第3581話 倉庫で今まで買った物を並べてみよう。(武雄の買って来た物は偏っているようです。)
エルヴィス侯爵邸がある街の官庁街の一角にある大きい倉庫。
中は幌馬車が止められるスペースと多くの机が並べられていた。
武雄達と経済局の文官達が来ていた。
「・・・広いですね。」
ジーナが倉庫の中を見回しながら言う。
「主、デムーロ国等で買って来た品物を並べましょう。」
ヴィクターが武雄に言う。
「はーい。
ついでにカトランダ帝国やウィリプ連合国、魔王国でも買った商品を並べますかね。」
武雄がそう言いながら机にリュックを置き、手を突っ込むのだった。
・・
・
「ご主人様・・何を買っていたのですか?」
ジーナが呆れながら机の上の品々を見ている。
「うん?あ、懐かしいですね。
ヴィクターとジーナを買った時に冒険者組合を通じて送っていない方の物ですよ。」
武雄がリュック(大袋)から物を取り出しながら言う。
「はぁ・・・こっち側はあの頃のなのですか・・・」
「カトランダ帝国、ウィリプ連合国、デムーロ国、魔王国の順に出しますよ。
・・・あ、次はデムーロ国のか。」
武雄が言いながら出す。
「リュックにしまわれたままという事は、買ったは良いが使う機会がなかったという事ですね?」
「まぁ、そうとも言えます。
ですが、改めて見て何か発想するかもしれません。
それに私は何かに繋がると思って買っていますが、他の事で忙しくなったので、他の人が見て、何か商品が出来るかもしれません。
なので、アスセナさん、カトランダ帝国とウィリプ連合国のも隅の方に置いておいてください。」
武雄がアスセナに言う。
「畏まりました。」
アスセナが頷く。
「とりあえず、出されたものを順番に文官方が並べてくれていますが・・・ご主人様、先に言った順に並んでいるのですか?」
ジーナが聞いてくる。
「その予定です。
とはいえ、最初の頃は雑貨か干物しかありませんけどね。
デムーロ国であれば、店ごと買っているので種類も豊富だと思います。」
「・・・改めて、店ごと買うという良くわからない買い方が、まかり通っている魔王国の戦場は、どんな状態だったのでしょうか・・・」
ジーナが考えながら言う。
「圧倒的な物量で紳士的に侵攻していましたよ。」
「・・・相反するような文言のようにも聞こえますが?」
「理路整然と進み、双方の犠牲者をむやみに出さない事が徹底され、降伏を選択した町には交渉をもって臨み。
略奪や住民に対しての暴力はありませんでした。
上から下まで規律が行き届いている最強の軍隊でしたよ。」
武雄が言う。
「・・・尚の事、不思議でなりません。
他国の戦争中に、このような買い方が出来るというは・・・」
「デムーロ国である内に買い取っていますからね。
魔王国の法に触れていません。
なので、魔王国の方々は私に何も言えません。
とはいえ、売りたい人を見つけて、買い取っているだけなので、法も何もないんですけどね。」
武雄が言う。
「・・・・・・・・・それは良いのでしょうか?」
ジーナが長考してから難しい顔をさせて言う。
「まぁ・・・反対の立場なら面白くはないでしょうね。
魔王国の財産になる予定だった家屋だったりするのですからね。」
武雄が言う。
「キタミザト様の周囲に居た魔王国の方は戦々恐々としていたのかもしれませんね。」
アスセナが言う。
「『どれだけ買うんだ』って?
はは、私の返答はこうなりますね。
『私がやる前にやらないのがいけない』と。」
「主らしい返答ですね。
とはいえ、逆の立場ならどうしましたか?」
ヴィクターが聞いてくる。
「そうですね・・・『別に?』という感情がありますよ。
そもそも自国内ではなく、これから自国になる町での話ですからね。
それに持ち主が多様化するのも悪い事ではないでしょう?」
武雄が言う。
「将来への懸念がありそうですが・・・」
「それはそれ。
そこまで考えるのなら、一切の買取を禁止すれば良いだけですよ。
買取は自国に編入した後に行う事とすれば良いだけです。
まぁ、そこに旨味はないでしょうけどね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・ですが、そうすると買いたいと言っていた方は良い気がしないでしょうね。」
「まぁ、悪化はするでしょうね。
その補填も用意しての対応となるでしょう。
とはいえ、私は特に規制する気はないので、私も参加するかもしれません。
今回の事で旨味があるというのがわかってしまいましたからね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・次回があるかもしれないのですか?」
アスセナが聞いてくる。
「少なくとも魔王国、ブリアーニ王国相手にはないですよ。
なので、次回実施は当面ありませんね。
アスセナさんは何か思う所がありますか?」
武雄がアスセナに聞く。
「いえ、今後同じような事があったら、もっとお金になる商店の余り物が良かったなぁと。」
アスセナが言う。
「はは、次回があるのなら、少しは考慮しますね。」
武雄が苦笑しながら言うのだった。
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