第3652話 まぁ、王城事情もあるでしょうが、気にせず準備していきましょう。(セイジョウ、カトランダ帝国に行く。)
「クロスボウの方はそれで良いとして。
ふむ・・・ジーナ、この地図を会議室にでも飾っておいてください。」
武雄が言う。
「ご主人様、会議室ですか?
この部屋か書斎の方がよろしいのでは?」
「地図なら以前、貰っているので十分です。
それに領主名入りのは皆に見せておいた方が良いでしょう。」
武雄が言う。
「逆だと思いますが・・・まぁ、ご主人様が、そう言うのなら良いのでしょうが。」
ジーナが言う。
「ええ・・・まぁ、少なくとも今は必要ないですよ。」
武雄が言う。
「わかりました。
失礼します。」
ジーナが地図を丸めて退出する。
「王都の意図がわかりませんが。」
ヴィクターが聞いてくる。
「大きく変わったから現状のお知らせでしょう。
王城で私は私と関係がある部局と打ち合わせはしましたが、その裏で王城内で会議も頻発していました。
王城は王城で動いているという事でしょう。
何かあれば指示が出ますよ。」
「主のウィリプ連合国への出張ですね。」
「まぁ、同時にカトランダ帝国と慣例の戦争をするようですからね。
ウィリプ連合国がどういう動きをするか、向こう側から見ておくようにという事かもしれませんが。
どうせ行っても一使節団でしかありません。
軍事的な事は聞けないかもしれませんね。」
「使節団の任命書は取りに行かれるのでしたか?」
「いえ、今回はウィリアム殿下領を通って行く旨は伝えているので、使節団任命書に添付させ、陛下の封蝋付きで送られてくる予定です。
一応、3月に王都へ行った際に再度、話してきます。」
「わかりました。」
ヴィクターが頷く。
「今年は試験小隊の成果を出さないといけないので、標準化の骨子案を出さないといけないですね。」
「マイヤー殿方も作成に尽力しているようです。」
「うん、仕事ですからね。
そこは心配ないですが、私の説明が上手く行くかの方が心配です。」
「主なら難無くされるように思いますが。」
「そう思われているのならありがたいですね。
ですが、私は概要を知っておき、ある程度の台本を用意して、柔軟に言葉を変えているだけです。
今の所、それが当たっているだけでしょう。」
「準備を怠らない事という事でしょうか。」
「そういう事にしておいてください。」
武雄が頷くのだった。
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カトランダ帝国 皇城近くの宿。
セイジョウとバロールが打合せをしていた。
「これで皇城に入れそうだね。」
「うむ、だが、ちと容易過ぎではないか?」
チビバロールがセイジョウに言う。
「いや、これでも結構やったよ?
商人に扮して、皇城内の部局に出入り出来るようにしたし!
それまで色んな人達と会ったし!」
「うむ、いつもながら紛れる事に特化しているが盗人に相応しい内容だな!」
「はいはい、そうですよ。
で、バロールは、このいつもの流れが気に食わないの?」
「皇城だぞ?カトランダ帝国の皇帝が居る。
こうも易々と入れるのだろうか?」
チビバロールが首を傾げる。
「アズパール王国でも、このぐらいで入れたと思うけど?」
「うむ、あの時は、あの御仁と宝物庫の前で会ったな。
ふむ・・・あの時程、厳重ではないか」
チビバロールが考えながら言う。
「あの時は王城で王族の挙式があったのを利用して、潜入したけど、入れなかったよね。
ウィリプ連合国ファルケ国まで走ったし。
あれは疲れた。」
「うむ、今回も同じようになると考えるとカトランダ帝国に面したバンデラス国まで走るのか。」
「走るの確定なの?」
セイジョウが呆れながら言う。
「見つかるのだろう?」
チビバロールが言う。
「見つからないようにするよ!?」
「ここ何回の仕事でも行きは良いが、帰りが見つかって逃げたり、戦って負けたりばかりだがな。
ま、盗人には丁度良い結末か!
因果応報とはこのことよ!」
「それって前世の行為の善悪に応じて、今の行動の結果が出るって話だよね!?
無断侵入の罪で追いかけられるのが罰なら、結果が現れるのが早いんだけど!?」
セイジョウが言う。
「短い人生よな。」
チビバロールが頷く。
「何その納得の姿!?
毎回、死んでいるって事!?」
「うむ、ともかく、今回も前例の通りに走るのだと我は思っている。
悔しかったら今回ぐらいは成功させるんだな!」
チビバロールが大きく頷き、言う。
「見ていろ、今回はしっかりと潜入して、成果を出すからね!」
セイジョウがやる気を見せる。
「ふふ、出来る物ならするが良い。」
チビバロールが言うのだった。
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