第3571話 エリカは思い悩んでいるようです。(武雄の到着を待とう。)
食堂に集まった一同で朝食を取っている。
「・・・」
そんな中、エリカがボーっとして料理を見ている。
「えーっと、エリカさん?どうしました?」
アリスが聞いてくる。
「え!あ!はい!何でしょうか!?」
エリカが慌てながらアリスを見る。
「え?いえ、ボーっとしていたので・・・体調が良くないですか?」
アリスが驚きながら聞く。
「あ・・・大丈夫です・・・はぁ・・・」
とエリカはフォークを持ったが料理を口に運ばない。
「「・・・」」
エルヴィス爺さんと武雄は黙々と朝食を取っている。
「えーっと・・・ふむ・・・」
アリスがエリカを心配しながらも、とりあえず、自身の食事を始める。
「さて、私は研究所に仕事に行ってきます。
アリス、エリカ、後は頼みます。
といってもとりあえずのんびりと過ごしてください。
何かあれば一報をお願いしますね。」
武雄が席を立つ。
「はい。」
「・・はい。」
アリスとエリカが返事をする。
「うむ、わしは執務室で仕事をしておる。
何かあれば、わしにも言うようにの。」
エルヴィス爺さんも席を立つ。
「「わかりました。」」
アリスとエリカが頷く。
武雄とエルヴィス爺さんが食堂を後にする。
「・・・エリカさん、とりあえず客間に行きますか。
何か悩んでいるようですし。
なんでも聞きますから。」
「・・・はぃ。」
アリスが心配しながら、エリカに言うのだった。
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エルヴィス侯爵邸の玄関。
ジーナが武雄を待っていた。
「・・・」
姿勢正しく待っていると。
「ジーナ様。」
ルフィナとヤリスがやって来る。
「おはようございます。」
「「おはようございます。」」
ジーナ達が挨拶をする。
「ルフィナとヤリスは、ご主人様のお見送りですか?」
「はい、その後は私はアリス様のお付きメイドで控えます。
ヤリスは臨時のエリカ様のお付きとして控えます。」
ルフィナが言う。
「わかりました。
私はご主人様と出勤して、辞令発令でしょう。
何になるのかは私は知らされていませんが。
・・・まぁ、ルフィナ達にも通達されるでしょう。
よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。
とはいえ、どうなるか、不安と期待でしょうか?」
ルフィナが聞いてくる。
「良くも悪くも私は動けてしまうので・・・色々と行き先が増えてしまいます。
考えるのはご主人様達なので、私は従うのみですけども。」
ジーナが言う。
「それは・・・嫌味なのか自慢なのか・・・判断が付きませんが・・・」
ルフィナが考えながら言う。
「残念ながら事実なのですよ。
私は素質と努力によって、割と幅広く物事を体験しています。
それこそ、王都でスミス様のお付きの仕事をした事により広がったのです。
なので、何でも出来そうと思われているでしょう。
ルフィナもヤリスも将来、王都に行き、仕事をする機会があったら驚くと思います。
メイドの仕事を逸脱して、やらなくてはいけない事が多々あると認識するでしょう。
面倒や難しい内容かもしれませんが、それを乗り越えられれば、仕事の幅が勝手に広がります。
私がそうであったように。
与えられた仕事を環境に合わせながら熟しつつ、ついでに他の頼まれ仕事もするという感じです。」
ジーナが言う。
「ジーナ様は、そう思うのですか?」
ヤリスが聞いてくる。
「ええ、そう思います。
ただ、どう感じるかは個人によって違うでしょう。
私は広がって、色々出来るようになったなぁと思っていますが、他の方だと雑多な仕事が多くて、ただただ疲れると感じるかもしれません。
そこは・・・体験してみないと何とも。
それにその感情は大事にしないといけません。
じっくりと仕事をしたい人に次々と仕事を与え、慌ただしく過ごさせるというのは、仕事が出来たとして、精神的に面白くなく、疲れるだけでしょうからね。
自分に合った仕事量と内容が振られるようにする為にも、今はいろんな仕事をしてみる事が重要と思います。」
ジーナが言う。
「多くの仕事をして、認識を蓄えるという事ですね?」
ルフィナが聞いてくる。
「認識と言うか見聞ですかね。
ご主人様が私達を王立学院に行かせたがる理由が分かった気がします。」
ジーナが言う。
「王立学院に行くと見聞が広がるのですか?」
ヤリスが聞いてくる。
「少なくともメイド以外の仕事を知る事が出来ますし、王城の最上位のメイドを見る機会もあります。
王城のメイド方は、凄い物です。」
「へぇ、王城に居るメイドさんは凄いのですか。」
「ええ、完璧です。
メイドとして、良い見本を見る事にもなりますし、王立学院に居る事で多様な考えに触れたりします。
まぁ、それは今後の話ですね。
ご主人様の足音がします。」
「あ、本当だ。
キタミザト様が来ますね。」
「では、お迎えをしましょうか。」
ジーナ達3人は武雄が玄関に現れるのを待つのだった。
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