第3516話 農作物は色々始めています。(枝豆作ります。)
武雄が、エルヴィス領内の農作物と輸入食材関係の話をし終えていた。
「米に胡椒、パン用小麦とスイーツ用小麦を輸入して、アプリコットと紅甘という芋、新種のネギ、蕎麦という穀物、ゴボウという野菜をキタミザト家で試験栽培を始めた。
パン用小麦とスイーツ用小麦については、南町に新しい村を一つ作って作付けを開始。
それに伴い、西町と南町での作付け種類の変更と増産を指示。
紅甘とゴボウは今年からキタミザト家の農業部門で作付け開始。
んー・・・タケオさん、前にエルヴィス家に行った際には食卓に紅甘が出てきませんでしたが・・・」
エイミーが武雄に聞く。
「輸入した量がそもそも少量だったので、食材として提供出来なかったのでしょう。
私が紅甘を食べたのも、魔王国から戻ってからでした。」
「あー、そうなのですね。」
「今年の作付では、農家5軒に依頼すると言っていましたかね。
あ、それと蕎麦を使った新しいお酒の試作に入ります。」
「え?お酒ですか?
エルヴィス侯爵領のウォルトウィスキーが大人気で、原料の作付面積の問題から生産が追いつかないと聞いたのですけど?
そこに来て、新しいお酒の開発ですか?」
エイミーが訝しがりながら聞いてくる。
「ええ、完成がいつになるかはわかりませんが、開発していて損はないでしょうからね。
今ある食品は、どこかの時点で頭打ちになり、消費量が伸びなくなるでしょう。
そうした時に新たな種類が供給出来れば、新たな市場が広がるかもしれません。」
「ん-・・・言っている事は、わかるのですが・・・
まぁ、開発に着手するという事ですから、直ぐに出来上がる訳ではないという事ですね?」
「ええ、そうです。
あ、そうだ。
エイミーさん、大豆と小豆の件なんですが...」
「はい!今年の第2皇子一家領からエルヴィス侯爵領への出荷は、大豆2000kg、小豆は1500kgを予定しています!」
エイミーが「うちの領民、頑張りました!」というドヤ顔で、タケオの問いに被せ気味で報告してくる。
「わかりました。
3年後とか迄でいいのですが、出荷量を今の3倍くらいに増やせませんか?
増産の余裕があるなら、5倍くらいにしても構いませんよ?」
「ぇ?」
エイミーが固まる。
「タケオさん、ニール叔父上の所から買っている穀物をそんなに大量に欲しいのですか?」
アンが聞いてくる。
「はい、欲しいですね。
それと、エルヴィス家で食べる分として大豆を少々作付けしたいんですけど、構いませんよね?」
「!?」
エイミーに衝撃が走り、凄い顔をする。
「エイミーお姉様!その顔は流石にダメです!
お姉様!正気に戻ってください!」
アンが驚きながら言う。
「タ、タケオさん、大豆を大量に輸入するのに、エルヴィス伯爵領で大豆を栽培する必要があるのですか?」
エリカがエイミーを見ながら聞いてくる。
「ええ、枝豆が食べたいので必要なんです。」
「「「枝豆?」」」
エイミーとアン、エリカが首を傾げる。
「あー・・アリスも同じ顔をしていましたか。
大豆を植えて、育ち、実をつけますが、若々しく青々とした状態で収穫した物を枝豆と言い、茎や葉が枯れる直前まで育てた状態で収穫した物を大豆と言います。
枝豆で食べられる時期は短く、大豆よりも保存がきかないので自分達で作ろうと思っています。
キタミザト家とエルヴィス家で消費する分だけです。」
「タ、タケオさん・・・それは教えて頂けるのですか?」
エイミーが聞いてくる。
「え?レシピも何も・・・青々と育って、実が入って膨らんだ大豆の実を収穫して、塩水を沸かしたら鞘のまま茹でて、ザルにあげて水気を切って、塩を振って冷ましてから、鞘に着いた塩を舐めながら中の実を食べるだけですけど?
時間があれば、茹でる前に枝豆を塩もみしておきたいですが・・・まぁ、そのままでも良いでしょう。
確か茹で時間は3分か4分だったかな?」
武雄が言う。
「タケオさん、もう一度、レシピをお願いします!」
エイミーが言うのだった。
精霊達のお茶会はというと。
「今、エイミーが聞き出しているけど、枝豆作るの?」
チビアルがチビパナに聞く。
「ウカとダキニが喜んで作ると言っていましたよ。
それでタケオとコノハが了承していました。
食べたいのでしょう。」
「それはわかるけど・・・枝豆かぁ。
あれって東アジア系の食べ物だったわよね?」
アルが聞く。
「生息範囲の問題でしょう。
確か日本でも古来より食べられている物です。
それに不足しがちな栄養素が補えますからね。
食せるのなら食した方が良い食材です。」
チビパナが言う。
「ふむ、確かに大豆は夏に枝豆を楽しみ、秋に味噌づくりにと年中通して日本人は使っていたか。」
チビマリが言う。
「大豆は土地を選ばずに育てられていますね。
まぁ、実を大きく、多く育てたいなら土壌環境を良くしないといけないでしょうけど。
大量作付けをするのなら、土壌を常に栄養素で満たしてあげないといけないですね。」
チビパナが言う。
「んー・・・次に第2皇子一家領に戻ったら、対処してくるわ。
私も豊穣神の一角として役割を果たさないとね。」
チビアルが言うのだった。
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