第3554話 昼食時に経済局長と雑談。(直接のやり取りはありませんが、お世話になっています。)
王城内の食堂。
武雄達は第3皇子一家との歓談を終えて、昼食に来ていた。
「おー、オークカツサンドは安定の味になってきました。
タケオさんは何を?」
「パスタにしました。
トマトベースのあっさりパスタです。
それとサラダですね。」
エリカの問いに武雄が答える。
「ジーナ殿は?」
「野菜炒めです。」
ジーナが言う。
「ビエラ殿は?」
「うん?肉!焼いてあるのにした!」
ビエラが言う。
「ふむ、ミア殿は?」
「野菜たっぷりスープですね。
昼食はこのぐらいで平気です。」
ミアが言う。
「初雪殿は。」
「ミアと同じ、具沢山のスープを2つです。」
初雪が言う。
「ふむふむ、王城の食堂の良い所は種類が豊富という所ですよね。」
エリカが言う。
「それだけ利用者が多いという事ですよね。
研究所の所の喫茶店だと日替わりと固定メニューですが、それなりに回っていますよね。」
「研究所の1階は文官方も来ますからね。
研究所の人員だけでは、日替わりだけでも難しいでしょうね。」
エリカが言う。
「ま、とりあえず食べましょう。
利用者が増えて行けば、メニューも増えるでしょうからね。
いただきます。」
「「「「「いただきます。」」」」」
武雄達が昼食を取り始める。
「おや?キタミザト殿、昼食ですか?」
経済局長が部下と思しき者達と料理を持ってやってくる。
「あ、経済局長、お疲れ様です。
局長室で優雅な昼食では?」
「こんにちは。」
武雄とエリカが挨拶をする。
「はは、それは夢のある話ですね。
ですが、局長になったとはいえ、家に給料を入れているのでね。
妻から毎月昼食費は貰っていますが、1食当たりにかけられる費用はそこまで多くないのです。
こうして、食堂で食べるのが精々ですよ。
失礼します。」
経済局長が武雄達の向かい側に座る。
「ふむ、まずは王城での諸々の事、お疲れ様でした。
さっき専売局長がバタバタしていましたが、何かあったのですか?」
「いいえ、何も聞いていません。
ですが、これから専売局長の所に行って資料を貰う予定なのですけどね。」
「ふむ、その用意をしているのでしょうかね。
キタミザト殿と私は基本的に話をする事はありませんが、エリカ様とはしております。」
「お世話になっています。」
エリカが言う。
「第3皇子一家関係ですか?」
「卸売市場関係ですね。
王都からも出店出来るかとか、買い付けの者を行かせられるかとかの話と王都からの輸出入に関しての話でエリカ様と話しています。
キタミザト殿の奥様は才女ですね。
話がすぐに通じて助かります。」
経済局長が言う。
「ええ、うちのエリカは優秀で勤勉です。
これからもよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそ。」
武雄の言葉に経済局長が頷く。
「・・・あれ?そうですね。
タケオさん、経済局長との打ち合わせが予定になかったですよね?」
「ええ、私の仕事とかで直接経済局に伺う事はありませんし、経済局の方からも私に用はないでしょうからね。
エルヴィスさんとは、話していると思います。
領主との方が経済局は連携を取りたいでしょうからね。」
「はい、エルヴィス殿は、前回、次期当主殿の婚約の件で来られた際に打ち合わせを実施させて頂きました。
農業を中心に工業と商業、酪農にもやりたい事があるようで、楽しそうに話していましたよ。」
「ええ、どれもをやりたいと言っていますよ。
ウスターソースとウォルトウィスキーの生産をしていますから、原材料の確保と生産力の拡充、販路の拡大を中心にしたら、他への投資額が少なくなるようですね。」
「でしょうね。
本来なら満遍なく発展させたいのでしょうが、実際は、どれかに集中して発展させていく事になるのは致し方ないでしょう。
ちなみに農業以外で今、懸念はなんですか?」
「うーん・・・チーズかな?」
武雄が考えながら言う。
「チーズ?とは、あの食べるチーズですか?」
経済局長が聞き返してくる。
「ええ、聞いているとは思いますが、レシピ公表をしたらチーズの需要が高まってしまって、現在も価格が高止まりのようです。
隣接領のゴドウィン伯爵領から輸入を増やしていますが、市場価格は高いままだったかと。
そこで酪農にも力を入れたいのでしょうけど、今日、明日で増産できる訳もなく・・・といった感じですね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・酪農ですか・・・価格はわかりませんが、チーズの流通量は増やせるかもしれませんよ?」
経済局長が考えながら言う。
「・・・価格が安くならないというのなら、遠方からですか?」
「確か、カトランダ帝国からの輸入品にチーズがあったかと。
それに王都でのレシピ公表は経済局が待ったをかけていますからね。
今、チーズがエルヴィス侯爵領で不足しているというのであれば、王都でもなるでしょうね。」
経済局長が言う。
「実施はいつ頃ですか?」
「レシピを公表した影響で高騰と品薄への対処は、潤沢な予備でしかありません。
王都で賄えないという事は他から持ってくるしかない・・・の調整をしています。
公表は・・・第1皇子一家が入城されてからになるでしょうかね。」
「結構かかりますね。」
「経済規模が大きいと用意も大変という事です。」
経済局長が言うのだった。
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