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第3491話 ヴァレーリとブリアーニの雑談。(侯爵就任の知らせが届いたよ。)

ブリアーニ王国 王城(旧ファロン子爵邸)の女王執務室。

ブリアーニとヴァレーリ、アンナローロがメイドと共に入ってくる。


「待たせたようで、すみません。」

ブリアーニが、リーザに詫びる。

「ぎゅ!」

リーザが、ソファに座りながら挨拶する。

「リーザ、アリス殿のお使いご苦労だったな。

 何を持って来たんだ?」

ヴァレーリがリーザに聞く。

「ぎゅ!」

「両陛下、こちらがリーザ殿がお持ちになった手紙になります。」

メイドが、ブリアーニとヴァレーリの前に手紙を置く。

「では・・・」

「失礼する・・・」

2人が手紙を持ち上げ、中身を確認する。

「・・・ふむ、キタミザト殿が子爵から侯爵に予定通り陞爵したのは良い。

 前に連絡があったからな。

 だが、エルヴィス殿も緊急に陞爵か。

 あ、アリス殿から理由が書かれているか。

 慣例の戦争での功績に加え、113年ぶりの領土拡大をした事により・・・か。

 カールラ、キタミザト殿の思惑通りに進んだらしい。」

ヴァレーリがブリアーニに言う。

「そのようですね。

 まぁ・・・アズパール王国(向こう)では、此方からの突然の通告に対して、緊急の対処として対案を提示し、交渉の結果として領土を拡大せしめたという事で話が通っているのでしょう。」

カールラが言う。

「だな。

 国王や高位文官としたら、慣例の戦争とはいえ、倍近い敵兵と相まみえ早期に停戦に持ち込み、突然の通告に即座に切り返し、条件付きではあるが無血で領土を拡大させた。

 まぁ、事実としては此方が通告した訳ではなく、エルヴィス殿から提案されたのだが、交渉で領土拡大を成しえたわけだから、交渉でという部分は間違いないか。」

ヴァレーリが言う。

「アリス殿から『ブリアーニ王国と魔王国が、当方の提案に賛同して頂いた事で成し遂げられた陞爵です。感謝申し上げます。』とありますね。」

「うん、こっちにも謝意が書かれている。

 まったく・・・こっちにあれだけの利益を渡している時点で当主としての器量が凄いのだがな。

 あれだけの条件を提示をされて、断れるわけないのに。」

「だよね。

 でも、確かにあの交渉を切り出したのがエルヴィス殿だからね。

 間違いはないね。

 空白地帯の件も了承されたと。」

「うむ、これで本格的に動けるな。

 カールラ、第3軍との調整は始めているのか?」

「うん、補佐官が来てくれているよ。

 事前打ち合わせとか、関までの移動経路や行程の確認をしていると聞いているわ。

 アズパール王国が了承したのなら、もう少し動くね。」

「あぁ、お願いする。

 まぁ、その辺は担当達に任せるしかないな。」

「そうだね。

 関の増築関係に目途が立ったら、私が視察しに行こうと思っているわ。」

「危ない事をするなぁ。」

「前線になる場所だからね。

 兵士達に気合を入れさせる為には必要よ。」

「そうか・・・ならば、我とカストも行くか。

 そうすれば、現地の者達が、あの地の重要性を認識するだろうしな。」

ヴァレーリが考えながら言う。

「行かなくても説明だけで重要性はわかると思うけど?」

「そうか?

 まぁ、それは追々考えて行こう。

 今は・・・エルヴィス殿が侯爵に無事になったという事についてだな。

 キタミザト殿が、アズパール王国で授与式に行って、この件の説明をしたから陞爵したんだろうなぁ。」

「だね。

 キタミザト殿の説明が効いたんだろうね。」

「壮絶に効いたんだろうな。

 ・・・我らも聞かされた時は驚いたが、アズパール王はどう反応したんだろうな?」

「どうだろうね・・・私達には利があったのは確かだけど、アズパール王国としては微妙な内容になっているよね。

 ま、了承されたという事は大丈夫って事だね。」

「そうだな。

 今度、キタミザト殿に会いに行った際にその辺の話を聞くことにしよう。」

「だね。

 で・・・んー・・・ダニエラ、エルヴィス殿とキタミザト殿の陞爵祝いどうする?」

「そうだなぁ・・・キタミザト殿は金貨か第6軍管轄領の海産物が喜ばれるが・・・

 カールラは何する?」

「うーん・・・・・・ダニエラ、海産物の費用を半分持つから一緒に出さない?」

「わかった。

 個人としての贈り物だからな、それにしよう。」

「ありがとう。

 キタミザト殿は、それで良いとして・・・エルヴィス殿の方が迷うわ。」

「んー・・・そうなんだよな。

 キタミザト殿の好みは把握してるが、エルヴィス殿に贈る物かぁ・・・次期当主の時に送った物以外だよなぁ・・・武具は贈った、コショウもキタミザト殿に贈った事あるし・・・」

「・・・エルヴィス領の方が、特産品多いんだよなぁ・・・」

ブリアーニも考えるが出てこない。

「鉄鋼材にするか。」

「えぇっ!?流石にそれはないでしょう!?」

ヴァレーリの言葉にブリアーニが言う。

「あ!」

「何か思いついたの?」

ブリアーニがヴァレーリに聞く。

「我は生地を送る事にする。

 前に、キタミザト殿宛にエルヴィス殿の孫の婚約者発表の際に生地を送ったからな。

 今回は、エルヴィス殿に刺繡が綺麗な布を贈る事にする。

 アンナローロ、手配できそうか?」

ヴァレーリが言う。

「王城に戻り次第、見繕っておきます。」

アンナローロが言う。

「ダニエラの方は決まったか、良いなぁ。

 何贈ろうかなぁ。」

ブリアーニが考えるのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
エルヴィスじい様の好みはシモーナさんに聞いたらわかるかもね~長年文通して少々買い物もしてたみたいだしね
> エルヴィス殿に刺繡が綺麗な布を贈る事にする。   前に贈った、物にも、刺繍がありましたよね    前回と今回の刺繍の模様は ”対” の刻印:魔法陣で、なんてことは?    揃った瞬間に、武雄 は…
有能同士のツーカーが気持ちいいね
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