第3644話 魔王国に取ってのウィリプ連合国との対戦方法。(あくまでウィリプ連合国対アズパール王国の図式は変わらないです。)
「さて・・・これは噂話としてアズパール王国の外交局からキタミザト殿経由で我らに伝えられましたが、ウィリプ連合国の大統領の新年挨拶で『魔王国打倒を宣言し、アズパール王国に協力するように要請を出す』というのが4年後のウィリプ連合国とアズパール王国との開戦になる切っ掛けとして通達がされるという内容です。
陛下。」
アンナローロがヴァレーリに話をふる。
「・・・この噂が広まっているのは、アズパール王国がどういう反応をするのか見たいのかもしれないな。
でなければ、普通はこの手の話は外には漏らさないと思う。
ワザと漏れるようにしているとも言える・・・か。
それにアズパール王国はそもそも断る気でいるのもあるが、今の情勢を変える程、困窮はしていない。
となれば、ウィリプ連合国としても断ると見ているのだろう。
結果としてウィリプ連合国の狙いはアズパール王国の領土だ。」
ヴァレーリが言う。
「陛下としてはウィリプ連合国はアズパール王国に対し、仕掛けてきたと見ると?」
第1軍指揮官のフレッディが聞いてくる。
「あからさま過ぎて挑発になるのかどうか・・・だが、どういう反応をするかによって今後、言葉が変わるのかもしれないな。
それにウィリプ連合国はアズパール王国が対ウィリプ連合国用に色々と準備しているとは考えていないのだろう。
もし準備を始めているのを知っていたら、この噂は出てこないだろう。
この点で、アズパール王国の情報機関が機能している。
アズパール王国の中央も中々、良い仕事をしているようだな。
とはいえ、キタミザト殿とエルヴィス殿は困っていたがな。」
「困られていましたか。
どのように?」
「イルダ達の存在を知っているからな。
まぁ、これはアズパール王国の中央も認識しているが、要はアズパール王国抜きで、この噂話が魔王国に行き、魔王国がやる気になってしまっては困る。
さらに、もし、そうなったら戦場はアズパール王国内になり、双方の国の軍隊が他国だからと好き勝手やって荒らされるから計画されていない所の復興が大変。
もし、ウィリプ連合国と魔王国の双方から『協力しろ』と言われ、ウィリプ連合国に協力すれば、慣例の戦争の停戦は破棄されて魔王国の強大な武力で我が国の町や村は壊滅。
逆に魔王国に協力しても、侵攻して来るウィリプ連合国は奴隷制度に積極的ですから、我が国の住民がどんな扱いを受けるのか。
といった具合に、自国だけが割に合わないという困惑だそうだ。」
ヴァレーリが言う。
「ふむ・・・アズパール王国も微妙な立場になりそうなのですね。」
「ま、キタミザト殿とエルヴィス殿曰く、正式な宣戦布告文が届かなければ、魔王国は動けない。
だから、届く前にアズパール王国から断ってしまって、ウィリプ連合国対アズパール王国の構図を作ってしまえば良いと言っていたか。」
「あー、なるほど。
確かに噂では動けませんね。
・・・残念ながら、そういう物はあとから出てくる事もありますが。」
第1軍指揮官のフレッディが頷く。
各軍指揮官達もすまし顔で頷く。
「・・・まぁ、そういう手段もあるにはある。
とはいえ、キタミザト殿とエルヴィス殿を敵に回すには、見返りが安すぎて見合わない手法だな。」
ヴァレーリが考えながら言う。
「陛下としては国家としてウィリプ連合国と対峙はしないと?」
第5軍指揮官が聞いてくる。
「あぁ、今回はする気はないな。
4年後だし、デムーロ国もどうなっているかわからんし、我が国は東側に注力していたい時期だろう。
ウィリプ連合国は壊滅させたいが、費用も時期も悪すぎる。
とはいえ、国民と同盟国国民を救う機会も逃せないから2個大隊の義勇軍派兵はするが、それ以上はしないし、出来ない・・・と公式では言わないとな。」
「直接はしないが、間接的に派兵をし、協力はするという事をキタミザト殿経由でアズパール王国に言うのはわかりますが。
何かしますか?」
第1軍指揮官のフレッディが聞いてくる。
「義勇軍の方はこのまま進めるし、これ以上を送る事はしないで行く。
それは我らの派兵目的は救出作戦だからだし、先に言った通り、東側に注力したいから、これ以上の派兵は出来ないとアズパール王国に言うが・・・
アズパール王国に迷惑がかからない所で活動しても良いと思わないか?」
ヴァレーリが皆に言う。
「それは派兵して、救出作戦をする事を指してはいませんので・・・ウィリプ連合国に居るイルダの現地部隊を使いますか?」
第4軍指揮官が聞いてくる。
「そこにはアズパール王国の兵士も居るが・・・戦争が始まれば容易には知らせることが出来なくなるだろう。
ウィリプ連合国の軍がアズパール王国に侵攻したと同時に後方で騒動が起きたら、帰りたくなるだろうな?」
ヴァレーリが言う。
「一度、各軍で検討して頂いた方が良いかもしれません。」
アンナローロが言う。
「そうだな。
皆、アズパール王国に義勇軍を入れるのは変わらないが、それと同時に我が国単体で何が出来るのかを検討してくれ。」
ヴァレーリが皆に言うのだった。
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