第3503話 440日目 今日の予定の確認。(アリスの元に武雄の会談内容が届いています。)
第八兵舎内の食堂。
武雄とエリカ、試験小隊の面々は朝食を取っていた。
「で、マイヤーさん、昨日は王都守備隊のお手伝いに行ったんすよね。どうでした?」
武雄がマイヤーに聞く。
「我々は監視の手伝いのみでした。
報告は、王都守備隊総長にしてあります。
手伝ってくれた分の賃金は支払うと言われました。
まぁ・・・王都守備隊や第1騎士団、警備局は、その後も何か動いていましたが・・・そっちの話に首を突っ込む気はないので、気になるのでしたら所長が直にお聞きください。」
「・・・どうせ碌でもない事なのですから、聞きません。
エルヴィス家や魔王国側の貴族領に関する事なら、訊かずとも報告がくるでしょうから、何も無いという事は直接関係がないのでしょう。
気にせず、行動します。」
武雄が言う。
「そうですね。
私達は、手分けして明日からの出張の準備をします。
買い出しにも行きますが、何か必要な物はありますか?」
マイヤーが尋ねる。
「食材は、野菜多め、シイタケなんかのキノコ類も多めで。
それと、リツが幼獣化出来るようになっていますので、食器の準備をお願いします。
後は、リツにお土産でワインの中樽を・・・私のリュックに入る程度の数で、多めに買ってきてください。」
「わかりました。
他には・・・ミア殿は、フルーツ系がお好きでしたよね。
ビエラ殿は、何かご希望はありますか?」
「んー???美味しい物!お菓子が良い!」
「わかりました。
お菓子ですね。
エリカ殿は?」
「うーん・・・久々にタケオさんとの遠出ですけど・・・
多分、食事は美味しい物が多いと思うので・・・あ、お茶を切らさないようにしたいと思います。」
「わかりました。
茶葉ですね。」
「エルヴィス家に行けば麦茶が主になりますから、エリカに慣れさせる為にライ麦を購入しておいてください。」
チビパナが、実体化して注文を付けてくる。
「ならば、毎朝と毎昼に麦茶を作って、水筒にご用意します。」
ジーナが言う。
「あ、それなら、茶葉は必要ありません。」
エリカが言う。
「あ、そう言えば、ガミジンさんに頼まれていた土産の茶葉が必要でした。
マイヤーさん、銘柄を変えて最高級の茶葉を幾つか見繕っておいてください。
ある意味、店内の買い占めも可です。」
武雄が言う。
「わかりました。」
マイヤーが頷く。
「資金として金貨20枚渡しておきますね。」
「そんなに要りませんよ。」
「足りないよりかは良いでしょうし、ワインと茶葉は買えるだけ買ってきてください。
どちらもお土産なので、余っても何処かに使い所はあります。」
「わかりました。
出来るだけ多く買ってきましょう。」
マイヤーが頷く。
「お、キタミザト殿達は朝食を終えましたか。」
王都守備隊総長や分隊長達がやってくる。
「あれ?総長も食堂で朝食ですか?」
武雄が聞く。
「今日は夜勤だったので、これを食べたら仮眠しますよ。
隊の主力はこの後、仮眠に入ります。」
「夜勤お疲れ様です。
成果の程は?」
「そうですね・・・ま、狙い通りという感じでしょうか。
全体から見れば未だ道半ばなので、全ての結果が出るのは当分先ですね。」
総長が言う。
「そうですか・・・狙い通りの成果が出れば良いですね。」
「まぁ・・・そうですね。
キタミザト殿は今日は?」
「私とジーナ、ビエラ、初雪は王立学院と魔法師専門学院に。
エリカは、第3皇子一家の仕事に。
マイヤーさんと試験小隊は、街中に買い出しに。
明日から、王都西とレッドドラゴンの所に行ってきますからね。」
「あ、そうでしたね。
明日からでしたか。
その辺の話も戻ったら聞かせてください。
それと・・・王城の玄関付近は帰領する貴族で混み合いますので、迂回した方が良いでしょうね。」
総長が言う。
「ご助言、ありがとうございます。」
「いえ、では、私達も朝食にします。
失礼。」
総長達が朝食を取りに行く。
「・・・マイヤーさん、なーんか王城もしているみたいですね。」
「それはそうですよ。
寧ろ、するのが当たり前だと思いますけどね?」
マイヤーが言う。
「ふむ・・・・・・外交局辺りが頑張っているのか。」
武雄が呟くのだった。
------------------------
エルヴィス侯爵邸の客間。
エルヴィス爺さんとアリスが、雑談をしていた。
「昨日、ビエラ殿が持って来た手紙に『東町の観光開発計画に携わる人材募集を、王城のメイド達にする』と
書いてあったが、あれはなんじゃろうの?」
「タケオ様の手紙に『キタミザト家が雇用して、観光開発の計画が進んだら、将来的にはキタミザト家が経営する宿に勤務する』とありましたけど、宿の話は難しいからとヴィクターに却下されたと思っていましたが・・・復活したんですかね?」
エルヴィス爺さんとアリスが話している。
「うーむ・・・よくわからんが、王城からベテランのメイドが来てくれるというのであれば、我が家でメイド達に講師をして欲しいの。」
「そうですね。
とはいえ、タケオさんから来た手紙は見ましたが、各局長やメイド方との打ち合わせの報告書類は、全部読めてないんですよね・・・
お爺様、先に私が読もうと思っているのですが、その・・・時間の方は、よろしいでしょうか?」
「ふむ・・・アリスが読んで、自分の考えを纏める時間も必要じゃの。
その後にヴィクターで、最後にわしに回ってくるとなると・・・明日の朝までにヴィクターへ回せるなら問題無いの。
たぶん、そうすれば、明後日にはわしも報告書を読めるじゃろう。
で、3人が報告書を読んで、意見を出し合って・・・タケオが帰ってくるまでには大まかな方針は決められるじゃろう。」
エルヴィス爺さんが言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




