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第3431話 アズパール王との会談10。(ウィリプ連合国への出張の話をしよう。)

「うーむ・・・そうか・・・後日、我とニールとアルダーソンで打ち合わせをしよう。

 その時に、タケオも一緒にと求められたら参加するように。」

「はーい。」

アズパール王の言葉に武雄が頷く。


「さてと、あとはウィリプ連合国関係だが。

 カトランダ帝国と慣例の戦争をしている間に、タケオにはウィリプ連合国に再度行ってきて欲しい。

 ついでと言ってはなんだが、ウィリプ連合国側の西側貴族の街も見てきてくれんか。」

「ジーナからそんな事があるという話しを聞いていますが・・・

 ただ見て来るだけですか?それとも、何かして来ますか?」

武雄が聞いてくる。

「最初は、魔人種の奴隷を購入して来るよう頼むつもりだったんだが・・・タケオ達が上手く立ち回って魔王国の兵士を派遣して貰う事になったから、奴隷の購入に緊急性はなくなっている。

 とはいえ、魔人種の奴隷を買えるのなら買ってきて欲しいというのが本音だ。」

「ふむ・・・まったく買わないというのもありですね?」

「あぁ、そこはタケオの裁量に任せる。

 価格が高騰していると聞いている。買えないかもしれないしな。」

アズパール王が言う。

「ふむ・・・わかりました。

 8月にウィリプ連合国・・・ですね。

 予定を組みます。

 前回同様、使節団任命書の用意をお願いします。

 今回は、王城で任命書を受け取らず直接向かいたいので、書類は送付してください。」

武雄が頷く。

「わかった、その通りにしよう。

 とはいえ、なぜ王城に寄らんのだ?」

「ええ、帰りに立ち寄るかもしれませんが、行きはウィリアム殿下の所とニール殿下の方の街道を通って行きます。

 せっかくの新街道ですからね。

 新しい町並みを見ながら進みますよ。」

武雄が言う。

「そうか。

 まぁ、帰りに寄るなら良いか。

 その辺の事は、また日程が近くなったら手紙でやり取りしよう。

 ジーナの後任の・・・」

「ヴィートです。」

ジーナが言う。

「うん、そのヴィートにさせるのか?」

「うーん・・・何とも言えませんね。

 ジーナが出来ていたからといって、ヴィートも同じ仕事が出来るとは思っていないですしね。」

「まぁ、確かにジーナは出来すぎていたからな。

 それと比べるのは酷という物か。」

アズパール王が考えながら言う。

「過分な評価、恐縮です。」

ジーナが頭を下げる。

「ふむ・・・まぁ、ジーナは下地が違うからな。

 飲み込みも良いし、頭の回転も速い、元からある程度の知識もあった。

 ヴィートとやらに、最初から我に直接届けさせるのは酷か。」

「スミス坊ちゃんの判断次第ですが、最初は坊ちゃんに同行する形が良いでしょう。」

「我や文官達に慣れるまでは、王城への連絡係にはスミスの付き添いが必要かもな。

 それに『ジーナだから』という理由で、王城内を一人で歩いていても誰にも見咎められないのは確かか。」

アズパール王が言う。

「そこまでジーナは王城内の方々から信頼を得ていたのですね。」

「ご主人様、私は何も特別な事をしていないのですが?

 皆様、私を知っているんです。

 少なくとも、名前を名乗ると対応がおかしくなります。」

ジーナが武雄に言う。

「まぁ、最初から王城の幹部方はジーナを知っていたか。

 陛下も触れ回ったのでしょう?」

「うむ、大いにした。

 タケオとアリスが送り込んだ使いの者という時点で、各局に通達が出て、誰も異論を挟まない程度にジーナは伝令役として認知されている。」

アズパール王が言う。

「ふむ・・・なら、ヴィートにも事前の周知をお願いします。」

「うむ、しておこう。

 というかだな、触れ回りはしたが、ここまでジーナが各局で好感を持たれているのは、ジーナの行動の結果だろう。」

「ですから、私は何もしておりません。」

ジーナがアズパール王に言う。

「ふむ、目立つのだろうよ。

 第3皇子一家の執務室を頻繁に訪れ、総監局と人事局にも用事があれば出入りする。

 そして、王都守備隊の訓練に参加をしているのだ。

 この行動だけでも目立つし、慣例の戦争では毎日、報告に来ていただろう?

 そこに外交局長や軍務局長が居て、ジーナの仕事を見ている。

 速報の報告書には、ジーナが会議で報告したという文言もある。

 報告書を手に取る者はジーナの名を知っているだろう。」

アズパール王が言う。

「極めつけは、陛下ともこうやって気安く話せる関係性だと認識されれば、ジーナを無下にする者はいないという事ですね。」

武雄が言う。

「うむ、ヴィートもそうなって欲しいとも思うが、最初から我に単独で謁見させるのは・・・我としても不安がある。

 なので、慣れるまでスミスの同行が必要だろう。

 緊急時は別だろうが。」

アズパール王が言う。

「緊急時?・・・ジーナ、緊急と言うと?」

「慣例の戦争の様な、ご主人様から毎日届く報告は緊急と認識しておりましたが。」

ジーナが言う。

「なるほど。

 なら、当面は緊急性のある報告はないでしょうか。」

「・・・魔王国方面では、空白地帯の件が緊急案件になりそうだがな。」

アズパール王が呟く。

「エルヴィスさんと話し合って、ある程度は対処していきます。

 陛下相手に緊急の報告というのは・・・戦闘行為の発生的な話でしょうが・・・ビエラ達が居るからなぁ。

 まぁ、少なくとも魔王国側と戦闘する気はないので、何かあるとすればドワーフ王国でしょうか。

 でも、すぐに空白地帯の状況が動くことではないでしょうから、当面はスミス坊ちゃんと一緒に行動して貰いましょう。」

武雄が言う。

「・・・そうだな、何かあればすぐに伝えてくれ。」

アズパール王が言うのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
> 最初から我に会いに来るのは酷か   ヴィートの、王城への初登城は    まずは、第3皇子一家への、紹介からでしょうか?    スミスは、エルヴィス家なので、     タケオ か ジーナ の同行で…
リーザ・クゥ「ギュ?(キュ?)(私は?)」
おおさま:「なにかあればすぐにつたえて」 たけお:「はーい」 びえら:「へーかー!きたよー!」 …王城戦々恐々w
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