第3553話 第3皇子一家から商店候補リストを貰いましょう。(ジーナ、アリスの事は任せた。)
第3皇子一家の執務室。
武雄とエリカ、ジーナとビエラ、初雪が来ていた。
対応したのはアルマとレイラで、ウィリアムはアズパール王に呼ばれていて不在だった。
ちなみにアンは厨房に行っていて不在。
ソファにアルマとレイラが座り対面に武雄とエリカが座っていた。
「こ、こちらが私達が提示できる魔王国の方が駐在拠点とする商店の場所と簡易見取り図、各店舗の私達なりに考えた良し悪しを説明した冊子です。」
アルマが武雄の前に冊子を置く。
「ふむ・・・失礼します。」
武雄が冊子を持ち上げ内容を確認していく。
「・・・ふむ。
アルマさん、レイラさん、この中で第3皇子一家にとって良い商店はどこですか?」
武雄が聞く。
「え?私達にとって?」
「えーっと、魔王国の方にとってではなくて?」
アルマとレイラが不思議そうに聞いてくる。
「ええ、商店として機能すればとりあえず目的は達していますし、第3皇子一家で話し合って、良し悪しを書き出してくれたのでしょう。
でも、実際は第3皇子一家領内の町での出店です。
ウィリアムさんにもメリットがある店をお勧めしたいと私は思います。
もちろん魔王国には伝えませんけど、それを伏せて第3皇子一家のお勧めを売り込む事は出来ます。」
武雄が言う。
「「・・・」」
アルマとレイラが助けを求めてエリカを見る。
「えーっと・・・第3皇子一家としてではなく、私の意見としては、2番目に記載のある店舗が良いと思います。
城門に近いので、人通りも多く、売り上げが良さそうというのもあるのですが、何かあったら町に被害が出ないうちに退去して頂けるかと。
被害は1区画で済むと考えています。」
エリカが言う。
「ふむ・・・万が一の際の事を考えれば、そうかもしれませんね。
城門に近いという事は出入りがしやすくなる可能性もありますが・・・まぁ、それよりも商売が上手く行くようにという事ですかね?」
「はい、キタミザト家、エルヴィス家からの輸出入品を扱うとなれば、ウスターソースとウォルトウィスキーが最大の商品になるでしょう。
城門に近ければ、何かあっても兵士がすぐに来れて対処しやすく。
人通りも多いようなので、街道を行く人達向けに、雑貨を置いたとしても、ある程度、売れると考えています。」
エリカが言う。
「ふむ、なるほど。
駐在拠点ではあるけど、居るのなら商店としてしっかりと売り上げを出させると。
まぁ、私達にとっても信頼のおける中継地点であるのなら、取引はしたいですからね。
わかりました。
2つ目の商店を魔王国の方にお勧めします。」
「「よろしくお願いします。」」
アルマとレイラが軽く頭を下げる。
「さて、王城でやる事はやりましたかね?」
武雄が考える。
「ご主人様、専売局に行き、ブリアーニ王国からの輸入鉄鋼材の予算と希望する輸入量を聞かないといけないかと。」
ジーナが言う。
「あ、そうでしたね。
ならば、この後は専売局ですね。」
武雄が頷く。
「タケオさん、次は私達の引っ越しの時に会えるのですかね?」
レイラが聞いてくる。
「あ、そうだ。
その話がありましたね。
エリカ、どうぞ。」
武雄がエリカに促す。
「はい、私達はエルヴィス侯爵領を3月12日出立、王都に16日着で動きます。
第3皇子一家の引っ越しが25日なので、1週間かけてお手伝いになるかと。」
「大きい物は21日に出立だったよね?」
「1週間前に出立ですので、その確認も出来るだろうと。
少し慌ただしくなりますが、これで動こうと思います。」
エリカが言う。
「うん、良いんじゃない?
事、ここに至っては、やること無いし。
引っ越し準備も向こうに行くメイドや護衛で領地から来る兵士達がしてくれるしね。」
アルマが言う。
「置いて行く物と持って行く物、向こうで買い足す物は事前にリストを作って皆に渡しているし、エリカさんが戻って来て、箱詰めされた物を確認すれば良いだけね。」
レイラが言う。
「では、これで動きます。」
エリカが頷く。
「うん、タケオさん、アリスの事頼むわ。
出産したら教えてね。」
レイラが言う。
「スミス坊っちゃんとは今まで通り、鷲等での連絡を入れて行きますから大丈夫ですよ。
それにアリスは体力がありますから。」
武雄が言う。
「そうね。
私やジェシーお姉様ですら何とかなったからアリスなら体力的には大丈夫ね。」
レイラが苦笑しながら言う。
「むしろ私はアリスが力み過ぎて屋敷を壊さないか心配だわ。」
アルマが苦笑しながら言う。
「その為のジーナですよ。」
武雄が言う。
「私はアリス様を抑える役目なのですか。
てっきり、お子様の魔眼発動に備える要員かと思っていましたが。」
ジーナが言う。
「それもですよ。」
「アルマ殿下とレイラ殿下の出産を思い返しますと・・・全力を振り絞っているアリス様に近寄れと?
私も生傷が絶えないのではないでしょうか?
革の小手でもした方が良さそうですね。」
ジーナが呆れながら言う。
「その辺はジーナに任せます。
アリスに対抗してくださいね。」
武雄がにこやかに言うのだった。
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