第3544話 国にお金を貸しました。(エルヴィス家に関の強化費用ください。)
再びアズパール王の執務室。
「オルコット殿、これが渡された書類に冒険者組合で追記された書類です。」
武雄が冒険者組合で渡された書類をオルコットに渡す。
「はい、ありがとうございます。
これで金貨4000枚を借入れしましたね。」
「来年の4月末までに支払われなければ強引にでも取り立てをしますので、よろしくお願いします。」
武雄が言う。
「わかっております。
さて、軍事費の補填という前借りは出来ましたね。
陛下、私、キタミザト殿の3名の連署の契約書が3つ出来ました。
これを各々所持する事になりますね。」
オルコットが契約書を武雄とアズパール王の前に置きながら言う。
「はぁ・・・とうとう我が国も借金を抱える事になってしまったか・・・」
アズパール王がため息をつく。
「今回は特例でしょうね。
実施までの日数が予算編成をしたのでは足らないのですから、実施する為には、すぐに動ける為に必要な事です。」
オルコットが言う。
「これが常態化しないようにしないといけないでしょうね。
王城が方々から借金をしだしたら、私は貸しませんからね。
回収出来ないかもしれない相手には貸しません。」
武雄が言う。
「わかっているが・・・戦争は準備段階でも金がかかるな。」
アズパール王が言う。
「勝てばかかった費用ぐらいは回収出来るのでは?」
「予定ではかかった費用と復興費用、関の壁の建設費用まで取るつもりだ。」
「まぁ、実際はどこまで値引きをするかという話になると思いますが。」
武雄にアズパール王とオルコットが言う。
「外交局と軍務局の腕が試されますね。」
「交渉において、値が付く捕虜も欲しい所だな。」
アズパール王が言う。
「殺すより捕らえる方が何倍も難しいと思いますが?
それに値が張る相手の顔を知る者が前線に居るとは思えません。」
武雄が言う。
「ふむ・・・それは今後の協議で決めていく事にしよう。」
アズパール王が言うのだった。
「キタミザト殿の方から何かありますか?」
オルコットが聞いてくる。
「私の方からは・・・魔王国からウィリプ連合国への冒険者の移動ですが、エルヴィス侯爵領内にて、私かエルヴィスさんが対応する事にしますが、ウィリプ連合国への通行許可書ないし越境許可書を作って渡そうと考えています。」
「ふむ・・・偽装するのか?」
アズパール王が考えながら聞く。
「はい、ウィリプ連合国に魔王国やブリアーニ王国で発行の通行許可書ないし越境許可書を見せたら『狙ってください』と言っているようなものです。
なので、書類上は我が国の者とした方が、ウィリプ連合国に問題なく入国出来るでしょうからね。」
武雄が言う。
「ふむ、わかった。
魔王国、ブリアーニ王国の者への越境許可書はタケオかエルヴィスの当主が確認して実施するようにすれば問題ないだろう。
リスト化出来れば、後々、何かあった際は照会出来るだろうしな。」
「はい、では、そのようにします。
あ、そうだ。
魔王国およびブリアーニ王国との関の強化予算をくれるという話をエルヴィスさんから聞いています。」
「あぁ、今回の報償として出す。
関の強化費用補助と労い金の予算編成は終わって、4月以降の会議で決まる予定になっているが、先払いしておく。
エルヴィスにはそう伝えて置いてくれ。」
「いくらくれるのですか?」
「・・・支払い書類が行くから待っているように。」
アズパール王が言う。
「伝えておきます。」
武雄が頷く。
「エルヴィスの事だ、タケオに相談したのだろう?」
「相談されて、面白そうと考えつく事を追記したら『予算が大変な事になる』と怒られました。」
「まぁ、だろうな。
だが・・・否定はしなかったのだな?」
「はい、エルヴィスさんもエルヴィス家の財政局長と軍務局長も有用なのは認めてくれました。
『王都からいくらくれるかなぁ』と待っている状態です。
自分達の予算と補助金でどこまで出来るかを検討してから実施でしょう。」
武雄が言う。
「ふむ・・・ま、頑張ってくれ。
王城は、これ以上の補助金はだせん。」
「はい、わかりました。
その支払い書類はいつ頃来るのですか?」
「オルコット、もう支払い準備は出来ているのだったか?」
「確か、財政局で見落としがないかの確認中だったかと。
・・・来月2月上旬には通達と振り込みをしておきます。」
オルコットが言う。
「わかりました。
それも伝えておきます。」
武雄が頷く。
「うむ・・・とりあえず、以上だな。
レッドドラゴンの引っ越しの段取りが付いたら知らせるように。」
アズパール王が言う。
「はい。」
「それと第3皇子一家の引っ越しですが3月20日以降になりそうです。」
オルコットが言う。
「わかりました。
また、近くなったら総監局に予定伺いをすると思います。」
武雄が頷くのだった。
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