第3669話 アズパール王の懸念。(ウィリプ連合国とカトランダ帝国はどうなっているんだ?)
王城のアズパール王の執務室。
アズパール王とオルコット、外交局長が打合せをしていた。
「ドワーフ王国に通達が届く日ではあるが・・・」
アズパール王が腕を組んで考えながら言う。
「2月1日付で我が国の領土としてエルヴィス侯爵家に帰属させる事と、ブリアーニ王国に鉱山の採掘権を譲渡する事を通告出来たのでしょうね。」
「朝一で向こうに渡し、脱兎の如くさっさと戻って来る手筈です。
大丈夫だと思いますが・・・」
外交局長が考えながら言う。
「どういう雰囲気だったかは、数日でわかるだろう。
さて、ウィリプ連合国とカトランダ帝国でわかった事はあるか?」
アスパール王が外交局長に聞く。
「現地に居る王都守備隊員や商店の情報ですが、ウィリプ連合国側がカトランダ帝国に違和感を覚えたようです。」
「ふむ?カトランダ帝国は何かしたのか?」
「確証までにはいきませんが、経済的な事で言いなりにならなかったと言う話が、あるそうです。
出処は穀物問屋とありました。」
「輸出入であれば、相手が居るんだ、希望に沿わない事もあるだろう?
それが『言いなりにならなかった』と言う表現はキツイ言い方だな。」
アズパール王が考えながら言う。
「穀物・・という事は小麦ですか。
その言い方ですとカトランダ帝国が100欲しくて、ウィリプ連合国が80しか売らないとなったら言わないでしょうし、100を売るとしてもそうですね。
120売ろうとしたら100で良いと断った形なのでしょうかね?」
オルコットが考えながら言う。
「ふむ、現時点でカトランダ帝国と我が国のやり取りは公にする必要はないと思うが、カトランダ帝国としては交渉に使いたかったのかもしれないな。
とはいえ、仕掛けるのなら、こっちに一言欲しかったが。
はぁ、公にされてしまうとこっちに飛び火しそうだな。
外交局長、ウィリプ連合国は来ると思うか?」
アズパール王が外交局長に聞く。
「嫌がらせ程度に穀物の輸出をしてくるかもしれませんね。
ちょうど、そんな話に乗りそうな領地の子爵殿が居ますが。」
「アドラムか、経済局に言って、西側の穀物の市場価格の調査をしておくべきか?」
外交局長の言葉にアズパール王が考えながら言う。
「陛下、各局は先の陞爵の式典での件でアドラム子爵の行動監視に入っております。
その一環で経済局が、アドラム子爵領および周辺での市場価格調査を実施し、物の流れを監視しているはずです。
それに外交局も潜入拠点を中心に市場価格を注視しています。」
外交局長が言う。
「ふむ、それとカトランダ帝国向けの輸出は更に増やす方向で王城で調整を実施、各領に増産の意向を伝えよ。」
「わかりました。
更なるカトランダ帝国向けの輸出穀物は王都仕切りで行うとします。
パット殿下にさせますか?」
オルコットが聞いてくる。
「いや、確実に行わせたい。
経済局などの文官で行え。
それに穀物の輸出入では、そこまで難しい交渉はしない。
楽な仕事を与えてしまうとパットの能力は伸びないだろう。
それとなく難しく、失敗しても被害が少なく、我のため息がでる程度で出来るような交渉事を用意してくれ。」
アズパール王が言う。
「そんな都合が良い交渉はないと思います。
ウィリプ連合国は先に言ったように予断を許さないでしょうし、魔王国とブリアーニ王国はキタミザト殿、エルヴィス殿が対応中で、何か案件をパット殿下に関わらせるにしても経験も能力も足りません。
下手したら、キタミザト殿とエルヴィス殿が作っている友好ムードを破壊しかねません。」
「うーん・・・となると、カトランダ帝国向けの輸出入か。
楽じゃないか?」
アズパール王が言う。
「向こうの要望に沿って、かき集めて売れば良いだけですからね。
まぁ、金銭交渉があるでしょうが、所詮は国内の事です。
王都の問屋を回って契約すれば出来るでしょう。
そこまで難しくはないのは確かですね。」
外国局長が言う。
「うーん・・・そうだよなぁ。
軍関係は、まだ早いだろうし、新しい事についてはエイミー案である村作りがあるが、あれはクリフにさせたいしなぁ。」
「あそこはドラゴンの革を使う関係上、パット殿下には、まだ早いでしょうね。
クリフ殿下もしくはローナ妃方で決済する事でしょう。」
オルコットが言う。
「うむ、パットの仕事はどうするかなぁ?」
アズパール王が腕を組んで考える。
「ウィリプ連合国との件が終われば、併合地へパット殿下は赴任しますが。
それまでの経験をどうするかですよね?」
「そうだな。
外交局長と軍務局長にはお供をさせる事になるだろうが外交局長として、パットに何を経験させておきたい?」
アズパール王が外交局長に聞く。
「いちいち癇癪を起こさないようにさせておいてください。
前のキタミザト殿にしたような事を地方でされるわけにはいきません。
文官、武官が動きやすいようにしてくれるのが、トップの役目です。」
「それは躾の問題だな。」
アズパール王が苦笑するのだった。
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