第3508話 おや、アンとエリカが合流です。(アンがタイ捨流を習うの?)
王立学院で講義やボールドと話をした武雄とジーナ、ビエラと初雪は用を終え、玄関に到着していた。
「あ、タケオさんだ!
エリカさん、終わっちゃったみたいですね。」
「そうですね。
残念でしたね。」
アンとエリカが居た。
「2人して、どうしたのですか?」
武雄が、2人に問いかける。
「はい!タケオさんが王立学院で講義をしていると、精霊通信が回って来たので、私も聞きたいと思って来たんです。
1人では危ないと思って、エリカさんに付き添いを頼みました。」
「私も、タケオさんの講義が聞けるならと、割と急いで来たのですけど。
終わっちゃいましたね?アン殿下。」
「ですねー。」
エリカとアンが笑い合っている。
「間に合う気なかったでしょ?
誰かに許可を貰いましたか?」
武雄が苦笑する。
「オルコット宰相殿、アルマ殿下とレイラ殿下には許可を貰っています。」
「今、王城は帰宅する貴族達の挨拶で混雑しているので、暇な私達は王城を抜け出してきたのです。
アウクソーとペイトー殿も居ますし、タケオさん達と合流するなら護衛の心配も要らないと判断されました。」
エリカとアンが言う。
「第1皇子一家は、各貴族と挨拶をしないといけないのでは?」
武雄が、アンに質問する。
「父上と兄上だけで十分です。
嫁ぐのが決まっている私が居ても、無駄に気を使わせるだけでしょうからね。
エリカさんに聞いたのですけど、この後は魔法師専門学院に行くそうですね。
私も一緒に行きたいです!」
「何も面白い事はありませんよ?
エルヴィス侯爵に頼まれて、来年の募集について確認してくるだけです。」
「それは大事ですね!
領の求人なら、私も知っておかないといけない事ですよね!」
アンが言ってくる。
「まぁ、行きたいなら一緒に行きますか。
ミア、ビエラ、周辺の監視をお願いね。」
「「はーい。」」
ミアがポケットから顔を出し、ビエラと一緒に返事をする。
「なら、魔法師専門学院に向かいましょう。
あと精霊達全員、チビ化して契約者の肩に乗って、周辺監視よろしく。」
武雄が言うと各々の精霊が肩にチビ化して現れる。
武雄達は、王立学院を後にするのだった。
・・
・
武雄達は、魔法師専門学院にやって来ていた。
演習中の学生達を横目に、学院長室を目指している。
「・・・」
ジーナが、学生達の演習を見つめている。
「ジーナも魔法に憧れていますか?」
武雄が聞いてくる。
「はい、魔法に憧れが無いと言えば嘘になりますが、それよりも、ここ暫くご主人様の武器の訓練をしていない事の方が気になったので・・・。」
「近くに、訓練出来る場所が無かったですかね?」
「はい、それにマリ殿の剣術訓練と日々の仕事が忙しくて、纏まった時間を作る事が出来ませんでした。」
ジーナが言う。
「ふむ・・・ジーナ、休日は何をしていましたか?」
「本を読んでいました。」
ジーナが即答する。
「・・・パラス、実のところは?」
「ほ、本も読んでたけど、洗濯物をしたり、干したり、畳んだりして、スミスとマリの訓練受けてたね。
あ!王城の料理教室に行ったよ。
作ったのは、レイラに持って行かれちゃうけど!」
チビパラスがジーナの肩に
「ふむ、一応休日らしい行動もしていたようですね。」
武雄が言う。
「うん?タケオさん、以前のジーナは休日らしい行動をしていなかったのですか?」
「ええ、前に王城に来た際に指摘されましてね。
『しっかり休むように』と、言い付けておいたのです。
その確認ですね。」
武雄がアンに言う。
「ジーナ、休まないといけませんよ?」
アンがジーナに言う。
「ちゃんと休んでいるつもり・・・なんですけど。」
ジーナが苦笑する。
「アン殿下は休んでいますか?」
エリカがアンに聞く。
「大丈夫です!
2日勉強、1日料理、1日読書とヴァイオリンの練習です!」
「あら?運動していませんね。」
「運動ですか?
・・・散歩程度はしていましたが、王城に来てから体動かしていませんね。
運動かぁ。」
アンが考えながら呟く。
「アン殿下、スミス様と新しくお付きになったヴィートが、王都守備隊の訓練場で、剣術の訓練を週に3日してますよ。」
「ふむ。
ジーナもしていたやつですね?」
「はい、私は指導員免許を持っています。」
「おおー!流石、ジーナです。」
アンが感心する。
「私も王都に来てから学んだんですよ。」
「そうなんですね。
エリカさん、剣術は運動になりますか?」
「なりますね。
ですけど、スミス殿やヴィート殿のように本格的にする必要はありません。
剣技の基礎を習うだけで十分かと思います。
それだけでも結構な運動ですよ!
スミス殿の精霊のマリ殿なら、しっかりとした基礎をお教えくださると思いますね。」
エリカが言う。
「なるほど・・・今度参加してみます。」
アンが頷く。
「アンも剣技するんだね。」
ビエラが聞いてくる。
「ビエラ殿もですか?」
「うん。
上から振るのを何回もするようにって言われてるよー。
伯爵・・・侯爵に『基本が一番大事』って言われたから真面目に素振りしてる。」
「そうなんですね。」
「そうそう。」
武雄達は、のんびりと学院長室に向かうのだった。
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