第3485話 交渉やその後の調印も終わりましたよ。(さて、皆さんの感想は?)
王家一同の控室。
クリフとアン、ニールとエイミー、ウィリアムとアルマ、レイラが居て、貴族達の控室に行く準備をしていた。
「賠償金額は、金貨7200枚で合意したようです。
父上、どうします?」
エイミーがニールに聞く。
「・・・どうもこうも・・・タケオ達がそれで合意したというのなら、後はこっちで小言を言うしかあるまい。
少なくともジーナと一緒にしておけぬから、アドラムの息子はお付きの控室から退去させ、部屋で謹慎でもさせるしかないだろうし、アドラム自身がそうするだろう。」
ニールが言う。
「ふむ・・・財政局が間に入るか。
王城は、どう動くのか・・・後で、父上に聞くしかないか。
さて、示談の合意が出来たという事なら、そろそろ私達も貴族控室に顔を出すか。
皆、準備はいいか?いつでも行けるようにしてくれ。」
クリフが皆に言うのだった。
------------------------
貴族達の控室。
スミスとエリカが、テンプル、バッセル、ボールドと話をしていた。
「スミス殿の言う年度末試験というのは、大変なのですか?」
エリカが聞いてくる。
「日頃からしっかり復習していれば、問題ない筈です。
スミス殿の心配はしておりません。
寄宿舎の中に、成績の心配な者が2名程おりますが・・・」
ボールドが言う。
「ボールド殿のご子息と、アルダーソン殿のご子息ですね?」
エリカが苦笑しながら言う。
「ええ、困ったものです。
日頃の試験でもあまり良い成績が取れていないので・・・満点を取れとは言いませんが、親としてはもう少し点を取って欲しいと思いますね。」
ボールドが言う。
「スミス殿、現実問題としてボールド殿のご子息殿の勉強の方は?」
エリカが、スミスに質問する。
「えーっと・・・ボールド殿の息子カイルと、アルダーソン殿の息子イーデンですが・・・あー・・・あー・・・2人とも試験勉強を頑張っているのは知っています。」
スミスが頑張って、言葉を選びながら言う。
「スミス殿、お気遣いありがとうございます。
そこまで言葉が出ない程なんですね。」
ボールドが悲しい顔をしながら言う。
「まぁ、他に楽しい事が多いのでしょう。
そういう経験も大事ですし。」
エリカが言う。
「エリカ殿、ありがとうございます。」
ボールドが礼を言う。
と扉が開き、武雄達が帰ってくる。
「ただいま。」
武雄がそう言いながら席に座り、ゴドウィンも座る。
アルダーソンは、先程まで一緒に居た同期達の席に戻った。
「「「おかえりなさい。」」」
エリカ達が声をかける。
「では、私達も同期達の席に戻ります。
歓談、ありがとうございました。」
「失礼します。」
ボールドとバッセルが席を立ち、同期達のもとに戻っていく。
「タケオさん達が出て行った後、アドラム子爵殿も急いで向かったようですが。
一緒に戻ってきませんでしたね。」
エリカが武雄に聞く。
「ええ、アドラム殿は財政局と少々打ち合わせをしています。
もうすぐ戻ってくるでしょう。」
武雄が言う。
「で、2人とも平穏無事に終わったので?」
テンプルが聞いてくる。
「はい、終始和やかに。」
武雄がにこやかに言う。
「な、和やか?・・・うーん、まぁ、罵詈雑言が飛び交ってはいなかったから、和やかか?」
ゴドウィンが首を傾げる。
「えーっと、なんで2人のお話しが食い違っているのでしょうかね?
ゴドウィン殿、どうでしたか?」
「俺は、タケオとその関係者にちょっかいを出さないと心の中で誓った。」
ゴドウィンが真顔で言う。
「あはは・・・タケオさん、何したんですか?」
エリカが知らない体で聞いてくる。
「交渉をしただけですよ。
ね、ゴドウィンさん。」
「うーん・・・たしかに、そうなんだが。」
タケオの問いかけに、ゴドウィンが納得出来ない顔をする。
「とりあえず、当事者間で示談の合意が出来たので、この件は終わりです。」
武雄が言うのだった。
------------------------
アズパール王の執務室。
アズパール王とオルコット宰相が、財政局長から報告を受けていた。
「はぁ・・・そうか、金銭で決着させたか。
・・・8年分か・・・支払いが遅延、もしくは停止したら財産の差し押さえか?」
アズパール王が言う。
「賠償金を使って・・・町の改造に着手ですかね。
財政局長、借金の返済は何年で?」
オルコットが考えながら言う。
「実は・・・『4年で』と言われました。」
「「・・・」」
アズパール王とオルコットが考える。
「書類の署名後に確認したのですが、アドラム子爵領の過去の収支報告から見れば、色々とやり繰りすれば4年での返済も可能でしょう。
ですが・・・担当者になんの確認もせず、我々と交渉が出来る程に領の財務状況を詳細に把握しているのは少々、不自然ではあります。」
財政局長が言う。
「・・・ふむ、大きな臨時支出を賄える財源があるという事だな?」
アズパール王が財政局長に聞く。
「はい、少々、無理がある即決だったかと。
調査が必要かもしれません。」
財政局長が言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




