第3448話 王立学院で昼食を。(15時まで暇になりました。)
武雄とジーナは昼食を食べ終わり、何をするでもなくそのまま食堂で寛いでいた。
「失礼します。
キタミザト様、遅くなりました。」
メイドが入ってくる。
「おぉ!よくここがわかりましたね。
探し回らせてしまいましたか?」
「いえ、先に食堂を覗いてから学院長室に向かおうと思っておりましたので、空振りせずに済みました。
それで、変更になった会議予定のご連絡です。
先ず、軍務局長との会議は正式に延期、時間変更となる専売局長と財政局長の会議は、夕方15時からとなりました。」
メイドが用件を伝える。
「15時?」
武雄が聞き返す。
「はい、只今陛下の執務室に、ウィリアム殿下、宰相様、総務局長、外交局長、軍務局長、人事局長、財政局長、王家専属魔法師殿、アルダーソン様がお集まりになり、陛下と絶賛会議中です。」
「あれ?会議の面子が増えていますね。」
「その都度、追加召集されております。」
メイドが言う。
「・・・うん、今、王城に戻るのは危険なので、15時ギリギリに戻ります。
帰城時は、厨房の勝手口から入りますね。」
「畏まりました。
念の為、警備局には連絡を入れておきますし、14時半には同僚のメイドを厨房に待機させておきます。」
メイドが言う。
「ありがとうございます。」
武雄が頷く。
「ちなみにキタミザト様、この後は?」
メイドが聞いてくる。
「ジーナ、この辺で面白い所、ありませんか?」
「今現在なら、陛下の執務室でしょうか?」
「それは仕事になってしまいますから、行きたくありません。
あ、ジーナとスミス坊ちゃんが戦闘したという場所を見に行きましょう。」
「何もないですよ?」
「では、何もないのを確認してから、14時半以降に王城に戻りますか。」
「・・・そうですね。」
ジーナが少し考えてから頷く。
「メイド達に周知しておきます。
では、失礼します。」
メイドが会釈して武雄達の前を辞するが、食堂の入り口を出た所で誰かに話している声が聞こえてくる。
そちらの様子を窺うと、入れ替わりでエイミーとドネリーを先頭に3年生達が入ってくる。
「タケオさん、お久しぶりです。」
エイミーが武雄達の居るテーブルに近寄り話しかけてくる。
ドネリーはエイミーと自分の昼食を受け取りにその場を離れている。
「お久しぶりです、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」
武雄とジーナが立ち上がり、エイミーに挨拶をする。
「構いません。
到着早々、お爺さまと夜通し会談されたと聞いています。
こちらの都合で無理をさせた様で申し訳ないです。」
エイミーが言う。
「エイミー殿下、昼食をお持ちしました。」
ドネリーが武雄の隣の席に昼食を置く。
「ありがとう。
タケオさんとジーナは、食事はもう済ませたのですか?」
エイミーは席に着くと尋ねてきた。
「ええ、先程済ませました。次の会議予定が15時からなので、それまでのんびり散策でもしようかとジーナと相談していました。」
「そうですか・・・うん?そういえば、なんでタケオさんは、王立学院に居るんですか?
タケオさんの事だから、会議予定が目白押しだと思っていましたけど。」
エイミーが首を傾げる。
「あー、なんか昨夜からの陛下との会談が終わって、今朝から各局長が執務室に呼ばれて、会議を今もしているそうです。」
「・・・お爺さまが?夜通し後に会議をまだしているのですか?」
「ええ、その様です。
なので、昼までの軍務局との会議は後日に延期、専売局と財政局との昼からの会議が遅れて15時からに変更なりました。」
武雄が言う。
「ふむ・・・タケオさんは、お爺さまと何の話をしたのですか?」
「おおまかに言えば・・・魔王国とブリアーニ王国の事ですね。」
武雄が言う。
「ブリアーニ王国が領地替えで異動してくる話は聞きました。
国家を異動させるというのは、驚きましたが。」
「まぁ、魔王国は領土拡張をしましたからね。
今まで魔王国の端に位置していたブリアーニ王国でしたが、魔王国が戦争で領土を拡大したせいで魔王国の中心に居座るみたいになってしまう立地状況は、如何にブリアーニ王国が同盟国といえど、お互いに居心地が悪かったのでしょう。
それに、この領地替えの異動は双方が合意の上なので、別に両国にイザコザがあるわけではないですよ?」
「そうなのですか?」
エイミーが武雄に聞く。
「ええ、仲良く、異動の話をしていましたからね。」
「タケオさんもその場に?」
「ええ、今後の輸出入に関しての話もしてきましたよ。
ほら、毛布の件がそれですから。」
「そうでした。
もう到着したのでしょうか?」
「ブリアーニ王国の王都には、1月15日着で輸送しています。
ま、期日には到着するでしょう。」
「ふむ・・・それにしてもブリアーニ王国ですか。
エルフの国家なのですよね?」
「ええ、そうですね。
あ、魔王国への出張中にエルフの農家さんに会いましたが、アズパール王国建国前の戦争に従軍していた方でしたよ?」
「それは、また随分とご健勝な方ですね。」
「ええ、随分と昔の事ですと言ってくれました。
機会があれば、ブリアーニ王国に行って、お爺さんの農作業を手伝いますかね。
手伝うと野菜を頂けます。」
武雄が言う。
「エルフが作った野菜・・・長寿になりそうです。」
エイミーが考えながら言う。
「普通に美味しい野菜でしたね。」
武雄が言うのだった。
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