第3436話 朝食時の話。(試験小隊は朝練に行っていました。)
寄宿舎の食堂。
スミスとヴィートが食事をしていた。
「スミス様、毎日こんなに早起きして、食べるのですか?」
ヴィートが聞いてくる。
「いえ、もう少し遅くですよ。
今日はヴィートの初日なのでね。
王立学院内を案内するのと、学院長や教師方に挨拶に行かないといけないのでね。」
「あ、申し訳ありません。
それとありがとうございます。」
「謝る必要はありません。初日なんだから、これで良いんですよ。
でも、ヴィートもお付きになるのですから、出来るだけ早く教えられた事を覚えておいてくださいね。
まぁ、間違っても良いですが、最低限の所・・・例えば、良く使う教室や学院長室とかは早目に覚えた方が良いかな?
後は言われた事を聞き逃さないようにね。」
「はい!わかりました。」
ヴィートが頷く。
「スミス、ヴィート、おはよう。」
「スミス様、ヴィート様、おはようございます。」
エイミーとドネリーが入ってくる。
「おはようございます。
エイミー、ドネリーさん、今日も体調不良は無さそうですね。」
「エイミー殿下、ドネリー様、おはようございます!」
スミスは座りながら、ヴィートは立ち上がって深々と礼をする。
「ふむ・・・初々しいわね。
まぁ、そこまで畏まらなくても良いからね。
スミス達は早めに食事を済ませて、挨拶回りかしら?」
「はい、主要な場所は教えておかないと。
とは言え、そこまで多くはないと思いますが。」
スミスが言う。
「私達にとっては毎日通っている場所だから多くないと感じてもヴィートは多く感じるでしょうね。
見るのも聞くのも初めてなんだから。」
エイミーが席に座りながら言う。
「確かに。
ヴィート、わからない事が恥ずかしいと感じるかもしれませんが、その場を凌ぐ為に嘘や適当な事は言わないでね。
分からないなら分からないとしっかりと言ってくれれば、此方も助言も出来るし詳しく説明出来るからね。」
スミスが言う。
「はい!スミス様!」
「うんうん、しっかり学びなさいね。」
エイミーが頷く。
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第八兵舎内の食堂。
武雄、エリカ、ジーナ、初雪、リーザがのほほんと朝食を取っていた。
「んー・・・寝たような寝てないような感覚ですね。
エリカは大丈夫ですか?」
武雄が言う。
「まぁ、タケオさんとジーナ殿は朝方まで陛下と会談でしたしね。
私は途中、起きましたけど、タケオさんとまた寝たので、そこまで感覚はおかしくなっていませんね。」
エリカが言う。
「ご主人様、朝、総監局より王都滞在中のご主人様の予定が届きました。」
ジーナが言い、メモを武雄の前に置く。
「あー・・・会議祭りですか。
最初は・・研究所会議?あ、王家専属魔法師と一研との打ち合わせか。」
武雄がメモを見ながら言う。
「そのようですね。
何か用意する物はありますか?」
ジーナが聞いてくる。
「確か、王都守備隊に慣例の戦争で使った盾を送っています。
それを持って行って途中経過として見て貰いましょう。」
「オーガ戦ですか。
・・・うん?オーガ戦?どっちですか?」
「どっちもかな?
試験小隊内の新人隊員もオーガの攻撃を耐えましたよ。」
「ふむ・・・既存の盾と違いはあるのですか?」
ジーナが聞いてくる。
「んー・・・さて?戦地で比べている暇はなかったですね。
少なくとも試作した盾で、子供達は生き残ったという結果は出せましたよ。」
武雄が言う。
「・・・タケオさん、欠点の指摘とかされるんですかね?」
エリカが聞いてくる。
「言われないと思いますよ?
進捗報告会でしょうしね。」
武雄が言う。
「はぁ。まぁ、何か言われても、タケオさんが何とか説明して丸め込んでくるんでしょうね。」
エリカが呆れながら言う。
「「「失礼しまーす。」」」
試験小隊の面々が入ってくる。
「おかえりなさーい。」
武雄が声をかける。
「あ、所長、すみません。
待たせてしまったようですね。
今、用意をさせます。」
マイヤーが武雄の元にやって来て言う。
「いえいえ。
王都守備隊の朝練に参加してたのでしょう?
付いていけましたか?」
「はは、異動して1年ですが、まだ付いていけますよ。
それに子供達も必死に付いていっていました。」
マイヤーが言う。
「子供達は成長が早いですね。」
「ええ、去年のままなら付いていけなかったでしょうね。
この1年で色々と経験しましたし、毎日頑張っていたという事でしょう。」
マイヤーが言う。
「ご主人様、エリカ様、朝食になります。」
ジーナがいつの間にか席を立ち、武雄とエリカの朝食を持ってくる。
「マイヤー殿、朝食を取ってきました。」
ミルコがマイヤーに言ってくる。
「うん、わかった。
では、所長。私も席に着きます。」
マイヤーが席に向かうのだった。
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