第3457話 今日も1日頑張った。(エリカと魔王国の方々向けの商店の話。)
王都守備隊 第八兵舎内 武雄とエリカに割り振られた貴賓室。
武雄とエリカ、ジーナとリーザが居た。
ジーナは、昨夜からの会議の報告書をまとめており、武雄とエリカ、ミアとリーザは寛いでいた。
「へぇ、今日1日で結構、回ったんですね。」
エリカが武雄の感想を聞いて言う。
「ええ、会議が2つ、歓談が2つですね。
専売局と財政局との話を終えて、第八兵舎に戻ってくる際に若干、やつれたアルダーソン殿に会ったので、授与式後の同期飲み会にに誘ってきました。
明後日は、授与式後に出かけてきます。」
「はい、いってらっしゃいませ。
積もる話もあるでしょうしね。」
エリカが頷く。
「すみませんね。
遅くならないように帰ってきます。
エリカは、今日は仕事でしたね?」
「ええ、タケオさんが持ってきた話で、魔王国の駐在拠点とする商店の候補を探していました。」
「・・・エリカ、新設に近い町なのでしょうけど、それなりに大きい商店が空いているのですか?」
「んー・・・もともとは少し大きな村だったと聞いています。
ゴドウィン伯爵領からテンプル伯爵領に向けての街道沿いにあったので、そこに手を加えたという形です。
実は、既存の村に後から手を加えたので少々、面白い事になっているのは確かですが。」
エリカが苦笑する。
「面白い事?」
「はい、以前、タケオさんがウィリアム殿下の屋敷がある領都の区割りを見て、道幅の話をしましたよね?」
「・・・話しましたね。
道幅が狭いなぁと、感想を述べただけですが。」
「その後、あの意見が採用され、殿下領内でも実施されてます。
で、今回の町もそれの影響があって、既存の表通りではなく、1つ裏に入った所の道が広くなっています。
まぁ、現状は表通りが2つあるようなものです。」
「城門の出入り口は1つですよね?」
「はい、出入り口前の広場は大きくなっていて、そこに入ってまっすぐ伸びている古い道が表通り、裏に伸びている広くて新しい道が第2表通りとなっているんですよ。
で、そっちの第2表通り側には新規の建物が多く、まだ空き物件があるんです。
そこの物件情報を見ながら決めています。
今、4軒ほど候補に挙がっているのですが・・・もう少しで選定が終わりますよ。」
エリカが言う。
「わかりました。
まぁ、4軒でも紹介してくれれば、そのまま魔王国側に渡して決めて貰います。
商店の位置がわかる程度の簡単な地図も用意してください。」
「はい、そちらも用意しています。
まぁ、そこまで大きい町ではないので、すぐに慣れるとは思います。」
「監視もほどほどにね。」
「はは・・・殿下達に伝えておきます。
彼らを監視する問題より、エルヴィス伯爵領の商品を扱う店という事で、周辺の商店をどう配置するかを考えているような感じですね。」
「・・・まぁ・・・近所に商店が集まっているのが楽なのでしょうけど・・・
むしろ、離れている方が良いとも考えられるのですよね。」
「んー・・・領都ならそちらの方が良いのでしょうけど、町単位だと業種毎に固まっていた方が、住民の利便性が高いと思うのですよね。
宿屋地区、酒場地区、商店地区・・・とか。
警備する者の数も限りがあるので、最初はきっちりと分けておきたいのもありますね。」
「なるほどね。
あ、そういえば、エリカが主導して、お城風味の宿を作るとか言っていたような。
あれはどうなりましたか?」
「建てましたよ!」
「あ、もう建てたのですか。」
「資料は見ています。
完成した実物は、向こうに行ってから見に行くしかないですね。」
エリカが言う。
「見た目はエリカ好みになっているのでしたかね?」
「私好みというと語弊があるような・・・殿下達にも了承されていますよ。
変な外観ではないはずです・・・たぶん。」
エリカが言う。
「ま、8月にウィリプ連合国への出張があるので、その際に立ち寄れば見られますかね。」
「タケオさん、出張ですか?」
エリカが聞いてくる。
「ええ、陛下から指示がありました。
何か欲しい物があれば買ってきますよ。」
「んー・・・今の所、不便はないのですよね。
あ、私と一緒にアズパール王国に来たカサンドラが第3皇子一家の文官と婚約しまして。」
「私に、カサンドラの旦那を引き抜けと?」
「え?違いますよ?
えーっと、私がエルヴィス伯爵領に引越したらお別れになるけど、第3皇子一家の元で生活している間は、今まで通り護衛をしてくれるそうです。
なので、婚約祝いに何か贈りたいと思って、タケオさんの意見を聞きたいな、と。」
「ふむ・・・エリカは何が送りたいですか?」
「うーん、武官としては剣とか防具とかですけど、着飾って貰いたいのもあるので装飾品も良いかなぁとも思うのですよね。
エルヴィス伯爵領で何か特産品はありますか?」
エリカが聞いてくる。
「・・・ドラゴンの革?」
武雄が首を傾げながら言う。
「うん、それ以外でお願いします。」
エリカが言うのだった。
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