第3445話 3研究所会議が終わって、ちょっと休憩です。(おや?陛下からお呼びがかかっている人達がいますね。)
第3皇子一家の執務室。
研究所会議を終え、武雄とジーナが戻って来ていた。
「うん、気軽に立ち寄ってくれるのは構わないけど、この部屋はいつから休憩所になったのかな?」
レイラが武雄に言う。
「ええ、お茶を飲んだらまた直ぐに次の会議に向かいますよ。」
武雄が悪びれることなく言う。
「はぁ・・・まぁ、食堂でぶっ飛んだ話をされても困るか。」
レイラがガックリしながら言う。
「はは、タケオさん、アルマは子供達の相手をしてたのですが、子供達と仮眠しています。」
ウィリアムが言ってくる。
「疲れてるんでしょうね。
休める時に休むのが一番です。」
「で、タケオさん、会議はどうだったの?」
レイラが聞いてくる。
「特に何もありませんよ?
研究所で取り組んでいる研究について、個々の進捗状況を確認しただけですから。
ありのままを話をして、終わりです。
ほぼ、歓談でしたよ。
ね?ジーナ?」
「・・・はい。」
ジーナが頷く。
「ちょっと!タケオさん!?何したの!?」
「え?互いの研究報告をして、『これからも頑張りましょう』という話で終わったのですが。」
「それだけなら、何でジーナちゃんが、言い淀むの?」
レイラが言う。
「わかりません。
私の印象は、そんな感じだったのですが・・・
ジーナ、何か思う所はありましたか?」
武雄がジーナに聞く。
「はい、・・・ですが、今日の反省会で述べさせていただきます。」
「・・・・・・・・・反省会?」
武雄が首を傾げる。
と執務室の扉がノックされ、ウィリアムが許可をするとメイドが入ってくる。
「殿下方、失礼いたします。
あ、キタミザト様はこちらでしたか。
ウィリアム殿下、陛下がお呼びです。
陛下の執務室にお越しください。」
メイドが言う。
「はい、わかりました。」
ウィリアムが頷く。
「キタミザト様、軍務局より伝言が。
軍務局長も陛下に呼ばれましたので、会議を延期させて欲しいとのご伝言です。
他の者が第八兵舎に連絡に向かいましたが、私がこの場でお伝えさせていただきます。」
メイドが言う。
「わかりました。
他にどの局が呼ばれましたか?」
「私共が知る範囲では、朝一で外交局長が呼ばれ。
先ほど、一研殿と王家専属魔法師殿がおいでになられました。
今、ウィリアム殿下、軍務局長、財政局長が呼ばれたところです。
ジーナ様、キタミザト様のこの後のご予定は?」
「はい、この後、軍務局長との会議、昼食後に専売局長と財政局長との会議が組まれています。」
ジーナが言う。
「畏まりました。
最短で昼過ぎ・・・ですが、財政局長も呼ばれましたので・・・軍務局長との会議は延期でしょうが、専売局と財政局との会議の方は、開始時間を遅らせて開かれるかと。
陛下や宰相殿に連絡を入れ、調整の上各所に連絡いたします。
キタミザト様、ご予定が空きましたが、如何なされますか?」
メイドが尋ねてくる。
「・・・・・・・・・なら、この後王立学院に行きます。
同僚のメイドさん達に周知をお願いします。
昼過ぎに戻って来るか、そのまま買い物に行くか決めかねています。」
武雄が言う。
「王立学院ですか・・・ボールド様の所ですね。
そちらで昼食を?」
「そうですね・・・色々話したい事もありますし・・・彼方で食べてきます。」
「わかりました。
一応、私共の方から王立学院の方には一報を入れておきます。」
「よろしくお願いします。」
武雄がメイドに軽く頭を下げる。
「はい、では・・・王立学院での昼食までに、ジーナ様へ調整した今後の会議日程をお届けするようにいたします。
では、これで失礼します。」
メイドが退出していく。
「タケオさん、陛下の執務室に顔を出さずに出掛けるの?」
レイラが聞いてくる。
「ええ、どうせ会議の内容は私が持ってきた話ですからね。
私が居たらまた同じ説明を繰り返す羽目になります。
なので、王城から逃げ出す事にします。
ウィリアムさん、後はよろしくお願いします。」
「はは、わかりました。
父上には、逃げられたと言っておきます。」
ウィリアムが苦笑しながら言う。
「ええ、そう言っておいてください。
ついでに『方向性は自分達で考えてね』とも。
どうせ、後で軍務局との会議なのです。
その場で方針が発表されるでしょうしね。」
武雄が言う。
「そうですね。
まぁ、僕は大人しく会議を見守ってきます。」
「ウィリアム、頑張ってねー。
エリカさんは、私と魔王国の方々の商店の話を詰めるからね。
タケオさんに同行はさせませんよ。」
レイラが言う。
「ええ、エリカも仕事ですからね。
私は、仕事に急な空き時間が出来たから、一番大変そうな同期の顔を見に行ってきます。
息子さんの事聞かないとね~。」
武雄が言う。
「はぁ、ご主人様、ボールド様はご子息の件で結構、お疲れが見えます。」
「まぁ、王家の姫君に手を出せばね。
心中穏やかではないでしょう。
笑い飛ばしに行ってきましょう。」
武雄が言う。
「はぁ・・・エイミー殿下やスミス様には連絡を入れますか?」
「精霊通信で精霊達にのみの伝達で。
別に彼等に会いに行く訳ではないので伝える必要はありません。どうするかは精霊達に任せます。」
「・・・正確に伝わるでしょうね。」
ジーナが呆れながら言うのだった。
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