第3693話 ロー達が挨拶に来ました。(ビールの試作が始まっています。)
エルヴィス侯爵邸の広間。
武雄とエルヴィス爺さんはロー親子と話をしていた。
「ほほほ、私達が最後でしょうかね。」
ローがにこやかに言う。
「うむ、タケオの所の協力工房の面々は終わった。
この街の組合長達とも話し終えての。
ローが最後じゃろう。
ローよ、今回も酒の手配、すまなかったの。」
「何をおっしゃいますか。
吉事ですし、仕事でもありますよ、ほほほ。
まぁ、かなりの量をさばきましたが。
領内のいたる所で今日、明日は振る舞い酒ですね。
特に今回はキタミザト家ですからね。
北町は凄い事になっているようですよ?ほほほ。」
ローが言う。
「ふむ、ウォルトワイナリーがあるの。」
「ほほほ、ウォルトさんから振る舞い酒が足らないからと私の所にも注文が来たぐらいです。」
「ワイナリーから逆に購入依頼が・・・どんだけ振る舞ったのでしょうか?」
武雄が呆れながら言う。
「大変な事になっておるようじゃの。
じゃが・・・確か北町局長は酒が弱かったと思うが。」
「・・・飲みますよね?」
「町を管理する者じゃからのぉ。
北町の産業を活性化させたタケオの実子が生まれた事とウォルトワイナリーの社長が喜びながら注いできたら飲まない訳にはいかないじゃろうの。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「無理しなくても良いのですが。
機会があれば、北町に行きたいですね。
あ、年末年始にうちの試験小隊のブルックさん達が遊びに行って、試飲等をして楽しんだそうですよ。」
「ほぉ、他の町まで遊びに行く者が出て来たのは良いことじゃの。
今後もそういった旅をしてくれると嬉しいの。」
「宿の手配は私がしましたね。
ウォルトさんからも手紙が来ておりました。
向こうはキタミザト様の部下が来て驚かれたようですね、ほほほ。」
ローが言う。
「あー・・・まぁ、いきなり行ったんでしょうね。
私もよくしますから、怒れませんがね。
確か、ワイナリーでワインを色々飲ませて貰ったと喜んでいましたね。
ついでにお土産も買って来ていましたか。」
武雄が思い出しながら言う。
「ほほほ、北町の土産は何だったのでしょうね?」
ローが聞いてくる。
「さて・・・記憶にないですね。
お土産を配っているとしか聞いていませんし。
むしろローさんの方がウォルトさんから聞けそうですけど。」
「・・・ワインやウォルトウィスキー、ビールの話ばかりですね。
あ、キタミザト様、侯爵様、ビールですが、早い段階で試作品をお持ち出来るようです。」
ローが言う。
「ふむ、ビールのぉ。
タケオ、予想としては、どんなのが出来るのかの?」
エルヴィス爺さんが武雄に聞く。
「ワインやウォルトウィスキーに比べ軽く、炭酸という・・・白き妖精のような喉越しで少し苦いですかね。
試作はしているだろうと思いましたが、外部に試作品を持ってこれる程になっていたのですね。」
武雄が驚きながらローを見る。
「ほほほ、大恩のあるキタミザト様からの依頼ですからね。
それに自分達の生業の酒です。
それも新種。
率先して作ってくれています。
で、ウォルトさんからの手紙では、『正解がわからない』という事なのだそうです。」
ローが言う。
「ふむ、正解か・・・つまりはタケオが求めている味がわからないという事じゃな?」
「はい、なので、飲める物が出来たらキタミザト様に一度試飲頂き、方向性を教えて貰おうという事になったそうです。
量的には中くらいの樽で3つ程だそうですよ、少ないですけど、我慢してくださいね、ほほほ。」
ローが言う。
「試作の最小数がそれなんでしょうね。
楽しみですね。
いつでも良いので持って来てください。」
「ほほほ、キタミザト様が楽しみにしているとウォルトさんに連絡を入れておきますね。」
ローが嬉しそうに頷く。
「ふむ、タケオが楽しみそうで何よりじゃの。
飲み方に何か注文はあるのかの?」
「出来れば、冷えたのが飲みたいですね。」
「ふむ、氷を入れるという事かの?」
「いえ・・・いや、そういう飲み方もありますが、ビール自体を冷やしたいですね。
んー・・・あれですかね、飲む際は事前に小さい樽に入れて置いて、冷蔵箱で冷やしてから出しますかね。」
武雄が悩みながら言う。
「ふむ、ベッドフォードの店のウスターソース用の小樽に一度入れるかの?」
「そう・・ですね。
ま、あとはフロストの魔法か何かでグラスを冷やしながらビールをその場で冷やすという事も出来るかもしれませんが・・・とりあえず、試作品を飲んで考えましょう!
いつ来ても良いですからね!」
「ふむ、タケオがいつも以上に乗り気じゃの。
相当、嬉しいのじゃろうの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「ほほほ、良い報告が出来たようで何よりですね。」
ローが頷くのだった。
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