製作所で組み上げをして、イーリーの雑貨屋とハワース商会に卸すという事ですね。」
キャロルがメモを取りながら言う。
「ええ、キタミザト様から前に言われた後に試作済みよ。
スズネちゃんも一緒に考えたからね。
上の天板を乗せるだけにして、机自体は簡易的な骨組みだけにしてある。
組み立て式にしてあるから設置はすぐね。
これ、意外と売れそうなんで、普通に机として売り出そうかと思っているくらいよ。」
モニカが言う。
「こっちの方は試験段階です。
置時計の機構と簡易高炉に使われている宝石を組み合わせた発熱体を作っています。」
ブラッドリーが言う。
「おぉぉ・・・高炉ですか。」
キャロルの顔が引き攣る。
「ははは、仕組みを真似したというまでですよ。
あそこまで熱くはなりません。
今の所・・・お茶ぐらいの温かさですかね?」
ボイドが首を傾げながら言う。
「ええ、そのぐらいですね。
板状の物にしていますが、念の為、上に足を乗せないように木で囲いが欲しいですね。」
ブラッドリーが言う。
「あ、それならすぐ作れるわ。
サイズを教えてくれれば、格子状で良いんでしょ?」
モニカが言う。
「ええ、それとキタミザト様が要望している座る所ですが、そこに置時計で使っている魔力適正がある方からの魔力吸収と保持機能を組み込みます。」
ブラッドリーが言う。
「今の所、指示されている奥行きとしては40cmくらいかな?
設計図が出来たら見せに行きます。」
モニカが言う。
「ふむ、あとは座面から発熱部分までの繋ぎだな。
これは、わしとサリタで考えるとするか。
まぁ、2、3日で何か試作しましょう。」
ボイドが言う。
「ふむ、各部品が出来たら、持ちよって組み立て後、試験が必要ですね。
その後に問題点の洗い出し、その後にキタミザト様にという事にしましょうか。」
キャロルが言う。
「机自体は終わっているから、早々に座る所の図面を書いてステノ技研さんに持って行くわ。
私達は物自体は製作に入るわ。
据付加工はお願いします。」
モニカが言う。
「発熱部の組み込み方法は・・・最短1週間か?」
「それぐらいで物にしようか。
で、持ち込んで実地で補正しながら取り付けるしかないだろう。」
ブラッドリーとボイドが言う。
「なら、1週間後程度でハワース商会ですね。」
キャロルがモニカとブラッドリー、ボイドに言うのだった。
一方、ニオとラルフが半纏の話をしていた。
「ほぉほぉ。
こんな感じですか?」
ラルフが軽くラフ画を描いてチビニオに見せる。
「うむ、これに綿か不織布の重ねたのを入れ込むのよ。
やり方はダウンコートやダウンジャケットのように縫い込む方法だろうな。」
「そうですね、落ちてしまいますからね。
それにしても随分と余裕がある服ですね。
コートやダウンコートでもここまで袖口が大きくしていませんが。」
ラルフがラフ画を見ながら言う。
「うむ、ラルフが作っているのは外出用の服という事でスッキリしているな。
これは室内着として定着していくだろう。
なので、締め付けもなくゆったりと服の上に羽織るというものだ。
サイズ表記としてはS、M、L、LLで良いだろうが。
Mサイズの服を着ている者が、その上に着ると考えると半纏のMはLサイズと思ってくれて構わぬ。」
「ふむ・・・それにしても隅々まで入れるのですか。
・・・綿で試作した方が早いでしょうかね?」
ラルフが考えながら言う。
「さて・・・製作側でどう考えるかは、ラルフが得意とする所だろう。
だが、一般的な考え方として、綿は出来てから入れる。
不織布の重ねた物は一緒に縫うという考え方だと思うな。」
チビニオが言う。
「・・・大量に作ると考えると不織布で縫う方がミシンで短時間で出来そうですね。」
ラルフが考える。
「うむ、タケオもラルフが不織布を作る工房を持っていると知っているから、活用出来そうな所には、綿よりも不織布を使ってくれれば、職人の仕事が作れるだろうと考えていたな。
折角、創り出したのだ、継続的に仕事を与えないとな。」
チビニオが言う。
「ありがたい事です。
・・・ちなみにですが、ニオ殿。」
「うむ、なんだ?」
「・・・不織布を重ねたのをバッグの内側に実施するというのは、どう考えますか?」
ラルフが何か思いついたようでチビニオに聞く。
「ふむ・・・保温というよりも衝撃を和らげる効果があるかもしれないな。
今のバッグよりも中身を守れるとなれば、用途としては、それ程、多くはないだろうが、需要自体はあるだろう。
例えば、ガラスの商品を持ち歩いたりする事がある者には喜ばれるだろう。
もしくはサンドイッチといったパンを持ち運ぶ者にもかもしれないが。
あとはアリス達か?今後、子供達が成長したら離乳食を持ち歩かないといけない。
ある程度、ショックをやわらげられれば荷崩れせずに持ち歩けるだろう。」
チビニオが言う。
「なるほど・・・少し考えます。」
ラルフが頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




