第3471話 夜用と子供用のおむつの話をしよう。(王城では両方欲しいようです。)
武雄達とメイド方の歓談は、武雄がメイドの質問に答えたり、逆に武雄が質問したりという質問形式で進められている。
今はナプキンの話をしていた。
武雄は、履くタイプのナプキンの開発をしている事を話している。
もちろん、吸水性ポリマーの研究をしているなんて事までは言わないが、ラルフが試作品作りをしているのは事実なので、研究中であるとだけ説明していた。
「キタミザト様、その夜用ナプキンの研究は、製品になりそうですか?」
とあるメイドが聞いてくる。
「うーん・・・製品化の目途は立っていませんね。
それに、この夜用ナプキンの技術を子供用の使い捨てオムツに転用出来ないか考えているので・・・夜用ナプキンの製品化は、もう少し先ですかね?」
武雄が考えながら言う。
「子供用の使い捨てオムツですか?
・・・そういえば、キタミザト様の正室のアリス様は身籠られていましたね。」
他のメイドが言う。
「ええ、双子なんですよ。
1人でも大変なのに、2人ですからね。
今の第3皇子一家と同じ状況です。
洗濯物も倍になるでしょう?
なので、子供用オムツを使い捨てに出来ないかと考えて、女性の夜用ナプキンの技術を転用しようと・・・
私の子供達に試用しながら、製品化に向けて試行錯誤していくという形になると思います。」
「そうなのですか・・・それで、どうして事前に双子とわかったのですか?」
「ええ、精霊が教えてくれましてね。
胎児の判別に関しては、宰相殿からの通達で私の近しい方以外は診断しない事になっているので、頼まれても診察してあげる事は出来ないので口外しないでください。
ちなみに、私の子供は双子の女児です。」
「わかりました。
私共も口外しないようにします。」
メイド長が言う。
「お願いします。
というわけで、夜用ナプキンと子供用の使い捨てオムツの発売は未定ですね。」
「そうですか・・・使い捨てオムツが製品化されるなら、第1皇子一家にルイス様がいらっしゃいますので、早速使えたらと思ったのですが。」
とあるメイドが言う。
「んー・・・うちの子供達に使うなら、試作品に不具合が有っても私が笑って終わりですが、流石に王家の嫡子が相手となると・・・んー・・・お世話している人達は良いとしても、試作品で何かあった場合の周りの目がなぁ・・・今は止めた方が良いですかね。」
「わかりました。
キタミザト様の方で試験を重ねて頂き、製品化されるのをお待ちします。」
「いつ頃になるかなぁ?第1皇子一家の第4子に使えるかな?
クラリッサさんが控えているからね。」
「はい、確実にもう1人は懐妊されるでしょうね。
・・・使い捨てオムツの件もそうですが、第3皇子一家の出産で実践された保健の知識を、私共も共有してよろしいでしょうか?」
「構いませんよ。
教材は、レイラさん達から借りて書き写してくださいね。」
武雄が言う。
「わかりました。
一応、キタミザト様から第3皇子一家に口添えをお願いします。」
「ええ、しておきます。
ま、今回アルマさんとレイラさんの出産で、旧来の慣習と正しい保健知識の違いを感じた方も多いでしょうしね。
そういえば・・・同時に産まれたという報告は見ましたが、ジーナ、実際どうでしたか?」
「??どうとは?・・・ご主人様、質問の意図が分かりかねます。何をお知りになりたいのですか?」
「ん-??・・・まずは出産時の様子かな?
一番大変なのは出産時だと思いますし。」
「陣痛が始まった時点で、既に王城は大混乱でしたが、
どの時点の様子をお知りになりたいのですか?」
とジーナが言うと、メイド達も頷く。
「・・・大混乱?
『産気づいて陣痛が始まった』というのは混乱の開始だとは思いますけど、王城ならいつ生まれても良いように準備している物だと思っていましたし、少々混乱しても段取り自体はしてあるものだと思っていたのですが・・・・大混乱?」
武雄が首を傾げる。
「はい、私も招集されてお手伝いをしました。」
「ジーナのお手伝いは心強いでしょうね。」
「いえ、そうではなく。」
ジーナが言う。
「え?えーっと・・・メイド長、簡単に経緯をお願いします。」
「わかりました。
では、概要をお知らせしますね。」
メイド長が当時の動きを話すのだった。
・・
・
「うん、それは大混乱ですね。」
武雄は、メイド長からアルマとレイラの出産時の話を聞いて頷く。
「はい、まさか同時に陣痛が始まるとは思いもせず、各局が一気に慌ただしくなりました。
そして、その後はエリカ様やエイミー殿下がお戻りになって、出産を乗り切ったという感じです。」
「そうですよね。
んー、まぁ、そういう偶然もあると学んだという事で、次に活かさないといけないですね。
とはいえ、常に2人同時に出産とはならないだろうし、そもそも2人同時に妊娠するというのが稀なんですけどね。」
武雄が言う。
「はい、とはいえ、次の出産時には各局が上手く連携出来る仕組みを作って備えておきます。」
メイド長が言う。
「まぁ、王城内は色々と考えないといけない事や、確認しないといけない事も多いでしょうからね。
次が上手く行くように出来れば良いですね。」
武雄が頷くのだった。
「・・・ご主人様。」
「うん、窓の方を見て、どうしました?」
ジーナの呟きに武雄が答える。
「はい、ビエラがエルヴィス領から戻った様です。
出迎えに行ってきます。
おそらく、総監局への書類や何か届け物を持って来ていると思うので、第八兵舎、総監局受付を経由して戻ってきます。」
ジーナが武雄に言う。
「わかりました。
よろしくお願いします。」
武雄が言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




