第3488話 授与式後。(武雄はアルマとレイラとエイミーとお茶をする事にしました。)
第3皇子一家の執務室。
アルマとレイラ、エイミーにアン、武雄にエリカが居た。
ゴドウィンとテンプルとスミスは、先の慣例の戦争の慰労を兼ねた王家主催の食事会に3人の皇子から招かれていた。
「タケオさん、慰労を兼ねた王家の食事会に行かなくて良かったの?」
レイラが聞いてくる。
「私は第二研究所として参加し、陛下からの命令に従って領主達に適切な助言をし、戦闘の支援を行っただけです。
辺境の3伯爵家が戦争への派兵と指揮をしたのですから、労われるのは彼等だけで良いでしょう。
まぁ、スミス坊っちゃんは代理なので、戦争の話でも聞いて勉強してくれば良いでしょう。」
武雄が言う。
「そういうもの?」
レイラが聞く。
「はい、私は伯爵達に助言をして、許される範囲で自由に動いていただけです。
直属の上司である陛下とも話は済んでいますし、評価は・・・まぁ、このように陞爵もしましたしね。」
武雄が言う。
「で・・・タケオさん、ご苦労様。
お付きの控室の件は、エイミーから逐一報告を聞いていたわよ。
たぶん、ウィリアム達からもゴドウィン伯爵に謝罪が入ると思うわ。
アルダーソン子爵の方は、王家専属魔法師殿が対応すると言っていたかな?
確か、王家専属魔法師殿がタケオさんの同期とお茶をするとも言っていましたし。」
アルマが言う。
「既に当主間で示談が成立しているので、私から蒸し返す事はありませんよ。」
武雄が言う。
「それにしても、3家合わせて結構な金額になっていたけど、何故あそこまで追い込んだの?
タケオさんにしては、随分とふっかけた印象を受けたんだけど?」
レイラが聞いてくる。
「実は・・・もっと値切られるかと思っていました。
どんな言い訳をするか興味があったので、先ずは高値を提示したのですが・・・想定より向こうの値下げ交渉が小幅だったので・・・そのまま・・・
まさか、1回しか値下げを要求してこないとは思いませんでした。」
武雄が、思い出しながら言う。
「タケオさん的には、もっと低くても良かったの?」
「高くしてくれる分には幾らでもとは思っていましたが・・・まぁ、彼方の言い訳に納得したら、もっと少なくても頷いていたかもしれませんね。」
武雄が言う。
「そう、まぁ、結果は結構な金額で妥結したということね。
貰ったお金、何に使うの?」
レイラが言う。
「起きた事が事だけに、うちで雇用している異種族の者達への注意喚起をした上で、先ずは働く皆さんへの慰労という形で福利厚生に繋がる施設の設置をしますかね。
その後は未定です。」
武雄が考えながら言う。
「聞いた限りだと、まともね。」
アルマが言う。
「・・・まぁ、変な事には使いませんよ。」
「「そっかぁ〜。」」
何故か、アルマとレイラが残念そうに言う。
扉がノックされ、アルマが許可をするとジーナとドネリーが入ってくる。
「失礼します。
遅れて申し訳ありません。
ヴィートとコンティーニ様を送り届けてきました。」
ジーナが言うとドネリーも頭を下げる。
「主とお付きが別行動でしたから致し方ないですよ。
お疲れ様。」
武雄が言う。
「ジーナ達にも苦労をかけてすみませんね。
まさか、お付きの控室で問題が発生するとは思いもしませんでした。」
アルマが言う。
「いえ、こういった事態が起きる可能性と対処を言い含められていましたので、しっかりと対応出来ました。」
ジーナが言う。
「そっかぁ、言われていたのかぁ。」
レイラが苦笑しながら言う。
「ご主人様に教えて頂いた文言も使えました。」
ジーナが言ってくる。
「・・・使ったの?」
「はい、適時。」
「そう・・ですか。
使えたのなら良いです。」
武雄が頷く。
「ジーナ様の見事な煽り、感動しました。
相手の心を折り、戦意を挫く。
煽りのお手本のようなやり取りでした。」
ドネリーが言う。
「・・・ドネリー様、それは褒められているのでしょうか?」
ジーナがドネリーに聞く。
「はい、褒めています。
丁寧な言葉遣いなのに内容は辛辣。
魔眼での威圧も素晴らしかったです。
見ているだけでしたので、凄く楽しかったですよ?」
ドネリーが言う。
「はぁ・・・楽しまれたのなら良かったです。」
ジーナが呆れながら言う。
「タケオさん、何が動いているのですか?」
エイミーが聞いてくる。
「・・・さぁ?なんでしょうね?
私も『何かされるかも』と思って気を付けていますが、私には今の所仕掛けてこないですね。
当面は『気を付けておく』としか言えませんね。」
武雄が首を傾げる。
「タケオさん、本当に知らないのですか?」
「むしろ、陛下の事なので、エイミー殿下には話していそうなんですが?」
「私は・・・何も言われていません。
まさか、エルヴィス家が陞爵するとは・・・陞爵する理由の説明もありませんでした。
なので、何か急な事態が起こったのだろうと思いました。」
「かもしれませんね。」
「エルヴィス家の陞爵、異種族で奴隷の首輪をしたお付きへの暴言事案と、其処に乗り込んでさっさと片付けたタケオさんの手際・・タケオさんが何か仕掛けているのかと思っていたのですけど。」
エイミーが考えながら言う。
「私は、大事にして長引かせるよりさっさと終わらせたかったので、金銭で示談にしたただけですよ。」
「うーん・・・今、王城で何が起こっているのかわからないです。」
「そうですね。
諸々が終わったら、陛下が教えてくれるでしょう。
それまで待っていましょうか。」
武雄が言うのだった。
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