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第3474話 メイドさんはどうやって採用されているの?(東町の宿を作ると繁盛しそうだ。)

「そもそも、王城のメイドさんはどの様に採用しているのですか?」

武雄がメイド長に尋ねる。

「王城のメイド採用では、先ずは体力測定と筆記試験、合格者に面接ですね。

 推薦状があれば考慮はしますが、最終的には面接での態度を見て判断する部分が大きいですね。」

メイド長が言う。

「身辺調査もしますよね?」

「はい、受験者の素行や借金、家族構成や交友関係も調査しますね。

 仕事柄、国政の決定者に近しい所で動きますので、不穏分子や危険因子は排除しなければなりません。」

メイド長が言う。

「例外として、王家からの推薦がある場合は面接のみで合否を判断します。」

他のメイドが言う。

「キタミザト家のメイド採用はどの様に・・・あー、かなり特殊な雇用形態でしたね。」

また違うメイドが難しい顔をする。

「行く当てのない方や、奴隷などの激しい境遇に置かれた方達を採用していますね。

 まぁ、私の我儘です。

 全ては無理ですが、救える命は救いたいというね。

 今の所、皆、真面目に働いてくれていますし、成長もしています。

 私としては満足です。」

「はい、弱者を救済するキタミザト様の姿勢は、多くの為政者が見習わないといけません。」

「あ、ちなみに、採用した奴隷の方々の出身国がわかっている場合は、当面の雇用と将来の解放について、彼方の国の了承を得ています。」

「それは良い事ですね。」

メイドが頷く。


扉がノックされ、メイド長が入室の許可を出す。すると、シーツに包んだ荷物を背負ったジーナがビエラと一緒に入ってくる。

「失礼します。

 ご主人様、ビエラが運んできた書類を総監局に提出してきました。」

ジーナが報告する。

「はい、ご苦労様です。

 ビエラ、久しぶりですね。」

「だねー。

 スミス達と西側行ってきたよ。

 それなりに美味しかった。」

ビエラが言ってくる。

「うん、ビエラも随分とエルヴィス伯爵邸に馴染みましたね。

 普通なら、とても美味しい料理ばかり食べて来た筈でしょうに。」

武雄が苦笑する。

「料理は豪勢だったけど、何か味が足らなかった感じー。

 あ、でも、クリフの所の料理の方が味良かったかも。

 ウスターソースかな?」

「それも理由の1つでしょうね。

 第2皇子一家と第1皇子一家の料理は殆ど同じ調理方法なのでしょうが、第1皇子一家はウスターソースを使っている分、味に違いが出たのかもしれませんね。

 ま、その件は、また後で話しましょうね。」

武雄がビエラに言う。

「はーい。

 で、このメイド達が王城のトップなの?」

ビエラが、室内のメイド達を見まわしながら言う。

「トップ??・・・えーっと、確かにメイド長殿が居ますが。」

武雄が、メイド長を見ながら首を傾げる。

「はい、ビエラ殿、ここに居るメイド達は王城の各所で働くメイドを管理し統括する立場の者達が大半で、私がその総元締めとなる立場です。

 王城メイドの中では上層部と言っても良いでしょう。」

メイド長がにこやかに言う。

「そうなんだねー。

 うん、ルフィナ達と違って、落ち着いているね!」

ビエラが言う。

「いや、キタミザト家(うち)の子供達と比べたら王城メイドの方々に失礼でしょう。

 未経験から研修と実践を通して学んでいるのですから、まだまだ未熟なのは致し方ないですよ。」

「そなの?

 ふーん・・・ジーナは?」

「私も、この方々の足元にも及びません。」

ジーナが即答する。

「そうなんだね。」

ビエラが頷く。

「ご主人様、このシーツの包を大袋に収納しておいて貰えませんか?」

「良いですよ。」

武雄がリュックを広げ、ジーナが持っていたシーツを入れる。

「それで、何の話しをされていたのですか?」

ジーナが武雄に質問する。

「いえ、王城メイドの採用方法とか、結婚退職後の再就職についてとか、雑談です。」

「再就職?・・・引く手あまただと思いますが・・・」

ジーナが首を傾げながら言う。

「違うらしいですよ?

 まぁ、もしキタミザト家に来たら、エルヴィス伯爵領の東町で高級宿をして欲しいとは誘ってみましたけど。

 ご家族や旦那様とも話し合わないと何とも言えないし、エルヴィス伯爵領は田舎なのでね。

 不便な事もあるので、覚悟がないといけないという話で終わっています。」

武雄が言う。

「あー、以前キティ様の面接の際にも言っていましたね。

 その後、何か動きがありましたか?」

「うーん・・・動きといえば、領地異動でエルヴィス伯爵領の隣国がブリアーニ王国に変わって、魔王国に新しい王軍が創設されたぐらいですよ。

 最初、東町を国内向けの観光拠点にしようと考えていましたが、ブリアーニ王国や魔王国側からもお客さんが来てくれたらいいなぁと思っています。

 それよりも、先ずは保養地として整備して、人を呼べる観光の町として開発する必要がありますけどね。」

武雄が言う。

「そうですね。富裕層の方をお迎えするのに高級宿は必要でしょうね。」

ジーナが考えながら言う。

「ええ、そこで、王城のメイドさんで地方に来てくれる方が居れば、高級宿で働いて貰おうと思うんです。そうすれば、王城メイドの経験を活かせるので高級宿の名に恥じないサービスが提供出来ると思うんです。

 ついでに、エルヴィス伯爵にお願いして、伯爵家で鍛えた料理人を派遣すれば食事も満足してくれるでしょうね。」

武雄が言うと。

「「「エルヴィス家の料理!」」」

数名のメイドが、期待に顔を輝かせる。

「あ、そうか。

 王城の料理長にもレシピ売っていましたっけ。

 あれらを提供する高級宿を、東町に作りたいなぁと。

 キタミザト家直営の宿ですが・・・ジーナ、お客さん来てくれますかね?」

「料理の噂が広まれば、それなりに繫盛しそうです。」

ジーナが頷くのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
賄いでキタミザト家の料理が食べれる可能性があるだけでメイドさんが一杯手を上げそう(笑) そうじゃなくてもホテルで食事が出来るなら月に一度くらいのご褒美でホテルで食事をしても良いだろうしね(従業員割引と…
飯の顔しやがって……w
昨日の更新の後の、メイドの控室の様子が、どうにも気になります。  メイド長が、王城のメイド長の座を、後進に譲り、   いち からの立ち上げで、苦労すると分かっている、   エルヴィス領 東町の 高級…
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