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第3447話 ボールドと話を終えて武雄はのんびり。(ジーナの疑問に答えましょう。)

王立学院の食堂。

ボールドとの話を終え、学院長室を後にした武雄はジーナと一緒に食堂に来ていた。


「誰もいませんねぇ。」

「はい、まだ授業中ですから。」

料理を受け取り、席に着いた武雄とジーナはのんびりと昼食を取っている。

「前に来た時はジーナに怒られましたか。」

「あの時は、ご主人様が事前の連絡も無しに訪ねて来たからです。

 だから、その・・・苦言ぐらいは当然です。」

「今回は、連絡したから大丈夫ですね。」

「大丈夫かどうかはわかりませんが、連絡をした事実はあります。

 皆様がどう受け取るかは知りません。」

「んー?・・・大丈夫でしょう。」

武雄が頷く。


「ここの食事も、食べ納めだねぇ。」

「パラスは、食堂ではいつも人間サイズで顕現しているのですか?」

パラスとパナも人間大になり、昼食を取っている。

「たまに、昼はね。

 精霊(私達)は食べなくても平気だけど、美味しそうな物は食べたいよね。

 パナは?」

「研究所に居る時は、昼は必ずですね。

 スズネ達と話しながら食べます。」

「コミュニケーションだね。

 食べながら打ち合わせかぁ。」

「いえ、主にスズネの健康面の話をしています。」

「あれ?そうなの?」

「ええ、暴食ではないですが、毎日呑んでいますからね。

 普段の食生活は気を付けさせています。」

「お酒に疲れた体に良いというと、シジミ汁だね。」

「エルヴィス伯爵領で小さい貝が食されているのは見た事ないですね。

 食事に出てくればコノハが動くでしょうから。

 実際に食べられていないのでしょう。」

「小さ過ぎて食べないのかもよ?

 あんな小さいの好んで食べるの日本人だけでしょ?」

「かも知れませんね、」

パラスとパナが雑談するのだった。


「ご主人様、ボールド殿との話はあれで良いのですか?」

「あれとは?」

「王立学院に納めている黒板や文具等について、取次販売する事業をボールド殿に斡旋する事です。」

「うーん、国の予算から着服や横領等が発生する恐れがあるので、ボールド殿に提案した随意契約は褒められたやり方とは言えないかもしれませんね。

 本来なら、複数の業者に同一商品の見積もりを提出させ、1番安い所に発注する競争入札が真っ当でしょう。」

「はい。」

「ですが、今回はある程度の規模で彼に商流を握らせる事に意味があります。」

「ボールド殿が商店を持つ事に意味が?」

「ええ、他の貴族からの妨害や嫌がらせから守り、本来の仕事に専念が出来るようにですね。

 私とは違い、ボールド殿は子供の七光りで爵位が上がると皆に思われるでしょう。

 古参貴族の方々は、面白い筈がありません。

 なので、嫌がらせをし、あわよくば降爵させようと足を引っ張るでしょう。」

「・・・やりますかね?」

「用心をするに越したことはないですよ。

 それに、証拠が残るような嫌がらせはしない物ですよ。

 ま、私の時のように証拠を残しまくる方も居るには居るでしょうが。」

武雄が言う。

「ふむ・・・ご主人様の想定では、どんな嫌がらせが?」

ジーナが聞いてくる。

「ボールド殿は、王立学院の学院長という責任者です。

 王立学院では、運営に必要とされる様々な商品の購買業務が、日々行われています。

 簡単に考えるのなら、納入品の値段を徐々に上げ、人事局への臨時予算申請を何回もさせるという所でしょうか。

 貴族会議方々の副業は不動産業と運送業と酒場と聞いていますが、雑貨屋や商店、工房があってもおかしくないでしょう。

 直接ではなく、間接的に王立学院に納入される商品の価格に影響を与える事が可能です。

 そして、何回も追加予算を取りに行かせて、心証を悪くさせる・・・とか?」

武雄が言う。

「ふむ・・・そこで自分が商流を握る事に意味があるのですね?」

「ええ、自分の商店を持たなくても良いですが、融通が利いて、他の貴族の圧力に屈しないような商店の協力が得られれば良いですね。

 そこを通じて、大量購入をしてしまえば良いのです。

 もしくは、そこの商店から毎回見積もりを貰い、今までの商店から取り寄せた見積もりとを見比べて、安い方から買えば良いとなります。

 あ、そうか。

 自前の商店でも、協力してくれる商店でも1つ基準になる商店を作って、そこを基準に買えば良いのか。

 そして、その商店は私の協力工房の商品を扱うから、他の商店が扱う商品を扱わなくても気にしない。

 もし、扱うというのなら、臨時収入として扱えば良いだけですね。」

武雄が言う。

「・・・ご主人様、間接的に価格を上げるというのは?」

ジーナが聞いてくる。

「納入商店や製作工房ではなく、その前の素材を納入する工房からの価格が上昇すれば、おのずと全体が上がります。

 そして、私がしているのはその逆で、素材を安く提供しているので、他の製品が真似できない価格で商品を世に出せています。」

「あー、なるほどSL液ですね。」

「ええ、それに私の協力工房が扱っている商品の複製品が出まわったら私が見分しにいきますからね。

 類似品は仕方ないとして、複製品は取り締まりの対象です。

 少なくとも私が行って、事情聴取をしなくてはならないでしょう。」

「・・・直接介入する事で、わざと問題を大きくするのですね?」

「ジーナ、大事にして厳しく罰しないと見せしめになりませんよ?」

武雄が言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ボールド殿、良かったね〜、タケオさんと同期で。 、、、良かったのか? 今回も楽しませて頂きありがとうございました。
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