第3455話 専売局で打ち合わせ。4(財政局長が来たので再生紙関係について話そう。)
「さて、私の貴族報酬が給与として手元に残るかどうかは、後日ゆっくり考える事にします。
専売局長と財政局長が揃ったので、再生紙事業の話に移りましょう。」
武雄が専売局長と財政局長に言う。
「「はい。」」
2人が頷く。
「前回来た時、再生紙事業と植林事業を起こす事による製紙業における循環サイクルの構築と、再生紙を利用したダンボールの基本構造と製造方法についてお話しさせてもらいましたが、
その後の進捗はどうなっていますか?」
武雄が聞く。
「再生紙の製造については、古紙回収の啓発と合わせて、効率の良い原材料化試験と並行して品質の均一化に向けた試験を行っています。
今の所、流通している新品の紙より少し厚めになるようです。
こちらは、試験をしながら基本となる厚さと品質を決めていきます。
大量生産の方法については、協力工房と一緒に検討中です。」
専売局長が言う。
「ダンボールで作る箱ですが、基本となるサイズを4種類提案して貰った中で、最終的な規格化を検討中です。
ダンボール箱の大きさは、平面的にノートが1つ入るサイズで深さは30cm、ノートが2冊並ぶサイズで深さは30cm、ノートが2×3冊の6冊並ぶサイズで深さは50cm、野菜用にトマトを縦4個、横5個の20個並べられるサイズで深さは10cm。
この4種類で、規格化を検証中です。
ダンボールの量産化については、製品化した際に主力となる工房に試作を依頼、試験中です。
あと、再生紙の紙袋なのですが、40cm四方で奥行きが10cmくらいの物が出来ないかこちらも検討中です。
それと文官から書類を入れる袋も欲しいという事で、それは局内で思案中です。」
財政局長が言う。
「植林事業については経済局と打ち合わせ中で、
やり方を検討している段階です。」
専売局長が言う。
「ふむ・・・どれも実施検討中ですね。
期限は特に決めていなかったと思いますが、個々に工程表を作成していると思いますが、
どうですか?」
「専売局としては、再生紙の製造は工程通りです。」
「ダンボールは少々遅れ気味です。
大量生産に課題ががあります。
・・・量産化の為には、多くの人手をかけるのではなく、何かしらの装置を使ってと考えて開発に当たらせています。
・・・もう少し、時間がかかると思います。」
専売局長と財政局長が言う。
「ふむ・・・ダンボールは、折り曲げた紙の両サイドから紙を貼り付けて製作しますからね。
均一な幅で折り曲げるのが大変でしょうかね。」
武雄が考えながら言う。
「そうですね。」
財政局長が言う。
「中芯になる紙を、凹凸のローラーで両サイドから挟んで形成させてみてはどうですかね?
凹凸の間に紙を通せば、癖がつくと思いますけど。」
武雄が両手を開いて、指先を交互に重ねて言う。
「なるほど・・・紙の幅のローラーを作ればいけますね。
ふむ・・・研究させます。」
専売局長が頷く。
「話は変わりますが、皆さんにお土産を持ってきたんです。」
武雄はリュックから寄木細工が施された小物入れを取り出すと、専売局長と財政局長の前に置いた。
「小箱ですか?」
「柄が・・・見た事ないですね。」
2人がマジマジと見る。
「この柄は、寄木細工と言います。
エルヴィス伯爵領の土産物として、新たに開発しました。
エルヴィス伯爵領に来た方に、お土産として販売する予定です。」
「「特産品ですね。」」
2人が言う。
「これと同じ物を、既に陛下には渡してありますし、クリフ殿下、ニール殿下、ウィリアム殿下、オルコット宰相等にも配ろうかと思っています
宣伝をお手伝い頂けますか?」
武雄が言う。
「宣伝ですか・・・うーん、した事ないですが・・・」
「地方からの売り込みを受けた経験はあっても、他人に宣伝した事はないですね。」
2人が考える。
「執務室で使ってくれるだけで良いんですよ。
品物の素性を聞かれたら『エルヴィス伯爵領の土産で貰った』と答えてくれるだけで構いません。」
武雄が言う。
「そのぐらいなら・・・それにしても独特な柄ですが、土産物という事は、王都に卸して販売する気は無いのですよね?」
専売局長が聞いて来る。
「少なくとも、常設販売は今のところ考えていませんね。
この風合いの柄で、小物入れや家具の装飾をするつもりです。
なので、小物入れは土産物としてエルヴィス領で買って頂くとして、家具は・・・その場で購入するか、注文生産にするか・・・
最初は、来て頂いた方の思い出や記念の品という形にしたいので。」
武雄が言う。
「なるほど、まずは小物入れと家具ですか。
次の商品展開は、何か考えていますか?」
財政局長が聞いて来る。
「そうですね・・・鉛筆とか?」
「「鉛筆?」」
「消費する物に意匠を施すのも良いかもしれませんね。」
武雄が言う。
「んー・・・鉛筆とは、あの鉛筆ですか?
削りますよね?」
「削りますね。」
「この意匠を?高そうですよ?」
「まぁ、値段は高くなると言っていましたね。」
武雄が頷く。
「それを削るのですか?」
「ええ。
高価で滅多に手に入らない物を削って使う・・・背徳感というか、特別感があるでしょうね。
売れませんかね?」
「うーん・・・確かに王都なら需要があるかも・・・手に入らない鉛筆を豪勢に削るんですよね・・・」
「特別感はありますね。」
2人が頷くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




