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第3530話 442日目 さ、出立しよう。(水を飲むのも排出するのも大事な事です。)

王都西の街の高級宿屋の食堂。

8時を回ったくらいに武雄達が食事をしていた。


「「・・・」」

武雄とエリカは静かに食事をしている。

「ミア!美味しいでしょ!」

「これは!美味しいですね!」

ビエラとミアがガツガツとアズパールカレーからキーマカレー、挟む用に濃くしたキーマカレーを楽しんでいる。

「あー、ビエラ、ミア殿、口の周りが。」

ジーナがビエラとミアの口の周りを拭き始める。

「ん!ありがと!

 ミア、美味しいねー。」

「どうもです!ビエラ、美味しいですね。」

ビエラとミアの食べる勢いが凄い。

「・・・またお腹いっぱい食べて・・・」

ジーナが呆れる。

「失礼します。

 キタミザト様、今日の昼食用にカツサンドをご用意しました。」

料理長が持ってくる。

「すみません、大変だったでしょう。」

「いえいえ、問題はございません。

 また、お越しください。」

「はい、また来ます。

 それとは別に、エルヴィス家の料理長とのやりとりをお願いします。」

「はい、随時して参りますので、よろしくお願いします。」

料理長が礼をする。

「うん、マイヤーさん、出立は?」

「9時出立で間に合うかと。

 皆も8時50分までに玄関に集合だ。」

マイヤーの号令に、試験小隊の面々が頷くのだった。

・・

王都西の街の高級宿屋の玄関。

8時半過ぎには武雄達全員が揃っていた。


「うん、予定より少し早いですが全員揃いましたね。

 とはいえ・・・トイレとかはしっかり済ませておきなさいね。

 移動中もちゃんと水を飲むように!

 体内の水分が少なくなると、不調をきたす事もありますからね。」

「「「はーい。」」」

武雄の言葉に皆が返事をする。

「うん、トイレとか水分補給とか、所属先に寄っては我慢するのが当たり前という所もありますが、私の所では、基本的には我慢する必要はありません。

 まぁ、戦闘中とかは、ちょっと我慢して欲しいですけどね。

 それ以外では普通に生理現象なのです。

 我慢する必要はないので、しっかりする事。

 ベテラン組もですからね?

 基本は無理する事はありません。」

「「「「了解です。」」」」

試験小隊のベテラン達が返事をする。

「じゃあ、予定通り9時になったら出発しましょう。」

武雄が言うのだった。


------------------------

ウィリプ連合国 大統領府特務隊兵舎 ルイ・セイジョウの執務室。


「んー・・・ん-・・・」

セイジョウが書類を見ながら唸っていた。

「うるさいわっ!」

チビバロールがセイジョウに言う。

「だって・・・」

セイジョウが言う。

「ヨハンナが勉強しているのだ。

 黙ってろ。」

「ひっ!」

勉強していたヨハンナがチビバロールの言葉に軽く悲鳴を上げる。

「うん?ヨハンナ、大丈夫だ。

 お主の事を言っておるのではない。」

チビバロールが言う。

「は、はい!」

「うんうん、うん?

 ヨハンナよ、ここの計算は、もう一度してみると良い。」

チビバロールがヨハンナの書いている所を指さす。

「はい・・・あ!間違っていました!

 やり直します。」

「うんうん、間違いと気付けるのは素晴らしい事だぞ。

 ヨハンナは文官の気質がありそうだ。

 良く勉強すればルイの役にも立てよう。」

チビバロールが満足そうに頷く。

「・・・あんなにバロールの事を怖がっていたのに、『勉強を教えてください』というとは・・・」

セイジョウが難しい顔をさせながら言う。

「ふっ、成長のない・・・ヨハンナの決意の邪魔だ。

 ルイは、仕事でもしているんだな。」

チビバロールが言う。

「はいはい、仕事をしますよ。

 ・・・・・・・・んー・・・んー・・・」

セイジョウが唸りだす。

「・・・本当に成長がないな。

 何だ、何を悩んでいる。」

「うん、なんかカトランダ帝国との交渉が難航したとか書いてあるんだよ。

 いつもの報告書なら、カトランダ帝国はウィリプ連合国(こっち)の言い分を飲んだという報告があるんだけど、今回はウィリプ連合国(こっち)の要求には回答せず、現状維持としたいと言ってきたらしい。

 だから、その調査をして来いって。」

セイジョウが言う。

「??・・・なんで、お主が調査をするんだ?

 出来るのは盗人の真似事だろう?

 何を調査するんだ?」

「だから、『こちらの要求を回答せずに、自分達の要求をこちらに言ってきた背景について』だね。

 カトランダ帝国に行って、聞き取りかな?」

セイジョウが言う。

「・・・はぁ・・・どうして、こうも簡単に考えるんだ・・・

 調査をして来いという事は、『確定的な事を欲しているから、証言でも資料でも盗んできなさい』という事だろう。

 ルイが指名されたのは、王城でも何でも侵入して、カトランダ帝国が何を考えているかの証拠を持ってこいという事だ。」

「あー、なるほどね。」

セイジョウが頷く。

「はぁ・・・どうやって成長させたものか。」

チビバロールが愚痴るのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
お〜、久しぶりにセイジョウくん登場! 精霊との関係も相変わらずでホッとしますね。 そう、彼にシリアスは似合わないw いつも楽しい更新ありがとうございます。
バロールが楽になるにはルイに首輪を付け アズパールの御仁に管理してもらうしかないw
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