第3487話 授与式。(追加発表があったようです。)
王城の大広間にて、厳かに爵位授与式が行われていた。
王家の面々、各貴族家の当主か代理、王城の文官を代表して各局長が出席をしていた。
壇上にはアズパール王がおり、新任貴族2名と降爵貴族2名、陞爵貴族7名が1人ずつ呼ばれて爵位授与が行われた。
そして、新貴族代表の宣誓が終わっていた。
「アズパール国王、訓示。」
オルコットが、催事を進行をしている。
「うむ。
今回、新たに2名の貴族が叙爵され、誠に嬉しい限りだ。
陞爵、降爵も実施したが、働きに見合った爵位に直させて貰っている。
陞爵した者は驕らず、降爵した者は挽回できるよう職務に励むことを望む。
昨年の授与式にも言ったが、これからの王国繁栄は偏にお主らにかかっていると言っても過言ではないだろう。
自身が、この場で宣誓をした内容を今一度思い起こし、初心にかえり、職務を遂行することを願い訓示とする。
本日は誠に喜ばしい日だ。」
アズパール王とオルコットを除いたその場の全員が最敬礼をし、
「「「アズパール王に忠誠を!アズパール王国に繁栄を!」」」
と唱和する。
「陛下が退出されます。」
アズパール王はゆっくりとした歩調で退出する。
・・
・
「以上を持って授与式を終わります。
この後、新たに貴族に成られた方々は各自昼食を取って頂き、午後はこの場で合同の貴族研修を実施いたします。
総員解散。」
皆が席を立ち、大広間を後にし始めるのだった。
「あぁーー・・・終わったねぇ。」
武雄が軽く伸びをしながら言う。
「タケオ様・・聞いていませんが?」
隣にいるスミスがジト目で武雄に聞いてくる。
「ねぇ?エルヴィス侯爵代理殿?」
武雄がスミスに言う。
「カトランダ帝国側の貴族が1名陞爵、ウィリプ連合国側の貴族が1名陞爵、研究所所長が2人が陞爵。
貴族会議から1名が陞爵、新領主のバビントン殿が陞爵の計6名だったのでは?」
スミスが聞いてくる。
「私もそう通達されていますよ?」
武雄が言う。
「うぅ・・・侯爵ってなんですか?
タケオ様がなるものでしょう??なんでお爺さまもなるんですか??」
スミスが泣きそうな顔をする。
「まぁ・・・王城が決めた事ですよ。」
「タケオ様、理由は知っていますか?」
「ええ、思い当たる事はありますね。
あとで陛下にでも聞いてみなさい。
それよりも、侯爵発表の時のエイミー殿下の驚いた顔が、面白かったですけどね。」
「僕だって驚きましたし、ほとんどの貴族が驚いていたのではないですか?
というより、皇子家も知らない陞爵なんてあるのですね。」
「ん~・・・急に決めたのではないですか?」
武雄が首を傾げる。
「タケオさん、スミス殿、とりあえず、第3皇子一家の執務室に行きましょう。」
エリカが言ってくる。
「そうですね。
お茶をしながらスミス坊ちゃんの愚痴を聞きますか。」
「うーん・・・わかりました。」
スミスが頷き、武雄達が移動をするのだった。
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エルヴィス侯爵邸の客間。
エルヴィス爺さん、アリス、フレデリック、ヴィクター、リーザとクゥ、夕霧が揃っており、封密命令を開封し、中の書類をアリスが読んでいた。
「以上により、エリオット・ヘンリー・エルヴィスを侯爵に叙する。
陛下代理 キタミザト侯爵夫人アリス。」
アリスが書類を読み終え、書類を膝に置く。
「お爺様、陞爵です。」
「「おめでとうございます、侯爵様。」」
フレデリックとヴィクターが言う。
「ぎゅ!」
「きゅ!」
リーザとクゥも両手を挙げて祝う。
「うむ、ありがとう。
・・・なってしまったの。」
エルヴィス爺さんがゆっくり頷く。
「侯爵です、お爺さま。」
アリスが再び言う。
「うむ、そうじゃの。
アリス、書類を。」
エルヴィス爺さんがアリスから書類を受け取る。
「・・・他に何も書いていないの。」
エルヴィス爺さんが書面の表裏を確認しながら呟く。
「即時、領内に通達、発表致します。」
フレデリックが言う。
「うむ、頼む。
領民への発表は明日の朝一とする。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「リーザちゃん、お手紙書くからブリアーニ殿とヴァレーリ殿に持って行って貰えますか?」
「ぎゅー。」
リーザが頷く。
「アリス様、ブリアーニ王国と魔王国向けの手紙は私が作成します。」
ヴィクターが言う。
「はい、お願いします。
お爺さま、手配関係は以上でしょうか?」
「うむ、フレデリック、ロバート達は王城で聞いているだろうが、両家に伝達をしておいてくれるかの?」
「はい、手配致します。」
フレデリックが頷く。
「それと・・・昼過ぎに屋敷の皆にわしの口から伝えるから広間に集めてくれるかの。
明日は街中が慌ただしくなるじゃろうからの。
多めの買い出しとローにこの事を伝えなくてはの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「畏まりました。」
フレデリックが頷くのだった。
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