第3536話 442日目 アズパール王とオルコット。(最近のドラゴン関係の進捗は?)
アズパール王の執務室。
アズパール王とオルコットが話をしていた。
「そういえば、今日は武雄達はレッドドラゴンの所に行っているのだったか?」
「はい。
前回の訪問では、こちらがレッドドラゴンの引っ越しの可否についての意思確認をお願いしたつもりが、直径6mの魔力溜まりを発見し、封印して来たという予想すらしなかった事をされてきましたね。
はぁ・・今回は何をするのやら。」
オルコットがため息をつきながら言う。
「今回は、何もないんじゃないか?
前回行っている場所に再訪問して食事をしてくるだけだろう?
前回は初めて行った所に大きい魔力溜まりがあり、不便そうだからと言って、対処してきただけだ。」
「・・・そんな一文で終わらせられない内容だったのですけどね。」
「我もわかっている。
その件は、オルコットがタケオに金貨を支払って終わらせただろう?」
「そうでしたね。
まぁ、キタミザト殿が私達では考えつかない適切な方法で封印し、報告の限りでは、少なくとも50年くらいは問題がなさそうだと思わせる内容でしたね。」
「そうだな。
下手な事をしなければな。
確か、万が一の際の避難誘導が目的で警備局の小隊を常駐させるんだったな?」
「はい、そのように計画しています。」
オルコットが頷く。
「ふむ・・・」
「あ、エイミー殿下への跡地の再利用方法での報奨金ですが、払っておきました。」
オルコットが言う。
「お、払ってくれたのか?」
「はい、陛下の来月分の小遣いから差し引いておきました。」
「・・・」
アズパール王が仏頂面になる。
「記念メダルは、意匠の検討中なので決まり次第、渡す事になります。
そのうち総監局から最終案が出されると思います。」
「・・・そうか。」
「優秀賞と佳作の3案につきましても総監局で取りまとめて陛下に提出します。」
「わかった。」
アズパール王が頷く。
「後はレッドドラゴン殿がいつ引っ越すか・・・ですね。」
「エルヴィスの方で受け入れ態勢が整わない限り、実施は出来ないだろうがな。
出来れば早い方が良いとは思っている。」
「ですね。
とはいえ、レッドドラゴン殿の住処を作るというのは前代未聞ですから、日数がかかっても致し方ありません。」
オルコットが言う。
「うん、そうだな。
出来ればエイミーが王都にいる内に実施させたいがな。」
「目に見える成果となるでしょうね。
キタミザト殿から陛下が入手するドラゴンの革を王城に売るという話ですが。」
「うん、どうなった?」
「一応、総監局と専売局の許可を取り付けました。
財政局へはこれからです。」
「一番の難関だな。
・・・で、買取金額はどうなりそうだ?」
アズパール王が恐々聞いてくる。
「今の所、陛下の希望通りに1kg当たり金貨45枚で合意に至りそうです。」
「おおー、やった。」
「うん?」
「いえ、なんでもありません。」
アズパール王が目を逸らす。
「出所がしっかりしていますし、性能評価も高評価でした。
キタミザト殿への支払い金額について、直接ではないですが、聞いていますので、そのぐらいだろうと考えます。」
「え?知っていたのか?」
「はい、小耳に挟んでおります。
それとエイミー殿下が提唱した、ドラゴンの革のレザーアーマーを地方貴族に貸して、費用を賄うという案ですが、問題ありません。
そちらも総監局がやります。」
オルコットが言う。
「・・・ドラゴンの革関係は総監局扱いか。」
「はい、そうなりました。
とはいえ、村を作るので、経済局や財政局等も協力する事になるでしょうけども。」
オルコットが言う。
「それはそうだな。
皆が協力して、実施していかないとな。
で、どのくらいで貸し付けるんだ?」
アズパール王が聞く。
「エイミー殿下案では、3年で金貨90枚でしたが、2年で金貨75枚となりそうですね。」
「ふむ・・・2年毎の更新か。
なぜだ?」
「欲しがる貴族に行きわたった後もキタミザト殿より提供されるのでしょうから、一巡した後に最新の物にする為です。
その頃には、最新ならいくら、今までのを継続でいくらという風に価格が変わるかもしれません。
ま、今は、そこを考える必要はないので、2年毎に更新がかかるという風になったと認識しておけば良いかと思います。」
「そうだな。
それに、ドラゴンの革は性能が良い分だけ、加工も難しそうだな。
タケオやエルヴィスの方でも試すのだろうが・・・腕が良い職人が集まるか・・・も注意事項だな。」
「一応、その辺は検討中としてください。
前回、陛下と話していた事が少々変更になると思います。」
「ドラゴンの革を職人達に話す件だな?」
「はい、総監局が難色を示しているので、その辺の話がまとまったらご報告します。」
オルコットが言う。
「ふむ・・・総監局がか・・・まだ先の話ではあるからな。
十分な検討をして決めてくれ。」
アズパール王が言うのだった。
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