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第3568話 味噌をどうやって売ろうか。(少量生産、地域限定販売という方法。)

「それで、その試食会も上手く行ったとしてじゃ。

 その後の製品化はどうするか考えておるのかの?」

エルヴィス爺さんが武雄に聞く。

「うーん、専門業者になってくれる方を探そうかと思います。

 一緒に試作している酒については、ローさんに依頼していますので・・・コノハ、味噌と醤油もローさんが良いよね?」

「そうだね。

 なんだかんだと言って、製造方法が似ているからね。

 味噌屋さんと醤油屋さん、日本酒と蕎麦焼酎屋さんの3家は欲しいかなぁ。

 場所としては、ベルテ一家が指導と品質管理もするだろうから、ベルテ一家の近くに住んで貰えて、守秘義務契約を結んでくれる方を探すしかないね。」

チビコノハが言う。

「大まかな流れが出来ているのなら良い。

 原材料の方はどうかの?」

「エイミー殿下から今年のキタミザト家への輸出量は大豆2000kg、小豆は1500kgと言われています。」

「ふむ、頑張った数字のように思うが・・・で、タケオは何と返したのかの?」

「3年後までに出荷量を今の3倍から5倍くらいにして欲しいと言っておきました。」

「エイミー殿下のお顔が大変な事になっていました。」

武雄の回答にジーナが言う。

「うむ、頑張った数値にさらにじゃからの。

 褒めてくれると思ったのが、『足らない』と言われたから微妙な顔をしたのじゃろうの。

 気持ちは十分にわかる。」

エルヴィス爺さんが頷く。

「ですが、味噌と醤油ですからね。

 コノハ、3年後に3倍をお願いしたんですけど・・・どう思います?」

「うーん・・・私としては物足りないかなぁ。

 本気で製造を開始すると今のベッドフォードの所並みの販売を、でしょう?

 今の味噌と溜まり醤油で醤油の量を確保するとなると・・・うーん・・・製造量はそこまで上げられないかもね。

 むしろ流通については、味噌の方がメインになるかな?

 それでも領内に行き渡るような量ではないけど・・・この街でそこそこ売れる程度には量が確保できるかな。」

チビコノハが考えながら言う。

「となると醤油系はキタミザト家、エルヴィス家向け、味噌は領民向けのとしてレシピを作っていく事になりそうですね。」

「そうねぇ・・・タケオ、味噌料理で何を公表する?」

「それは味噌汁やホウトウ、鍋等の煮込み用出汁でしょうかね。

 携帯性があれば、商隊等にも売れそうですよね。」

武雄が言う。

「味噌を丸めて乾燥させれば日持ちするだろうから、好まれるかもしれないね。

 出汁は移動中に小魚や干しシイタケを水で戻しておけば良いから・・・うん、十分に売れそうだね。」

チビコノハが言う。

「・・・そういえば、ウィリアム殿下領に続く街道沿いの町や村で、味の違ったうどんを提供するって話がありましたよね。

 そこに味噌を投入してみるのも手ですよね。

 ある程度の需要があって、でも多すぎない量という条件であれば、第2皇子一家から輸入する大豆の量で賄えるような気がします。」

武雄が考えながら言う。

「あ、なるほどね。

 確かに、それなら領内全域でレシピを公表した際の爆買いを抑えられて、尚且つ、目新しさや村か町の限定の食材みたいになるか。

 それと干し味噌があれば、少量を街道の商隊に持ち歩かせて、他の街道を行く者達へ認知度を上げられて、その村か町に立ち寄る・・・あとはエンドレスで人が立ち寄る村か町になると。」

チビコノハも考えながら言う。

「お爺さま、面白い事になってきましたね。」

アリスがエルヴィス爺さんに向かって言う。

「ふむ、そうじゃの。

 製造はこの街で行い、地域限定という名で南の街道のどこかの村か町で販売する。

 日持ちが出来る調味料という物の扱い方の1つじゃの。

 それにしても最初から(・・・・)製造場所と販売場所を違う所でするという発想はなかったの。

 うぅむ・・・そういう売り方もあるという事を再認識したが・・・わしもタケオのおかげで頭が柔らかくなってきたと思っておったが、まだまだじゃの。」

エルヴィス爺さんが感心しながら頷く。

「はい、製造と販売は同じ村か町でする物という考え方が強いですね。

 確かに言われてみれば、ウスターソースやワイン、衣服や本も領外で売る場合は、当然、製造元と販売元が別々ですよね。

 それを大きく考えると、あっちの町で製造だけを行い、こっちの町で販売だけを行うというやり方も間違いではないです。」

アリスが頷く。

「うむ、普通なら製造した町で売りながら販路を広げていくが、製造量が限られて(・・・・・・・・)いるのなら(・・・・・)売れる場所のみに(・・・・・・・・)投入する(・・・・)方法がある。

 ・・・考えもしなかった。」

エルヴィス爺さんが言う。

「そうですね。

 ・・・エリカさん、メモを取っていますが?」

アリスがエリカの手元を見る。

「これは・・かなり凄い事を話している気がしてなりませんが、第3皇子一家領での私の仕事が増えた瞬間が今のような気がします。」

エリカが言う。

「「うん、間違いなく増えた。」」

エルヴィス爺さんとアリスがエリカに言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
味噌玉かぁ。 20年くらい前から一気に全国に広まりましたよね。 アレ、便利なんですよね。家によって味も少し違って面白いし。
新しい調味料(醤油や味噌)の(領外?)販売は卸売市場限定だったよね。
異世界風味噌煮込みうどん爆誕フラグか?w(名古屋人感
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