第3462話 軍務局と外交局との会議。3(お付きの控室では、知り合いと話でもしながら待機していましょう。)
武雄とジーナの雑談を終え。
「で、なんでしたっけ?
ジーナの入る、お付きの控室の安全管理でしたか?」
武雄が本題に戻ってくる。
「はい、メイドや警備局員は居りますが、注意をと。」
「まぁ、ある程度ならジーナも我慢するでしょうけど・・・
侯爵家のメイドに、いちゃもん付ける勇気がありますかね?」
「貴族同士では、自身の進退があるので自制をしても、連れてくる者がそういったことまで頭が回るかどうか・・・
いや、ギリギリ問題にならないような言葉で煽ってくる可能性もありますし、そもそもジーナ殿の見た目でキタミザト殿の配下とわかるとは・・・」
軍務局長が考えながら言う。
「・・・そこまで気にする事ではないと思いますよ?
貴族家のお付きになるくらいです。進んで暴力沙汰はしないでしょうから、売り言葉に買い言葉という事ぐらいでしょう。
お互いに睨み合えば良いのでは?
お付き同士がいがみ合ったからといって、私に影響が出るような事はないでしょう。
出たら出たで・・・まぁ、なんとかしますよ。」
「うーん・・・良いのでしょうか・・・」
「ジーナ、言葉だろうが、暴力だろうが、こちらからは仕掛けてはなりませんよ?
室内にメイドさん達がいる状態なら経緯を見ているのでね。
先に手や口を出すのは相手からですからね?
あと、常に顔見知りか王城の人間が居る場所に居てください。知らない他家のお付きだけしか居ない状況にならない様に注意しなさい。」
「わかりました。
注意を払いますが、言葉の挑発に対しての対応が難しいかと。
他は何とかしますが。」
ジーナが言う。
「そうですね・・・『私は侯爵家の者です。爵位が下の家の者が気安く声をかける事を、貴方はどう思いますか?』とか『礼儀を弁えないお付きが居るから、貴殿の当主は陞爵出来ないのでは?』とか『成果より血統を重んじる家系なのですね、私が仕える家は成果主義ですから羨ましいです。』とか『口が臭うので黙って下さい。』とか?」
武雄が楽しそうに言うが、外交局長と軍務局長が肘を机につき、両手で顔を覆っている。
「・・・どれも使いどころが難しいかと。」
ジーナが言う。
「ふむ・・・ま、適当にあしらっておきなさい。
無視しておいて、それでも何か言ったら、魔眼でも使って威圧すれば良いでしょう。」
武雄が言う。
「ダメです!止めてください!メイドか警備兵が動きますから!」
軍務局長が言う。
「ジーナ、無視してメイドさんの近くに行けば良いのでは?」
「そうします。
あ、でも、エイミー殿下のお付きのドネリー様も居そうなので2人で話をしています。」
「あ、一研のコンティーニさんも居るかもしれないので、一緒に居てください。」
武雄が言う。
「わかりました。
知り合いのお付きの方達と集まって話しをしている様にします。」
ジーナが言う。
「そうですね・・・ジーナにドネリーさんにコンティーニさん・・・精霊魔法師が3名ですか?」
「はい。
他にも居そうですが、私の知り合いでは、そうなります。」
ジーナが頷く。
「ふーん・・・ですって。」
武雄が軍務局長を見る。
「ジーナ殿だけでも大変なのに・・・他にも精霊魔法師が2人もいるのですか・・・」
軍務局長が項垂れている。
「・・・・・・ご主人様、軍務局長殿の反応は、どう捉えたら良いのでしょうか?」
「多分、仕事が大変なんですよ。
そっとしておきましょう。
ま、とりあえず仲が良い人達と固まって話をしていなさい。」
「はい。」
ジーナが頷くのだった。
「さてと・・・えーっと・・・外交局長、次は何かありますか?」
「予定では、ウィリプ連合国との戦争についての話をするつもりでしたが、軍務局長が落ち込まれているので、先にウィリプ連合国とカトランダ帝国の外交情勢の話をしようかと。」
外交局長が言う。
「はい。お願いします。
とはいえ・・・何か動きが見られたんですか?」
武雄が聞く。
「国家は常に動いている物ですよ。
まずはカトランダ帝国からです。
帝都の東町で、大規模な街の開発が終了したようです。」
外交局長が話し出すのだった。
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第3皇子一家の執務室。
ウィリアムは昨日の会議の疲れでまだ寝ていて、アルマは乳母と共に子供達の面倒を見に行っている。
「うーん・・・エリカさん、やっぱりこれが良いよね?」
レイラが書類をエリカに向けて見せる。
「そうですね。
周辺の商店もまだ空きがありますから、領内外の輸出入品を扱う商店を一まとめに出来ますよね。
ですが、少々、奥まっているのですね。」
エリカが言う。
「うん、そうなんだよね。
で、2番がこっち。」
レイラが違う書類をエリカに向けて見せる。
「そうですね。
こっちは周辺の空き商店が少ないのですが、立地として候補の中では城門に近いので、人通りも多く、売り上げがよさそうなのですよね。」
エリカが言う。
「うーん・・・3つ目も4つ目も、良い所と悪い所があるんだよね。」
「まぁ、そうですね。」
「・・・もう4つ全部渡して選んで貰おうか?」
レイラが言う。
「それも1つの手段ですが、各候補に説明書きは必要になるでしょうね。」
「私達の意見を書いて良いのかな?」
「良いと思いますよ?」
レイラとエリカが魔王国向けの商店を探しているのだった。
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