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第3564話 アリスは意外と抱き着く癖があるのやも。(幼少期の癖ですね。)

エルヴィス侯爵邸の客間。

ヴィクターとジーナも加わり、雑談が継続していた。


「えへへ、ジーナちゃんは久しぶりですね。」

アリスがジーナをハグしながら言う。

「アリス様、久しぶりなのはわかるのですが、そう強くされますと、お腹に響きませんか?」

ジーナがアリスにされるがままに身を任せながら言う。

「大丈夫、ジーナちゃん!

 ルフィナちゃん達にしているから安全なのはわかっているわ!」

「・・・そうですか。」

「うーん、成長したからかなぁ?

 少し痩せた?もう少し抱き心地が柔らかかったように思うんだけど?」

「お言葉ですが、アリス様、そこまで抱かれていませんでしたよ?

 それにあの時は買われてすぐなので、もっと痩せこけていたはずです。

 今の方が肉付きも良いと思うのですが。」

「あれ?そうだっけ?

 まぁ、良いか。

 今を堪能しましょう。」

アリスがハグを止めない。

「・・・ご主人様、アリス様は抱き癖がありましたか?」

ジーナが諦めた顔で「こんなんでしたっけ?」と武雄に聞いてくる。

「さて・・・まぁ、私も出張続きで家を空ける事が多いので、アリスの気晴らし方法が、それになったのかもしれません。

 もしかしたら妊婦だからかもしれませんね。」

武雄が言う。

「抱き着いたり、手を取ったりするスキンシップは不安解消に役立つものです。

 痛みに耐える時にパートナーや友人達と手を繋ぐ事で痛みが軽減したという報告もあります。」

チビパナが言う。

「ふむ、アリスの寂しがり屋と出産への不安があるからかもしれませんね。

 ジーナは大人しくアリスが飽きるまで抱かれていなさい。」

武雄が言う。

「わかりました。

 トイレに行きたくなったらどうしましょうか?

 この状態では立てないと思われますが。」

「いや、ジーナちゃん?そのぐらいの分別は私にもありますよ?」

アリスが言う。

「・・・トイレに行きたいです。」

「はい。」

アリスがパッとハグを止める。

「では、所用で一旦退出します。」

ジーナが客間を退出する。

「・・アリスさん、久しぶりだからとハグを強要してはいけないと思いますが?

 あまりやると嫌われるかもしれませんよ?」

エリカが言ってくる。

「うぅ、わかりました。

 何かしてあげないといけないと思って、ルフィナちゃんとかには、小まめにハグをしていたので、その流れで。」

アリスが言う。

「まぁ、他の子達にもですが、過度にする必要はないでしょう。

 落ち込んでいたりした時にしてあげれば良いだけでしょうね。」

武雄が言う。

「ふむ・・・アリスは構ってあげたい欲求が強いのかもしれませんね。

 良い機会ですから、子供達と適度な距離を取りましょう。

 それが後々、我が子との距離感に繋がるでしょうからね。」

チビパナが言う。

「確かに、子供達からしたら、いつもどこでも過剰の愛を向けられると嫌がる子も居るでしょうね。

 それが良いという子も居ますが、基本的には、その距離は親が決めるものではなく、子供が決めるものでしょう。

 親としては、子供を愛するのはもちろんですが、過度のスキンシップを控え、待つ努力も必要でしょうね。」

武雄が言う。

「まぁ、そうなんだけどね。

 アリスの場合は幼少期からスミスの世話をしていたでしょ?

 だから、アリスにとっては小さい子は構っていないといけないと刷り込まれている感じなのよ。

 ジェシーとレイラがあれだしね。」

チビコノハが現れて言う。

「ジェシーさんとレイラさんが『あれ』という括りが怖いですね。」

「うーん、スミスが小さい時にアリス達の両親は死別しているわ。

 その時に家を支える為にジェシーは政治に、レイラは領民の安寧にと侯爵を補助したからね。

 小さいスミスの面倒は小さいアリスが見るしかなかった。

 アリスとスミスは7歳差だから、スミスが2才ならアリスは9歳、ジェシーは15歳、レイラは12歳ね。

 上2人は親の代わりに何とか混乱しないように侯爵の指示の元動かなければならないし、アリスはアリスで、状況はわかるものの姉達のようには出来ない、スミスの面倒を見るしかないという状況ね。

 もちろん、メイドや執事も居るから全部をアリスが見る事はないだろうけど、スミスの面倒を見ながら過ごした事がアリスの幼少時代の思い出かしら?」

チビコノハが言う。

「そこまでではないですね。

 やる事が無くなるとスミスと同じ部屋に良く居ましたね。

 まぁ、スミスの面倒を一番見たのは私でしょうね。

 ジェシーお姉様もレイラお姉様も嫁いで行っちゃいましたし。

 ちなみに私とレイラお姉様の面倒はジェシーお姉様が見てくれているんですよ・・・厳しかったです・・・レイラお姉様、時たま居なくなって、ジェシーお姉様がムスッとしている部屋に居るのは恐ろしかったですね。」

アリスが苦笑する。

「はは、レイラさんの事です、共犯者(エルヴィスさん)を作って、屋敷を出て行ったのでしょう。」

武雄が言う。

「ええ、レイラお姉様は、お爺さまと屋敷を抜け出して、買い食いして戻って来て、ジェシーお姉様に叱られていましたね。

 私は『ジェシーお姉様には、一生逆らえないんだろうなぁ』とレイラお姉様を見ながら心に刻み込んだ記憶があります。」

アリスが言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
かくして勇猛果敢で知られるゴドウィン伯を乗りこなす猛夫人の基礎が築かれた、とw
幼少期の刷り込みと言うか癖って人に言われないと分からないくらい染み付いてたりしますからねぇ。 反抗期と言われるような時期だと過度じゃなくてもスキンシップを嫌がる傾向にありますし今のうちから距離感を掴…
過度なスキンシップでも本気で嫌がるはないと思うけどな~ 体罰されるよりは
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