第3543話 武雄は入金と送金をしに冒険者組合へ。(ジーナ達は雑談中です。)
オルコットから送金先のメモを貰った武雄が、暇そうにしていたケイ、パメラ、アニータ、ミルコを伴って王都の冒険者組合に来ていた。
「・・・はい、書類の確認をさせて頂きました。
王城の総監局への送金ですね。
こちらが現在、キタミザト様からお預かりしている金額です。」
武雄の前にも金額が書かれた証明書が出される。
「はい、お願いします。
で、金貨500枚を入れて、総額金貨4000枚になるので、全額送金としたいです。」
武雄が言う。
「畏まりました。
では、一旦、入金の処理をいたします。
金貨500枚ですね?」
「はい、今出します。」
武雄がリュック(大袋)から金貨を500枚取り出す。
「はい、確認と入金をしてまいります。」
受付が金貨500枚を持って奥に行く。
今、武雄は1人で受け付けをしており、他の4人はというと、依頼が貼り出された掲示板を見ていた。
「・・・これは私達でも出来るね。」
パメラが、とある紙を指差しながら言う。
「2体のオークの討伐は私達なら出来て当然レベルよ。
むしろ出来なかったら追加訓練じゃない?」
ケイが言う。
「討伐関係は万遍なくですね。
でも・・・期日が長めに書かれているという事は遠出なんですかね?
あとは商隊の護衛ですね。」
ミルコが言う。
「エルヴィス侯爵領は、各町から領都までは討伐はない感じだったよね。
ミア軍団が機能している証拠でしょうけど、王都でも遠くまで討伐しに行かないといけないのですね。」
アニータが言う。
「うーん・・・王都の周辺は町が密集しているから特定の森以外では魔物は出ないですかね?」
パメラが言う。
「そうなんですか?」
ミルコが聞く。
「大外の町・・王都の壁より外に居る魔物を狩るといった感じですね。
ちなみに王城から近い所にある森は魔法師専門学院や王立学院、警備局や各騎士団が使用する為に一般の冒険者は入らない事になっていますよ。」
ケイが言う。
「へぇ・・・そんな数の軍隊が出入りするとなると魔力溜まりがありそうですね。」
アニータが言う。
「ありますね。
1mくらいだったかと。
魔法師専門学院の4年の時に魔力溜まりの実地研修があるんです。」
ケイが言う。
「そういう授業があるんですね。」
ミルコが感心する。
「実際に魔力溜まりを見て、どういう脅威なのか理解出来ないと困りますからね。
座学だけで知った気になっていると対処が遅れる可能性がありますから。
被害を受けるのは村々ですので、国民、領民に被害を出さない為に研修があるんです。」
ケイが言う。
「あれ、意外と大変だったよね。
魔力溜まりの周りに野営しながら班ごとに交代で魔力溜まりの監視を1日中していて、いつ出るかわからないから緊張しっぱなしだった。」
パメラが言う。
「そういう訓練なんですか?」
アニータが言う。
「慣例の戦争を経験したからか、今では、あの訓練は安全に行えるように準備されていたというのはわかるのですけど。
当時はキツかったですね。」
ケイが言うのだった。
------------------------
アズパール王の執務室。
アズパール王とオルコット、ジーナが武雄の帰りを待っていた。
「オルコット、金貨4000枚を前借り出来たな。」
「支払いは金貨4800枚ですね。
まぁ・・・多く借りれましたね。」
アズパール王にオルコットが言う。
「陛下、オルコット宰相様、ご主人様からいくら借りようとお考えだったので?」
ジーナが聞く。
「我としてはアドラム子爵の件があるから金貨2000枚が最上かと思っていた。
オルコットも同じぐらいだろう?」
「私は最大金貨2500枚だと。
キタミザト殿もやりたい事がございますでしょうからね。
実際は金貨1000枚でもお貸し頂ければ幸いかと思っておりました。」
アズパール王とオルコットが言う。
「で、ご主人様が金貨4000枚を提示したと。」
「まぁ、利子があるが、そこまで出してくれるとは思わなかった。
もう少し、上乗せは少なくても良かったかもな?」
「2割と言ったから最大限出して頂けたのでしょう。
キタミザト殿にしたら1年待てば金貨800枚の収入があるのです。
貴族報酬と侯爵報酬とを合わせた金額よりかは少ないですが、ほぼ1年分の報酬と同額が手に入るのです。
予定を修正してくれたのでしょう。」
オルコットが言う。
「まぁ・・・その金貨4000枚を今使える事に意味があるのだがな。
軍務局のクロスボウの購入費用には充てるが、他にも例の防御砦の建設に動けそうだな。」
「はい、下準備を実施しようかと思います。」
「・・・あの・・・間違いでなければ良いのですが、ウィリプ連合国との戦争の地はアドラム子爵領なのですよね?」
ジーナが聞いてくる。
「ええ、そうですね。」
「・・・地方領には、まだウィリプ連合国との話は伝えないと伺っていますが、領主に内緒で出来るのですか?」
「ふふ・・・下準備なので大丈夫ですよ。」
オルコットがにこやかに言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




