第3659話 喫茶店で打ち合わせ。(エルヴィス家への中途採用について考えよう。)
王都の表通りから1つ裏の通りにある喫茶店。
スミス達は試験終わりに息抜きに来た。
「へぇ、ドネリー、良い感じの店を知っていたのね。」
エイミーが席に座り、店内を見まわしながら言う。
「ふふっ、王城のメイド方にお勧めの店を何軒かお聞きしましたからね。」
ドネリーがドヤ顔で言う。
「見返りは何?」
エイミーが聞いてくる。
「・・・」
ドネリーが窓の方を遠目で見る。
「何か、やましい事をした感じね。」
エイミーが呆れながら言う。
「やましくはありませんよ?
ただ、エルヴィス伯爵領の、あ、侯爵領の事を話した程度です。」
ドネリーが言う。
「エルヴィス侯爵領?・・・ふむ、詳しく。」
「どうも、キタミザト様が王城のメイド長達と歓談をされた際に話題に上がったのだそうですが、エルヴィス侯爵家で数名働くという話になっているそうです。
要は再就職先としてエルヴィス侯爵家があるようです。」
「それ、聞いていたかしら?」
エイミーが考えながら言う。
「仕事は企画段階とは聞いていますが、どうやらエルヴィス家に申し込みもしているらしく実現はほぼ確実ではとなっているとの事です。
なので、王都の店を紹介頂く見返りにエルヴィス侯爵家がある街の話をしています。」
ドネリーが言う。
「ふむ・・・まぁ、わかったわ。
私達が知る内容は深くないからね。
特に問題もないでしょう。
他には?」
「えっと・・旦那様の就職先も斡旋出来るかの話にちょっとなりまして。
それとなく、私の方からスミス様経由で聞き取りが出来ないかと依頼があったり、なかったり?」
ドネリーがとぼけながら言う。
「はぁ・・・試験終わりにお茶をとドネリーが言ってきたのは、そこね?」
エイミーが疲れた顔をさせて言う。
「えへっ♪」
ドネリーが誤魔化す。
「はぁ・・・で、スミス、どう思う?」
「うーん、要は口利きですよね?
出来ますよ、たぶん。
もっと言うのなら、お爺さまに頼めば、文官や武官への中途採用か組合を通じてどこかしら紹介は出来るでしょうし、タケオ様に頼めば、協力工房の経由で紹介でしょうね。
ただ、対象となるメイドの旦那さんの職歴や希望、やる気により紹介する所は変わると思います。
なので、書類のやりとりだけでして良いのかがちょっと不安です。」
スミスが言う。
「ふむ・・・それは、そうね。
なら、向こうに行ってから決めても良いかもしれないわね。」
エイミーが言う。
「ん-・・・確かに。
引っ越しまでに決めておくのは理想かもしれないですけど、実際に向こうで街中を見て、紹介した仕事以外を選択するかもしれないですよね。」
スミスが言う。
「うーん・・・となると、事前に紹介は出来るが、無理に決める必要はないと回答をした方が良いという事でしょうか?」
ドネリーが考えながら言う。
「現状だと、エルヴィス家の文官や武官なら入れるとは思います。
ただ、複数の同じ部署への応募があると希望に添えない可能性もあります。
それに決めてから来て、やっぱり違うという事になると双方にとっても良い結果とは言い辛いと思います。」
スミスが言う。
「確かに、実際に見てから決めた方が良いですが、引っ越しに際して次の職が決まっているのは安心感があると思うのです。」
ドネリーが言う。
「結論は出ないと思うわ。
それこそ、その人の考えで変わる事だからね。
ならば、希望なら書類選考をエルヴィス家でして貰い、文官の中途として2つくらいの部署で採用が可能という程度の回答にし、正式に採用かどうかは向こうに着いてから職場見学と面接をして決めるしかないかもね。」
エイミーが言う。
「そうですね。
僕もそのくらいが理想だと思います。」
スミスが言う。
「わかりました。
なら、メイド長にはエルヴィス家の方に文官、武官への中途採用に書類応募は出来るが、実際には向こうに行ってから面接等で決めると伝える事にします。」
ドネリーが言う。
「うん、そうね。
あ、ちなみにメイドの方は私が事前面接する事になりそうね。」
エイミーが言う。
「そうでしょうか?」
「うん、エルヴィス家も最初は王城の紹介状だけで採用するのは怖いと思うから、私が一度面接するように言ってくるでしょうね。
こっちにあと数年居るからね。
何回あるかわからないけど、数回すれば王城とエルヴィス家、双方の好みがわかるだろうから選考基準が作れるだろうし。
お義爺さまも少しは安心してくれるんじゃない?」
エイミーが言う。
「ふむ一応、そこもメイド長に言おうと思います。」
「ええ、言っておいた方が良いわ。
少なくとも私が、多くても私とアン、スミス、ドネリー、ヴィートの5人で面接するとしておいた方が良いでしょうね。
面接側として少々、若い面々になってしまうけどね。」
エイミーが苦笑しながら言うのだった。
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