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第3559話 444日目 今日は終わりです。(そういえばニールとアルダーソンから打ち合わせの依頼が来ませんでしたね。)

夕食後の第八兵舎の武雄とエリカに割り振られた貴賓室。

武雄とエリカ、ジーナとビエラがお茶をしていた。


「簡単な日誌に記入も終わった。

 エリカとジーナの物もしまった。

 マイヤーさん達と明日の予定も確認した。

 ・・・うん!やる事終わりましたね。」

武雄が頷く。

「そうですね。

 久しぶりにエルヴィス侯爵邸に行きますね。

 タケオさん、道中は何もないのですよね?」

エリカが聞いてくる。

「いつも通りです。

 と言う時に限って、気持ちが緩んで怪我をする物です。

 行程はいつも通りですが、気を緩めずに行きましょう。

 特に緩み易そうな野営の場所では、オーク狩りをしますからね。」

「ふむ、いつも通りですね。」

エリカが頷く。


「さて、後は寝るだけですが・・・ジーナどうしました?

 何か気になりますか?」

武雄がジーナに聞く。

「はい、いいえ。

 何と言うか・・・カトランダ帝国との慣例の戦争の話を総長殿としていましたが、以前、陛下との打ち合わせの際にニール殿下とアルダーソン子爵様と打ち合わせをすると言っていました。

 もしかしたらご主人様も呼ぶとも。

 呼ばれなかったなぁと思いまして。」

ジーナが言う。

「ええ、言っていましたね。

 カトランダ帝国との慣例の戦争はニール殿下が最上位に居て、横に作戦案を立案するとしてアルダーソン殿、アルダーソン殿の護衛としてバビントン殿が居るでしょうね。

 事前に陛下とニール殿下とアルダーソン殿で協議をしたはずです。

 呼ばれなかったのは、何か決まったからでしょう。」

武雄が言う。

「ご主人様、陛下も言っていましたが、西側の領主達は魔王国側の領主達とは違い、足並みがそろっていないという話だったかと思います。

 ご主人様は実績があるので、打ち合わせに呼ばれるものと思っていました。」

ジーナが言う。

「呼ばれませんでしたね。

 まぁ・・・私がいなくても決められたのでしょうから良いのでは?

 上手く行けば良いですけど・・・まぁ、今回は負けても良いと陛下が言っていますし。

 ニール殿下とアルダーソン殿の試験のような物ですから。

 2人にとって、使える貴族は誰なのかを見るというね。」

武雄が言う。

「タケオさん、タケオさんならどうやって見極めますか?」

「そうですね・・・・・・動かないかな?」

武雄が考えながら言う。

「動かない?」

エリカが聞いてくる。

「ええ、私も魔王国との慣例の戦争や魔王国とデムーロ国との戦争を体験しましたけど。

 魔王国の戦争で一番凄いと思ったのは、ダニエラさんの言葉で動く事ですね。」

「ご主人様、それは当たり前なのでは?

 魔王国の現陛下の命令を無視する兵士はありえません。」

ジーナが言う。

「そこが凄いと思ったんですよ。

 行けと言われるまで動かないんですよ。

 行きたかったら伺いをして許可を貰うという事を徹底しているんです。

 命令に忠実なのです。」

「ふむ・・・ジーナ殿が言うように当然のように思いますけど・・・」

エリカが首を傾げる。

「命令に忠実というのは相手を信頼、信用していないと出来ませんよ。

 ニール殿下とアルダーソン殿はその信頼が培っていない状態で臨むのでしょうね。

 まぁ、半分くらいは仲を良くして臨むかもしれませんが・・・本当に信用と信頼がされているかは戦場でわかるでしょう。

 そして、どういう時にわかるかと言えば、極度の緊張している時でしょう。

 なので、私なら『何があっても動くな』という命令を全体に出します。

 盾を構えさせて、決してその場を動かさないと厳命しておきます。」

武雄が言う。

「守りに徹しろと?」

エリカが聞いてくる。

「違います。

 『盾で防げ、その場を動くな』です。

 応戦しろとは言いません。」

「ご主人様、それは・・・厳しいのでは?」

ジーナが呆れながら聞いてくる。

「でしょうね。

 応戦したり、勝手に打って出たりするかもしれませんね。

 領主の命令でしたのならニール殿下の命令に対して違反です。

 騎士団が勝手にしたと言うのなら、領主が部下に信用されていない証拠。

 さらに下の小隊がしたのなら、騎士団長の部下への指示不足と指導力不足。

 どれになっても罰が待っていそうです。」

武雄が言う。

「ご主人様、盾で防げないと思ったのならどうすれば良いのですか?」

ジーナが聞いてくる。

「現場がそう思ったのなら、領主に言って、ニール殿下とアルダーソン殿に許可を貰いに行けば良いだけです。

 それが出来た時点で、他の事でもしっかりと動いてくれるという証拠です。」

「ふむ・・・ご主人様、それは魔王国側の3貴族は出来ますか?」

ジーナが聞いてくる。

「・・・少なくともエルヴィス領主軍とゴドウィン領主軍はしてくれると思いますよ。

 ですが、戦場で動くというのは割と楽なんですよね。

 動くなと言われるのは精神を蝕むものです。

 忍耐力があるのかも試せるでしょう。」

武雄が言う。

「ふむ・・・ニール殿下とアルダーソン殿は、そう思ったのかもしれないのですね?」

ジーナが考えながら言う。

「私がそう思っただけですよ。

 まぁ、何かあれば話が来るでしょう。」

武雄が言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
テンプル領主軍の信頼度よ…まあ、そうですよねー() それでも西側陣営に比べたら100倍マシ、というか比較にすら値しない可能性があるのがなぁ
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