表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3534/3631

第3515話 魔王国は準備万端だったんです。(あ、戻ってきたら契約なんだね。)

武雄は、魔王国との慣例の戦争の件と、魔王国とデムーロ国の戦争の件について、皆に話し終えていた。


「えーっと・・・つまり、タケオさんと(エルヴィス)お義爺さまは、魔王国国王陛下とブリアーニ王国女王陛下に事前に会って、慣例の戦争について情報提供を受けていたと!」

アンがメモを見ながら言う。

「ええ、両陛下がいらして、事前に説明を受けました。

 『慣例の戦争の最中に、魔王国内で違法奴隷商の一斉検挙と屋敷の家宅捜査するが、捕縛から逃れた奴等が居たらエルヴィス領側に越境して逃亡するかもしれないからよろしく』と言われた後に、迷惑料として参戦兵士数を教えてくれました。具体的にどう動くとかではなく、兵数だけでしたけどね。

 事実、越境しての逃亡もあったようですよ。

 今、エルヴィス家で対応中との事です。」

「ふむ・・・なるほど・・・」

アンが考える。

「タケオさん、つまりは・・・えーっと・・・『慣例の戦争』自体が魔王国に取ってはデムーロ国との戦争の一環であり、証拠固めの一斉検挙と家宅捜索を確実に実施する為の陽動だったという事なんですね?」

「まぁ、そうですね。

 ちなみに、奴隷商の一斉検挙に至った切掛は、私がゴドウィン伯爵領で奴隷の首輪をした子供達を発見して保護した事を、魔王国の国王陛下に連絡した事が始まりでしょうね。

 まぁ、あの手際の良さだと、そもそも(・・・・)デムーロ国とやり合う気だったのかもしれませんが。

 私が、一斉検挙に大義名分を与えた感じかもしれません。」

「ふむ・・・陛下(お爺さま)からは、魔王国がデムーロ国との戦争を気取らせない為に、アズパール王国に『慣例の戦争』を仕掛けたと聞いていましたが・・・魔王国がデムーロ国に宣戦布告する切掛がタケオさんだったのかぁ。」

エイミーが嘆息を漏らす。

「タケオさん、実際に『慣例の戦争』での魔王国の兵士数はどうだったのですか?」

アンが聞いてくる。

「教えて貰った通りの兵数でしたよ。

 まぁ、相手がどう動いて、私達がどう動いたかは割愛します。

 詳しくは、ゴドウィン伯爵が提出した報告書を読んでください。」

「はーい。」

アンが頷く。

「・・・ご主人様、戦争の準備が(・・・・・・)されていた(・・・・・)と感じた理由は?」

気になったのか、ジーナはメモする手を止め顔を上げて聞いてくる。

「うん、ヴィクターですね。」

「お父さまですか?」

「ええ、子供達を保護する前にヴィクターが魔王国陛下と会っています。

 あ、私が許可したので、勝手に行動した訳ではありませんよ?

 なので、あの時点から動いていたのかも・・・あ、でも、ブリアーニ王国でも拉致被害が多発していた時期だそうですからね。

 そっちが最初の理由かもしれませんね。

 まぁ、私の推測の域でしかありません。

 少なくとも魔王国とデムーロ国の戦争の話は、慣例の戦争の前には決定されていたのは事実ですよ。」

武雄が言う。

「そうですか。」

ジーナが頷く。


「で、タケオさんが魔王国に招待されて、デムーロ国で戦争の観戦をしたと。

 ついでに、新たな従業員を雇ってきた・・・スミス、タケオさんって国外に出張に行くと誰かしら雇用していない?」

エイミーが、スミスに問いかけた。

「あ、僕もそれは思っていました。

 でも、先例となったジーナがこうも凄いので、陛下や王城は『国の為になる』と判断して、タケオ様が異種族を雇用する事に制限がないんですよ。」

スミスが言う。

「事実、良い人材が多いのですよね。」

武雄が言う。

「うーん・・・そうかぁ。」

エイミーが考える。

「タケオさん、タケオさん達は魔王国軍に同行し、行った先の町々で偶々奴隷だった人達を見つけて、偶々雇用出来たから部下にしたと説明をしてましたけど、そんな簡単な話だったのですか?

 彼等が奴隷だったという事は、魔王国の民だったのかもしれませんし、良くアズパール王国(我が国)に連れてこれましたね。」

アンが聞いてくる。

「その辺は、魔王国とブリアーニ王国に身元を照会し、本人に雇用条件を説明して、本人の意思の元で私の部下にしています。

 ちゃんと手順を踏んで雇用しているので、強制的に連れて来てはいませんよ。」

「あぁ、其れなら安心ですね。」

アンが納得する。

「さて、ここまでは良いでしょうか。

 では、次にエルヴィス侯爵領内での作物や、輸入食品関係の話をしていきます。」

武雄は、次の話に進めるのだった。


精霊達のお茶会はというと。

「え?ハルワタートが来たの?」

チビアルが驚いている。

「ええ、デムーロ国で保護された精霊の契約者を、タケオが部下にしました。」

チビパナが言う。

「あれ?結局、2年後のエルヴィス侯爵領に居る精霊って、誰と誰?」

チビアトロポスが、首を傾げながら言う。

「私、コノハ、マリ、アル、ペイトー、アウクソー、パラス、アトロポス、ハルワタート、テト、ニオ、ウカ、ダキニですね。

 隣の領地、ゴドウィン家にはパンニューキス、第3皇子一家にはパイディアーとなります。」

チビパナが言う。

「ふぇ・・・なんか凄い事になりそうだね。」

チビアトロポスが言う。

「あ、パナ、クロートーとラケシスがアルマとレイラと契約するかもしれません。」

ペイトーが言ってくる。

「うん?・・・アルマとレイラに月経が戻りましたか?」

「はい、戻っています。」

「ふむ・・・タケオが用事を終えて、外出先から王都に戻ってきたら契約となるでしょうかね。

 マリ、スミスを経由してアルマとレイラに言って、それとなく準備をしてください。」

「わかった。

 武雄達が一旦王都に戻った時に、時間を空けるように言っておこう。」

チビマリが頷くのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
唯一神は来れないだろうにゃあ・・・。 どこかの神が「長期休暇みたいなもの」って言ってたから、ワンオペ教だと長期(半世紀単位)で抜けられないだろうし。
> つまりはタケオさんと(エルヴィス)お義爺さまは、慣例の戦争の内容を  > 事前に魔王国王陛下とブリアーニ王国女王陛下と会って聞いていたと?   世代交代してからは、    スミス & エイミー &…
運命の三女神が全員契約しちゃうーw(作品が違うのは重々承知w)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ