第3552話 武雄達が去った会議室にて。(今後の予定と部屋の抽選会開始。)
武雄とエリカ、ジーナとビエラ、初雪が去った第3会議室では。
「噂通り、さっさと決めていく方だな。」
「気持ちが良いくらい即決でしたね。」
「とりあえず引っ越しですね。
独身者の荷物は木箱2つとして、先輩方はご家族とですからね。
幌馬車1つですかね?」
「マイヤー殿やアンダーセン殿達は、どうしてましたか?」
新たな試験小隊員が話している。
「2家で1台にしたな。
私達はケードとコーエンだったが、他の卒業生と一緒だったから荷物は少なかったしなぁ。
独身者は皆で1台で・・・大丈夫だろう。」
マイヤーが言う。
「引っ越しの段取りは、先の通りだ。
それとここからは試験小隊としての仕事だ。
まずは情報収集をして貰う。
第3皇子一家の引っ越し経路と周辺の状況情報が欲しい。
まぁ、殿下方の引っ越しなので、第1騎士団か第2騎士団は何度も往復して周辺確認をしているだろう。
なので、その情報を送って来てくれ。
2月末までに頼む。」
「「「了解しました。」」」
皆が返事をする。
「王都から引っ越しする組を臨時の小隊として扱う。
小隊長をイヴ・アシュビー、補佐をジェマ・ダルトリー。
両名に任せる。」
アンダーセンが言う。
「「了解しました!」」
2名の女性隊員が返事をする。
「うん、アシュビーは王都守備隊 第一近衛分隊で私と面識がある。
ダルトリーは第1騎士団の第10小隊長で、あまり私とは関わりはなかったが、騎士団長から評価は聞いている。
2人共、期待している。」
「「ありがとうございます!」」
マイヤーの言葉に2名の女性隊員が返事をする。
「で・・・アンダーセンは大変だな。」
マイヤーが苦笑しながらアンダーセンに言う。
「ええ、まさかの妻の同期が来るとは・・・
私の縁故と言われても不思議はないでしょうけど、この2人は優秀なんですよね。
当初から実力も抜きんでていたんで覚えていますし、その後の話も知っています。」
アンダーセンが呆れる。
「あぁ、女性陣が上位に食い込んだっていう花の期ですよね。
私の2つ下だったので魔法師専門学院でも当初から優秀な女子達が入ったと話題になっていましたよ。」
ブルックが言う。
「そう。
私の妻のデリア・ボナーが2位、イヴ・アシュビーが3位、ジェマ・ダルトリーが4位で卒業。
まさか応募してくるとは思わなかった。」
アンダーセンが言う。
「まぁ、ここにいる面子は多かれ少なかれ、私達の誰かとは顔見知りだし、部下だったりしたんだ。
今更、縁故採用と言われてもな。
とはいえ、私とアンダーセンで選考している。
ここにいる面子は、所長に盾突かない。
それに募集要件にも納得してくれているし、アンダーセンの言う事も聞いてくれるとの事だしな。」
マイヤーが言う。
「そうですね。
改めて、アシュビー、臨時小隊長として隊をまとめろ。
この第3会議室は今後王都出立まで詰め所として使って構わない。
総長から許可を得ている。」
「はっ!」
アシュビーが返事をする。
「皆の引っ越しの準備とエルヴィス家に就職する王立学院のキティ・エメット殿との打ち合わせと引っ越し準備、第3皇子一家領までの経路の詳細を集めるという事ですね。」
ダルトリーが言う。
「あぁ、それで頼む。」
アンダーセンが頷く。
「必要最低限でも結構、荷物が多くなるからな。
出来る限り捨てるか売るようにするように。」
マイヤーが言う。
「皆の事だ調べているだろうが、エルヴィス侯爵領に行くには野営が最低でも1回はある。
自分達だけでなく、移動に不慣れな家族も一緒だ。
準備は入念にするように。」
アンダーセンが言うのだった。
「さて、皆がお待ちかねの部屋の抽選会をするか。」
マイヤーが言う。
既婚者達の顔に緊張の色が伺える。
「一応、言っておくが、部屋の差異はそこまでない。
エルヴィス家よりの紹介という事で備え付けの家具も良い状態だ。」
アンダーセンが言う。
「「「うぅむ・・・」」」
既婚者3名が考えながら唸る。
「独身者の部屋については1部屋で確保している。
ちなみにエルヴィス家の方でキタミザト家の農業部門をしている方の隣接地にキタミザト家、エルヴィス家の従業員向けの共同住宅を建設中だ。
こちらはキタミザト家の従業員が主に入る事になっている。
なので、試験小隊の独身者は一般の賃貸になる。
ちなみにケード達新人はもう少し下宿生活だな。
時期が来たら独り暮らしが出来るようになるからな。
それまでお金を貯めておくように。」
「「「「はーい。」」」」
ケイ達が返事をする。
「うん、では・・・部屋の抽選会を実施しましょう。
コーエン、対象者に用紙を配ってくれ。」
「はい。」
パメラが既婚者6人に紙を配る。
紙には自身に振られた番号が記載され、希望の部屋番号を記入するようになっていた。
「希望部屋抽選会1周目。
希望の部屋番号を記入し、この箱に入れてください。
被らなければ即決まり、被ったら箱に戻し、私が箱から選びます。
では、記入して箱に入れてください。」
アンダーセンが言うのだった。
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