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第345話 魔法師専門学院へ。(臨時面接2。)

「さてと・・・話が大きく変わってしまいしたが、第4小隊についてはそんな話をエルヴィス家ではしています。

 なので今回は臨時で4名採用して試験運用をしてみようと考えているのです。

 ほら、来年はスミス坊ちゃんが王都にきますので、実家との往復での警護とかあると思っていますからね。」

「スミス様が・・・」

ケイが呟くとジーニーが頷く。

「で・・・えーっと・・・どこまで話しましたか?

 そうそう私の試験小隊ですね。

 ブロウズさん、ケードさんの内1名、そしてコーエンさん、アナタを採用したいのです。」

「「「え!?」」」

言われた3名が驚く。

「わ・・・私ですか!?

 その・・・第4小隊ではなく試験小隊に!?」

パメラが驚く。

「はい。・・・学院長、2名の採用をしてはダメなのですか?」

「いえ!私共は嬉しい限りです!」

トレーシーが頭を下げる。

「そ・・・その!キタミザト卿!質問を良いでしょうか?」

ジーニーが聞いてくる。

「どうぞどうぞ。」

「こう言っては何ですが・・・成績下位の者が王都守備隊と同格組織に入隊するのですか?」

「はい、そうなりますね。

 ・・・じゃあ、もっと衝撃的な事を言ってあげましょうか?」

「は・・・はい。」

ジーニーが頷く。

「誰か1人しか採用してはダメと言われたら・・・私はアナタ達2人よりこの子を採用したいです。」

「え・・・そんな・・・」

ケイが口に手を当てて驚く。ジーニーに至っては口を開けたままだ。

パメラは固まっている。

「確かにコーエンさんの成績は・・・座学は頑張っていますが、演習がダントツに悪いですね。

 でもあなた達より彼女が優れている点がありますね?」

「・・・魔力量・・・」

ジーニーが呟く。

「そうです。私はこの子の魔力量に惹かれました。

 魔力量が2500以上っていうのがね。

 学院長に確認したら魔力量はこの子が1番と言われましてね。

 何でも歴代の魔法師達を見ても上位だとか。」

「キタミザト卿。

 私は・・・魔法の発動に時間がかかっていて前線の魔法師には・・・戦力にはなれないのですが・・・」

「ふむ・・・そうですね。

 では、試験小隊の事をもう少し詳しく説明しましょうか。」

武雄は先ほど語った試験小隊のデメリットを説明し始めるのだった。

・・

「魔法適性の消滅・・・ですか・・・」

ジーニーが呟く。

武雄の説明を聞き終わった3人の顔から表情がなくなっていた。

「はい。

 試験をする際には、問題点の洗い出しをしてからしてもらいますが、絶対に安全と言う物はありません。

 常にリスクがあります。

 例えば市販されている何かしらの魔法がかかった武具も同じ危険はあるのです。

 ただ、それは長年の経験の蓄積で抑え込んでいるだけです。

 もし私の試験小隊にくるのならその覚悟が必要です。」

「・・・」

3人は頷く。

「この話はこの場だけとします。

 他言は禁止です。」

トレーシーが通告する。

「「「はい!」」」

「ブロウズさん、ケードさん。

 お2人とも試験小隊の入隊を拒否出来ます。

 その際は学院長経由で伝えてください。

 私とタケオ様で何とか魔法師小隊に入れさせますから。

 無理に入ってはいけませんよ?

 入るなら納得して入りなさい。」

アリスが朗らかに言う。

「「はい、アリス様。」」

ジーニーとケイが頷く。

「3人ともゆっくりと・・・考える時間はないでしょうが。

 熟慮してください。

 万が一の際・・・魔法適性がなくてもキタミザト卿はアナタ達を見放したりはしないと仰っています。

 ですが、魔法適性の消滅・・・自分の夢があるのでしょう。

 午前中の講義は休んで結構です。

 気持ちを落ち着けなさい。

 話は以上です。」

トレーシーが面接を終わらせる。

「「「はい!」」」

「失礼しました。」

3名は礼をして学院長室を退出してくのだった。


------------------------

学院長室を退出してどこへともなく3人が移動して。

「どうしよう!?」

パメラが頭を抱えてしゃがみ込む。

「いや・・・パメラ、アナタは悩むほどなの?」

ケイが呟く。

「はぁ・・・とりあえず、食堂に行きましょうか。」

ジーニーがため息交じりに提案する。

「そうね。」

「うん。」

3人は食堂を目指すのだった。


------------------------

武雄達は学院長室の椅子の配置を戻して歓談を継続している。

「キタミザト殿、どうでしたか?」

「面白い子達ですね。」

トレーシーの言葉に武雄が苦笑する。

「ブロウズは1500、ケードは1200・・・コーエンは2500かぁ。」

エイミーが資料を見ながら呟く。

「2500は凄いですね。

 数年に1度ぐらいしか魔力量2000を超える者はいないだろうに。」

アンダーセンが呟き、他の第三魔法分隊員も頷く。

「コーエンは魔力量が飛びぬけているのですが

 魔法の発動時間がどうしても人の倍以上かかってしまって・・・兵士としては微妙です。

 入学当初は相当期待されていたのですけどね・・・

 ちなみにアンダーセン、僕たちの最終はいくつだったか覚えているかい?」

トレーシーがアンダーセンに聞いてくる。

「お前が1600、俺が1500だ。」

「・・・第三魔法分隊長、アナタの最終成績は何位だったの?」

エイミーが聞いてくる。

「私が2位でトレーシーが1位です。

 ・・・なんで上位のお前が文官になっているのだか・・・」

アンダーセンが訝しがりながらトレーシーを見る。

「ふふふ、不思議だろう?

 でも教えないよ。」

トレーシーは苦笑する。

「はぁ・・・うちに来てくれるのでしょうか?」

アリスはため息交じりに言う。

「あの2名は来てくれるのでしょうから問題ないのではないですか?」

「いや、タケオ様。コーエンさんの事です。

 来なかったらどうするのですか?」

「別に・・・どうとも。

 来ないなら来ないで違う人を探せば良いのです。

 それに新人を獲得するのが私の目的ではないのです。

 魔力量が魅力的だったから声を掛けただけですし、覚悟があるのかの確認をしたかっただけですから。」

武雄は苦笑しながら答えるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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