第3569話 449日目 今日は終わろう。(ベルテ一家の方にも一報が入りました。)
武雄とコノハの話し合いは続いている。
「販路はそうやっていくとして、問題は味だよねぇ。」
チビコノハが言う。
「ですね。
ホウトウの味と味噌煮込みうどんの味が違うのは当然ですが、味噌汁にも地域性が出ますし・・・うーん・・・熟成期間を半年物と1年物とした方が結構違いが出ますかね?」
「あー、白味噌、赤味噌の基本的な考えがそれだよね。
実際には製造過程で、ちょっと違う事があるんだけど・・・まぁ、大まかには間違っていないか。
あとは米麹と麦麴で麹を変えるとか・・・」
「あ、麦麹がありましたね。」
武雄が頷く。
「うん、タケオの所の凄いお爺ちゃんが味噌作っていたよね。
米麹じゃなかったの?」
「正確には私が小学生の時には麦麹味噌でしたね。
麹問屋さんが扱わなくなってしまって、致し方なく米麹を使ったそうです。
子供の頃の味噌汁は飲んでいると麦の粒がありましたよ。
米麹になってからなくなったなぁと思っていましたけど。」
「タケオ的には、違いはわかったの?」
「子供の頃なのでね・・・今思えば香りかな?
うちは煮干し出汁だったから味というのはそこまでなかったのかもしれません。
なので、基本的には強めの香りがしていましたけど、米麹になってから匂いが薄くなったかも。
ま、中身の具に興味は行きますが。」
「ふむ・・・タケオはなんでも食べれるなぁ。
で、具材で何が多かったの?」
「豆腐と油揚げともやし。」
「もやし?」
「はい。」
「シャキシャキ感と油揚げの油で甘みがあって、豆腐でのど越しが良いのか・・・
ふーむ・・・」
チビコノハが考える。
「美味しかったですよ?」
「うん、そこはわかる。
味噌汁は基本的に具材を選ばないからね。
ちなみに驚いたのは?」
「刻んだオクラが入っていた時ですかね。
オクラという食材も知らなかったですから。」
「いきなり入っていたら驚くかもね。」
「とりあえず熟成期間の違いの種類があれば、あとは合う料理を探せば良いだけでもありますね。」
武雄が言う。
「そうだね。
とりあえず、それで行ってみよっか。
まずは味噌という調味料が世に出る事が重要だものね。」
チビコノハが言う。
「ですね。
ちなみに、今回の味噌作りは塩を盛ると上辺を廃棄すると言っていましたけど、廃棄方法はどうしますか?
塩を安易に捨てられないと思いますが。」
武雄がコノハに聞く。
「スライム達が処理してくれるよ。」
チビコノハが言う。
「あぁ、なるほど。
なら廃棄物は問題ないと。
あとは、底に溜まっている溜まり醤油を出来るだけ綺麗に取り出したいですよね。」
「うーん・・・濾すしかないかなぁ?
製造方法が製造方法だから混ざらないというのは無理よ。
だから、布地の上にあげて、濾すしかないよ。」
チビコノハが言う。
「醤油が、どのくらい取れるか・・・前に話した時は最大50mlで最低はなしでしたね。」
「ある程度、味噌を犠牲にして濾すのと絞るのをするしかないだろうね。」
「上手く出来ると良いですが・・・何とかなるかな?」
「なるよ。」
武雄の言葉にコノハが頷く。
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ベルテ一家の家の客間。
ドナート達がのんびりとしていた。
「はい、というわけで、2日後にタケオ達が味噌と醤油の出来を見に来ます。」
ウカが言う。
「「はーい。」」
ニルデとジルダが返事をする。
「ふむ、とりあえず、今、土蔵にある物を1つ開けるという事で良いんだな?」
ドナートが考えながら言う。
「うん、そう。
あと醤油は底に溜まっている味噌を濾した物を試食して貰うから新しい中くらいの壺2つと綺麗な少し粗目の布と普通の布を用意しておかないとね。」
ウカが言う。
「それとボーナ、試食にキュウリとダイコンが欲しいね。
それを付けて食べて貰おうとも思うんだ。」
ダキニが言う。
「そのままが良い?切る?」
ボーナが聞く。
「キュウリは縦切り、ダイコンは輪切りかな?」
ダキニが言う。
「わかった、用意しておきます。」
ボーナが頷く。
「あと見るのは土蔵や共同住宅の現状だな。」
ドナートが言う。
「土蔵は蕎麦焼酎用の建設具合だよね?
どぶろくと黒酢とかも見るのかな?」
エンマが聞いてくる。
「そうだね。
建設具合は見ればわかるけど、どぶろくと黒酢は開けられないから並んでいる所を見て貰うしかないね。」
ウカが言う。
「私達は何か出来るかな?」
「お出迎えー。」
ニルデとジルダが言う。
「ニルデとジルダは聞きたい事を聞けば良いかな?
キタミザト様が試食される時に一緒に食べて感想を言ったりね。」
フローラが言う。
「「はーい。」」
ニルデとジルダが返事をする。
「あと、米を持っていくと思うから、精米しておこうか。」
ダキニが言う。
「そうだな。
そうしよう。」
ドナートが言う。
「では、その旨をキタミザト様に明日、言っておきます。」
アスセナが言うのだった。
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