第3635話 ベルテ一家の家に上がろう。(あの時があるから今がある。)
ベルテ一家の敷地に武雄達がやって来ていた。
「おー・・・意外と大きいな。」
ヴァレーリが見渡しながら言う。
「・・・うん、しっかりと暮らせていそう。」
ブリアーニも見渡しながら言う。
「はは、普通に畑仕事をして貰っていますよ。
それに贅沢な給金ではないでしょうけど、普通に生活出来るようにしているつもりですよ。」
武雄が苦笑しながら言う。
「いえ、キタミザト殿の方針に異論を唱えている訳ではないです。
・・・うん、安定していそう。」
ブリアーニが再度、見回しながら頷く。
「ダニエラ様、カールラ様、中でご一家が出迎えの準備をしております。」
ヴィクターが玄関で出迎える。
「うん、家主達には、いきなり来て申し訳ないが、少し見せて貰う。
・・・ヴィクター、何もないんだな?」
ヴァレーリが聞く。
「はい、平穏無事に過ごしていますし、周囲の方々も好意的です。
穏やかに忙しく過ごされておいでです。」
ヴィクターが言う。
「はは、穏やかな生活と忙しい生活が一緒とはな。」
ヴァレーリが苦笑する。
「・・・誰が先頭で入れば良いのかな?」
武雄が首を傾げる。
「まぁ、無難なのは主でしょう。」
ヴィクターが言う。
「はい、じゃあ私が先頭で入りますね。
おじゃましまーす。
ドナートさん、連れてきたよー。」
武雄が先頭で入っていく。
「めっちゃ、フレンドリーだな。」
「うん、まぁ・・・これで良いんでしょうね。」
ヴァレーリとブリアーニが困った顔をさせながら武雄に続くのだった。
・・
・
ベルテ一家の客間にて。
ソファにドナートとボーナ、対面に武雄とヴァレーリとブリアーニが座り、グローリアは椅子に座る。
ヴィクターとビエラは武雄達の後ろに立ち、ドナートとボーナの後ろにエンマ、フローラ、ニルデとジルダが立って会談を始める事になった。
ジーナは給仕としてお茶等の配膳をしている。
「うん、ダニエラさん、カールラさん、こちらからウィリプ連合国から連れてきた旦那さんのドナート・ベルテ、奥さんのボーナ・ベルテ、後ろに長女のエンマ・ベルテ、次女のフローラ・ベルテ、ニルデとジルダです。」
「うん。」
「ええ。」
ヴァレーリとブリアーニが頷く。
「ドナートさん達、こちらが魔王国のダニエラ・セラオ・ヴァレーリ国王陛下、ブリアーニ王国のカールラ・ブリアーニ女王陛下、そしてビエラ達の親のグローリアさんです。」
「両陛下ならびにドラゴンロード様、この度はお越しいただきありがとうございます。」
ドナートが言うとベルテ一家が頭を下げる。
「いやいや、急に来てすまなかったな。
報告や話で貴殿達の事は聞いていた。
やっと会えたという感じだ。
経緯はキタミザト殿から聞いている。
だが、なされた事を無かった事には出来ない。
苦労をかけた。」
ヴァレーリが頭を下げる。
「対応が遅くなってしまって申し訳ありません。
もっと早くに今回のような事が出来ていれば・・・という後悔はしています。
ですが、ヴァレーリ陛下の言うとおり、無かった事には出来ません。
私達が出来るのは再発の防止と同胞の回収をするのみです。」
ブリアーニも頭を下げる。
「はっ!謝罪、受け入れさせて頂きます。
私達は確かに、かなり精神的に追い詰められました。
ですが、ここに居て思う事は、あそこに居たからこそ、キタミザト様に拾われ、仕事と食事を得られたのだろうという事です。
苦々しい記憶であり、体験でしたが・・・私達は運が良かった。
あの地には、まだ多くの同胞が居ます。
彼らに比べれば、今の私達は何と幸せな事か。
当たり前に仕事をし、食事をし、寝る。
これが如何に幸せなのかを噛みしめています。
キタミザト様、ありがとうございます。」
ドナートが言うとベルテ一家の皆が頭を下げる。
「・・・うん、酷かったものね。
ドナートさんだけでなく、ボーナお母さんにエンマ、フローラ、ヴィクターもジーナも痩せこけてて・・・
ニルデとジルダもスラム街で過ごしていて、明らかに栄養が足らずに痩せてたし・・・」
武雄が思い出しながら言う。
「改めて、キタミザト殿、良くそんな人員を雇ったな。」
ヴァレーリが武雄に聞く。
「ヴィクターとジーナはミアの勧めもありましたし、ちょうど人手も欲しかったですからね。
ベルテさん達は米の栽培が出来るだろうという事で雇いましたね。
私の方こそ運が良いのでしょう。
こんなに真面目な人材に出会えたのですからね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・そうだな。
・・・まぁ、今後ともキタミザト殿の力になるようだからな。
事業の方で協力は惜しまないと言っておこう。」
「うん、私も元気な姿を見れて安堵しました。
何かあれば私達も協力は惜しみません。」
ヴァレーリとブリアーニが言うのだった。
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