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第3423話 アズパール王との会談2。(第6軍、第7軍の話。)

地図を見ながら武雄達は話をしている。


「ファロン子爵の処遇については、まぁ、ジーナとしても色々と言いたい事はあるだろうが・・・

 説明を聞いた感じでは、領地異動する2領地のブリアーニ王国とファロン子爵領は、異動前より大きくなっているんだな?」

アズパール王が武雄に確認する。

「はい、それと一番苦労する所にファロン子爵をあてがったそうです。

 ヴァレーリ陛下としては、これがヴィクターの件に対しての罰だと。

 二人には、これで溜飲を下げてくれと言っていました。

 ジーナ、ちなみにシモーナさんご一家はそのまま旧ファロン子爵領、現ブリアーニ王国に残るそうです。」

「シモーナ叔母様達がですか?」

「ええ、キタミザト家と魔王国を繋ぐ仲卸し業を続けてくれるそうですし、ブリアーニ王国内の対外輸出入を取り仕切るそうですよ。

 とりあえず、出世かな?」

「シモーナ叔母様が、ブリアーニ王国の・・・・それは凄いですね。」

ジーナが驚きながら言う。

「ブリアーニ王国としても新規で流通網を整備するよりも既存の流通を使った方が、価格や物量で良い事があると思っての処置でしょう。

 とりあえず、数年は優位に立てますからね。

 シモーナさんもやる気です。

 私達、キタミザト家もシモーナさんが優位を維持し続けられるように・・・助力出来るように対外輸出入業をしていきます。」

「はい!わかりました!」

ジーナが頷く。

「ふむ、タケオ、今の所は対魔王国向けの輸出入に制限は無い。地域経済に影響があまり出ない範囲であれば自由にして構わない。

 その辺はエルヴィスとよく話すように。」

「はい、心得ています。」

アズパール王の言葉に武雄が頷く。


「さて、魔王国の王軍第6軍と第7軍について聞こうか。

 タケオ。」

「はい、第6軍は旧デムーロ国の西部、テンプル伯爵領と森を挟んだ反対側にある港町を中心とした魔王国中央の直轄地になります。

 この地は、ウィリプ連合国向けの奴隷船の発着港であり、大型の船が接岸出来る為、悪用されないように監視する必要があります。

 また、南に押し込んだデムーロ国への対応だけでなく、テンプル伯爵領との間の森に居る蟲等の被害がある為、魔王国の中央軍である王軍第6軍の管轄にしたと聞いています。」

「ふむ・・・直轄で第6軍を配置した意図が気になるな・・・背景を知っていれば色々と見えてくるものもあるな。」

アズパール王が考えながら言う。

「まぁ、ヴィクターにした事を承知の上で・・の配置ですから。

 『サボらず、しっかりデムーロ国を牽制をしろ』という背後からの叱咤激励でしょう。

 心中穏やかならぬ日々が続くでしょうね。」

武雄が苦笑する。

「この程度で済んだのは、ヴァレーリ陛下の温情でしょう。」

ジーナがすまし顔で言う。

「まぁ、多種族が根ざしている地域の領地運営とデムーロ国への牽制と国境監視を『この程度』で済まして良いかは議論の余地はあるな。」

アズパール王も苦笑しながら言う。

「港町という事もあり、珍しい物は干物にして、シモーナさん経由で輸出して欲しいと依頼しています。」

「ふむ、タケオらしいな。

 このタコというのもか?」

「そうですね・・・一応、頼んでみますが、少量なら生を頂けるようになるかも。

 その分費用はかかりますが。」

「ほぉ・・・第3皇子一家の引っ越しの際にタケオは来るだろうから、その際に見てみたいな。」

「わかりました、依頼はしておきますが、間に合うかどうか分かりませんよ。」

「あぁ、それでいい。

 では、第7軍の事を聞きたい。」

アズパール王が聞くのだった。

「はい、第7軍はファロン子爵が異動し、ブリアーニ王国がエルヴィス伯爵領の隣地に異動した事による対アズパール王国向けの対応兵力となります。」

「ふむ、タケオ、前に魔王国5000名、ブリアーニ王国4000名とする内々の話をされた報告があったと思うが、変化はあったか?」

「今の所、変わっていません。

 ゴドウィン伯爵領の関で行う慣例の戦争には、パーニ伯爵領軍が2500、第7軍より2500の計5000。

 エルヴィス伯爵領の関で行う慣例の戦争には、ブリアーニ王国軍1000、第7軍より3000の計4000と事前打ち合わせは終えました。

 よって、アズパール王国としては、各領主と相談し、同数を配置するという事になっています。

 その辺は実施の際に各領主に連絡しますが・・・まぁ、大丈夫です。」

武雄が言う。

「ふむ・・・上手く対応せよ。としか言えんな。」

「はい、何とかします。」

「頼む。

 で、第6軍、第7軍の陣容はわかっているのか?」

「・・・第6軍は知りませんが、第7軍の指揮官と指揮官補佐は知っています。

 教えてくれましたよ。」

武雄が言う。

「ほぉ、タケオの知り合いか?」

「はい、現魔王国王 ダニエラ・セラオ・ヴァレーリ殿が第7軍指揮官に、現王軍 第1軍指揮官補佐 ジャンナ・アンナローロ殿が第7軍指揮官補佐に就任し、隊員は王軍全5軍より招集します。」

「お、おぉ・・・」

アズパール王が言葉にならない声を発する。

「・・・ご主人様、あのヴァレーリ陛下が軍指揮官に?」

ジーナが驚愕の表情を武雄に向けて言う。

「えぇ、ちなみに指揮官補佐のアンナローロさんも種族はヴァンパイアで、ヴァレーリ陛下の側近です。

 日常の予定や各軍との調整、会議の議事進行とヴァレーリ陛下への簡易説明等々していて、戦時になると支援部隊長として1000名を指揮していましたよ。

 まぁ、出来すぎた人達がお隣さんとして引越して来ます。」

武雄が言う。

「「・・・」」

アズパール王とジーナは、様々な感情の入り混じった顔をするのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
アズパール王からしたら『これこの二人が来るのって武雄のせいだよね』って感じでしょうかね(笑)
タコ……食べさせてから正体が判明するのもまた乙な展開ですねぇw
生きたタコを見たときの、2人の感想が楽しみ。
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