第3519話 領内人口増加の夢。(達成不可能とは思いません。)
「そういえば、タケオさん、エルヴィス侯爵領は今の1.5倍くらいの人口を目指すのですよね?」
エイミーが聞いてくる。
「ええ、そのつもりですが?」
武雄が「何か?」という顔をさせ聞き返す。
「・・・えーっと、タケオさん。
町と村のセットを、何個増設するんですか?」
エイミーがジト目で聞いてくる。
「??・・・そこはエルヴィスさんの管轄ですが・・・なんで町と村のセットを何個も増やすんですか?」
武雄が聞き返す。
「え?・・・だって、町1つと村5個は町作りの基本形ですよね?
ならば、人口増加を目指すという事は、この単位で考えるのではないですか?」
エイミーが聞いてくる。
「・・・はぁ、そうなんですか?」
武雄が生返事をする。
「??・・・タケオさんは違う考えが?」
「いえ、具体的な方針がなかったので、私も意見を言っていませんでしたが、今の北町、西町、東町、南町の規模を大きくして、そこに管轄する村を増やすのかなぁと思っていました。」
武雄が言う。
「え?・・・えーっと・・・タケオさん、今領主邸がある街が5万人、各町の人口が2千人くらいだと思うのですけど、それを増やすのですか?」
「ええ、既存の外壁の外側を拡張させて、旧街区と新街区という形で作った方が、人手の移動がなくて、工事費が抑えられますし、発展の度合いを見ながら増やしていけると思うので。
そうですね・・・領主邸のある街は60000人にして、各町を5000人ずつ、新規の村を10個とかですかね?」
武雄が言う。
「領都が10000人増、各町が12000人増、村で3500人増・・・タケオ様の中では合計25500人の人口増加ですか。」
スミスが言う。
「え?・・・うーん・・・私の試算だと16000人増でもいっぱいいっぱいなのに・・・25500名かぁ・・・」
エイミーがノートに何か書き始める。
「まぁ、私が安易にそう思っているだけで、実際はエルヴィス家の文官方の意見も聞いて考えないといけないでしょうね。
エリカ、町と村の増設方法に何か意見はありますか?」
武雄がエリカに聞く。
「うーん、維持管理と増設する町の建設費用等を考えれば、タケオさんの考え方の方が費用を節約出来そうですが。
エイミー殿下の分散型配置は、農地での病気や虫等の被害があった際に1つの村や町で済むので、リスクの分散に良さそうです。
タケオさん、エルヴィス侯爵領の展望としては、どうなっていくと思いますか?」
エリカが聞いてくる。
「うーん・・・とりあえず20万人都市かな?
今の各町とエルヴィス侯爵邸がある街をすべて町や村で埋め尽くしたいですね。」
「「「え?」」」
エイミー、アン、エリカが驚く。
「タケオ様としては、出来ると思いますか?」
スミスが聞いてくる。
「うん、達成不可能ではないと思いますよ?
だって、ウスターソースやウォルトウィスキー、醬油や味噌の製造を一手にするとなると既存の街中では作れる場所が少なくなってくるでしょうからね。
さっきの話ではないですけど、既存の城壁外に新たに工場区を作って、各商品を大工場で製造した方が効率良さそうですし、従業員を増やさないといけない。
それに各領に大量に卸す為には、当然見合った量の原材料が必要となると農家を増大させていかないといけないですからね。
農家を増やすと生活品も売れるし、輸送をする人達も大量に必要だし、泊まる所も必要で・・・全産業で人が増えるでしょうね。
うん・・・20万人は行けそうな気がします。」
武雄が言う。
「「「・・・」」」
エイミー、アン、エリカが何も言えない。
「ご主人様、ここ王都でも30万人都市なのですが、それに次ぐ規模にするという事ですか?」
ジーナが聞いてくる。
「ええ、とはいえ、私が存命中に出来るかと言えば、難しいと思います。
スミス坊ちゃんの子か孫の世代でそうなるようにしていきたいですね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・現在の自然増では追いつけない可能性がありますね。
どこからか、人を流入させるしかないかもしれませんが。」
ジーナが言う。
「となると、20万人達成は相当先の話になりそうですね。
まぁ、どちらにしても私の代では達成しないでしょうから、そうなる為の政策等々をエルヴィスさんと話して進めていけばいいのでしょうね。
ジーナも手伝ってくださいね?」
「精一杯努めさせて頂きます。」
ジーナが頷く。
「はい!タケオさん!」
アンが手を挙げる。
「はい、アンさん。」
武雄が顔を向ける。
「今のウスターソースなんか以外にも、商品を作るという事ですよね?」
「そうですね。
全職種で生産から加工、販売をしていき、他領にない物をドンドン作っていけば、皆が何かしらの職に就くことになるでしょうね。
例えば、干物だって、今商品化されている物以外でも作れるかもしれませんし、新しいソースや酒が出来るかもしれません。
要は商品数を増やしていく事が重要だという事でしょう。」
武雄が言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




