第3648話 小型蒸留器の設置も終わったし、次を考えよう。(テイラーの次の仕事は卓上コンロです。)
新しい蔵に小型蒸留器を設置終えたテイラー達は見守っていた武雄と一緒にベルテ一家の客間でお茶をしていた。
「はぁ・・・小型蒸留器が無事に納入出来て安堵しています。
一仕事終わりました。」
テイラーが言う。
「うむ、問題は無さそうだな。」
チビニオが頷く。
「使用するのは数か月後だけど、故障したらすっ飛んで来てもらうからね?」
チビダキニが笑いながら言う。
「はは、そうならない事を望みますが、なったらすぐに直せるように準備しておきます。」
テイラーが苦笑しながら言う。
「さっきも言ったようにとりあえず、作付けして稲作しながら焼酎の試作をするからね。
その出来栄えで今後の蕎麦と蕎麦焼酎の生産量が決まるから、この小型蒸留器は止まって欲しくないし、壊れたらすぐに直して貰わないといけないね。
とっても大事だよ。」
チビウカが言う。
「わかりました。」
テイラーが頷く。
「そうか、テイラーさんの手が空いたか。」
武雄がボソッと言う。
「・・・」
テイラーが動きを止める。
「おっ!次の仕事だな!
テイラーなら何でもやるぞ!」
チビニオが武雄に言う。
「・・・キ、キタミザト様、次がもうあるのですか?」
「ええ、卓上コンロをね。
同時に固形燃料も研究するのですけどね。」
恐る恐る聞いてくるテイラーを見ながら武雄が言う。
「良いねぇ、卓上コンロも良いし、固形燃料と言えば、宿で使う小鍋用の青いやつでしょ?
あれがあると便利だよねー。」
チビダキニが言う。
「ニッチ市場向けだけど、需要は確実にあるよね。
宿で使えるようになれば、エルヴィス侯爵領内の宿屋で鍋ブームが起きるかもね。
卓上コンロは鍋専門店が出来るかも!」
チビウカが言う。
「うーん・・・キタミザト様、お聞きしたいのですが、鍋用で、その卓上コンロと固形燃料を作るのですか?
鍋ならかまどで作って、暖かい内に持っていけば良いのではないですか?」
エンマが聞いてくる。
「ええ、卓上コンロと固形燃料の話を聞いた人達は同じような事を言いますね。
ボーナお母さん、今作っている方法で鍋を作ると薪を使ってかまどで作りますよね?
もしくは野外の焚火で作るというのが普通ですね?」
武雄がボーナに聞く。
「はい、キタミザト様。
具材を切って、沸騰した鍋に次々入れて煮込み。
食堂に持っていきます。」
ボーナが言う。
「ふむ・・・ならば、鍋に出汁を入れて、生のまま野菜や肉を鍋の中に入れ、その状態で食堂に持って行き、卓上コンロの上に鍋を置き、蓋をして、卓上コンロで加熱すれば鍋が出来るとなるとどうでしょう。
ちなみに、卓上コンロは最低でも固形燃料で加熱させるので小さいファイアが出来れば、着火が出来、30分くらいトロ火が続き、火が消える物と想定ください。」
武雄が言う。
「薪を使わないというのは良いですね。
火を起こすのもファイアのみで良いというのも手頃さがあります。
それに熱々の鍋を持って移動しないで、冷めている内に食堂に運べて、鍋が煮込まれるまで家族と話す事が出来るというのも主婦にとっては嬉しい事かと。
なので、主婦達には喜ばれて、常備品になるかもしれません。
ですが、鍋が毎日というのも考え辛いので、大きな売り上げにはならないかもしれませんが。」
ボーナが考えながら言う。
「いえ、潜在的な需要があるというのが想像出来れば商品化は出来るでしょう。
で、固形燃料を作るのに。」
「赤スライムのSL-01液はエタノールに近い性能があります、同じと定義するのなら酢酸カルシウムを水に溶かしたうえで赤の体液に入れれば固まると想定出来ます。」
武雄とチビパナが言う。
「あ、炭酸カルシウムは卵の殻だね。
それを酢に入れた物が酢酸カルシウムという事だね。
なるほど、黒酢待ちか。」
チビウカが頷く。
「はい、固形燃料はすぐに取り掛かれません。
なので、テイラーさんには魔法具として卓上コンロを試作して欲しいと思います。
これがあれば、酒場、レストランで鍋料理やシチュー、お肉の提供が増えると考えます。
卓上コンロは常に鍋や鉄板を温かく出来るという商品です。
なので、食卓の料理を変える事に繋がるでしょう。」
武雄が言う。
「うむ!テイラーなら出来るだろう!」
チビニオが承諾する。
「あ、また・・・はぁ・・・また研究の日々だね。」
テイラーが諦めながら言う。
「ははは、テイラーが毎日研究が出来て楽しそうだぞ。
いつ来るかわからない店番より有意義というものだ。」
「それはそうなんだけど・・・キタミザト様、その卓上コンロを作れば良いのですね?」
「ええ、まずは試作をお願いします。
仁王様もお願いします。」
「うむ、主婦の手助けになり、美味い鍋が出てくるかもしれない。
そこにウカ達が作ったどぶろくか焼酎となる・・・うむ、やる価値は十分にあるな。
テイラーと共にまずは鍋用の卓上コンロを作ってみよう。」
チビニオが頷くのだった。
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