第3459話 438日目 リーザが一時帰還。(アリスに依頼が来ました。)
朝食後のエルヴィス伯爵邸の客間。
アリスとビエラ、クゥ、天霧、カーティアが居た。
「アリス、今日、丸型焼き食べれるの?」
ビエラがお茶を飲みながら聞いてくる。
「ええ、料理長に教えてたら『すぐ作ってみたい』という事になってね。
今、中に入れる餡子を作ってるわ。
午後のお茶の時に試作品が出てくる予定よ。
でも、試作だから上手く行くかわからないと言っていたけど。」
「でも、コノハが手伝ってるんでしょ?」
「ええ、付きっきりよ。
だから、たぶん、大丈夫だとは思うんだけど・・・」
「アリスは待機だね。」
「コノハには、私はここで大人しくしているように言われているわ。
ま、何かあってもカーティアちゃんやビエラちゃんが走ってくれるだろうし、天霧ちゃんもいるから夕霧ちゃん達にもすぐに連絡入れてくれるだろうし。
私は安心して、ここでのんびりしています。」
「何かあったら頑張るから!」
「うん、頑張ってくれるのはありがたいけど、屋敷は壊さないでね?」
アリスがにこやかに言う。
扉がノックされ、アリスが返事をするとルフィナとヤリスが入ってくる。
「「失礼します。」」
「うん、どうしたのかな?」
アリスが聞く。
「はい、今ブルードラゴンが屋敷上空を通過していきました。
リーザ様と思われるので、時雨様より連絡があり次第、お迎えに行こうかと。
アリス様に許可を貰いに来ました。」
「ええ、良いですよ。
ん?スライムが来ましたね。」
スライムが客間に入って来て天霧に吸収される。
「アリス、シグレからです。
リーザが来ました。
トレーシーとスズネ、ノットが居るので、スズネが届いた荷物とリーザを持ってくるそうです。」
天霧が言う。
「わかりました。
『お願いします』と連絡してください。
ルフィナちゃんとヤリスちゃんは、スズネさんの出迎え準備とお茶の用意をお願いします。」
「「畏まりました。」」
ルフィナとヤリスが礼をして出ていく。
「タケオ、何かしたのかな?」
ビエラが言う。
「以前ならそう思うのですが、今は王城でも名が売れていますからね。
戦闘になるような事はないでしょうし、あったとしても試験小隊の面々も居ますから・・・
相手を潰す事はあっても、此方が潰される事はないですよ。
それに、そういった状況ならリーザちゃんは来ないと思うし。」
「確かにそだね。
んー?わからないね。」
「まぁ、リーザちゃんが来たという事は、何かしら持って来たのでしょうから、それを見てから考えましょう。
私が判断出来なければ、皆で考えれば良いだけですしね。」
アリスが言う。
「だねー。」
アリスとビエラは、スズネの到着を待つのだった。
・・
・
スズネは、リーザと荷物を届けるとまた試験小隊の訓練場に戻っていった。
ちなみに「出来上がった丸型焼きを受け取りに、15時にまた来ます!」と宣言もしていたりする。
「んー・・・?」
アリスが、リーザと鞄を受け取り、武雄と王都の総監局からの手紙を読んでアリスが首を傾げる。
「タケオ、なんだって?」
ビエラが聞いてくる。
「うーん、タケオ様は会議を順調にこなしていると言っていますし、面倒事もないと。
ジーナちゃんが一緒に行動してくれているので、助かっていると書いてありますね。
それと、ビエラちゃんとリーザちゃんで話し合って、どっちかが戻って来て欲しいと書いてありますね。」
「タケオは順調なんだね。
違う手紙の方は?」
「王城の総監局からの依頼です。
1月14日11時に鞄の中の書類を開けて、お爺さまに伝えて欲しいと書いてあります。
あ、受領書があるのですか。
・・・これか。
これに私のサインをして持って行って貰うと。
はいはい、サインしてしまいましょう。
中身をみて、リストと同じっと。」
アリスが受領書にサインをする。
「リーザ、王城はどうですか?」
ビエラがリーザに聞く。
「ぎゅ?ぎゅー。」
「暇なんだ。
ちなみに、今、新作のお菓子を試作中だよ。」
「ぎゅ!」
リーザが目を煌めかせる。
「午後のお茶の時に出ますから、ビエラちゃんかリーザちゃんが行く前に食べて行ってくださいね。
ですが、新作なので、絶対に美味しいとは約束出来ませんからね?」
「大丈夫ー♪」
「ぎゅー♪」
ビエラとリーザが返事をする。
「そっか、リーザちゃん的には王城は暇ですか。
まぁ、やれる事も少ないのは確かですかね。」
アリスが言う。
「うーん、なら、今度は私が行ってこようか。
私なら、空いている時間はマイヤー達とも行動出来るしね。」
ビエラが言う。
「そうね、2、3日毎に代わっても良いかもしれませんね。
うん?・・・タケオ様の手紙に続きがありました。
王都での大まかな日程が書かれていますね。
リツ殿の所にも行くようですよ?
その際に、王都西の宿にも立ち寄るようですね。」
「あ、私、スミス達と行ったよ。
カレー美味しかった、だけど、カレーは米の方が良いかな?」
「米のカレーは、エルヴィス家しか出しませんからね。
でも、そうか・・・王都西のその宿だけに米を卸しても良いかもしれませんよね。
宿とは言え、期間限定みたいにすればそれほど多くは消費しないでしょうし、アズパールカレーの発展の為にも王都西の宿のカレーはもっと人気になって欲しいですよね。」
「いいねぇ、米のカレーは人気が出るよ!」
ビエラが言う。
「うーん・・・あとで玄米を5kgぐらい用意して貰って、タケオ様に届けて貰いましょうか。
王都西の宿で披露するかはタケオ様の判断に任せるとして、5kgならリュックの大袋にも入るでしょうし。」
「だねー。
そうしよう。」
ビエラが頷くのだった。
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